ハートキャッチプリキュア! 花の都でファッションショー...ですか!?とは (ハートキャッチプリキュアハナノミヤコデファッションショーデスカとは) [単語記事]

ハートキャッチプリキュア!　花の都でファッションショー…ですか!?とは、アニメ「ハートキャッチプリキュア！」の劇場アニメーション作品である。

2010年10月30日公開。映画プリキュアの第9作である（レギュラーシリーズ映画では第7作）。

概要

海外を舞台にした初のプリキュア作品。また、シリーズ初の女性監督としてこの後に「京騒戯画」を手がける松本理恵が起用、以後スマプリまでの3作品は女性監督による作品となった。さらにシリーズ単独映画としても初めてBD版が発売されている。

映画プリキュアのほとんどは、異世界が舞台となっているが、本作の舞台はフランスの首都パリ。この映画の制作のため、東映アニメーションはルーマニア出身のプロデューサー、ギャルマト・ボグダン氏主導のもとパリロケを敢行しており、パリの街並みやモンサンミシェルなどが精密に描かれている。オープニングでは、スタッフクレジットがアニメーションとして街並みに溶け込んでおり、OP曲のアレンジも相まってとてもオシャレな雰囲気を醸し出している。

本作を映画プリキュアの最高傑作に推すファンも多く、アメリカの子供向け映像コンテンツ業界誌による映像賞「2012 Kidscreen Awards」のキッズ向けTV映画部門の最終候補に東映アニメーション作品として初めて選ばれている。その最大の理由と考えられるのは、ゲストキャラクターがとても魅力的に描かれていたからと考えられる。今回の敵であるサラマンダー男爵は、プリキュアと敵対する立場だが、それ以上に彼を封印から解いたオリヴィエとの疑似的な親子関係が物語の焦点となっている。

当初は単にオリヴィエを利用するだけに思っていた男爵が、お互いに天涯孤独の身から不器用ながらも少しずつ家族の絆を作り上げていくストーリーが丹念に描かれており、むしろこの2人が主人公にすら見えてくる。どこかアンニュイな男爵を藤原啓治が、そしてオリヴィエ少年を翌々年のスマイルプリキュア！でキャンディを演じる大谷育江が共に好演しているのも見逃せない。

2人の人気は非常に高く、pixivなどのファンアートでも、プリキュア5のダークドリームと並び、映画のゲストキャラではトップクラスのイラスト数を誇る。いずれも、敵としてプリキュアと戦う姿よりも、仲良くほのぼのとしたイラストの方が圧倒的に多いのが特徴である。また、つぼみが本編で終始オリヴィエのことを気に掛けていたことから、つぼみとオリヴィエの年の差カップリングも結構人気である。

本作では、ハトプリの世界における最初のプリキュアであるキュアアンジェが登場している。約400年前にサラマンダー男爵を封印した彼女だが、男爵視点であることと、その冷たい視線から、男爵より悪役っぽい雰囲気を見せていなくもない。また、コッペ様は映画でも大活躍しており、EDではちゃっかりファッションショーに参加している。

本編が若干長くなったせいか、近年の映画プリキュアでは珍しく、毎年恒例の前説がない（ミラクルライトを振って応援するタイミングが難しかったという声もちらほら聞こえる）。また、歴代プリキュアの映画作品では、そのストーリー上、子供よりむしろ大人の方が楽しめた作品だったかも知れない。

スタッフ

監督：松本理恵
脚本：栗山緑（山田隆司）
音楽：高梨康治
美術監督：本間禎章
作画監督：上野ケン

主題歌

オープニングテーマ「Alright!ハートキャッチプリキュア! for the Movie」
- 作詞：六ツ見純代、作曲：高取ヒデアキ、編曲：籠島裕昌
- 歌：池田彩、コーラス：ハートキャッチプリキュア（水樹奈々・水沢史絵・桑島法子・久川綾）
エンディングテーマ「Tomorrow Song〜あしたのうた〜for the Movie」
- 作詞：六ツ見純代、作曲：高取ヒデアキ、編曲：籠島裕昌
- 歌：工藤真由、コーラス：ハートキャッチプリキュア（水樹奈々・水沢史絵・桑島法子・久川綾）