ファレノプシス 単語


ニコニコ動画でファレノプシスの動画を見に行く

ファレノプシス

3.2千文字の記事
これはリビジョン 3300907 の記事です。
内容が古い・もしくは誤っている可能性があります。
最新版をみる

ファレノプシス(Phalaenopsis)とは、1995年生まれの日本の競走馬。黒鹿毛の牝馬。

牝馬2冠を達成した後、長い雌伏を耐えて再び花を咲かせた味わい深い名牝。
名前は胡蝶蘭の学名「Phalaenopsis aphrodite」から。
新冠・マエコウファーム(現ノースヒルズ)生産、所有。栗東・濱田光正厩舎所属。

主な勝ち鞍
1998年:桜花賞(GI)、秋華賞(GI)、ローズステークス(GII)
2000年:エリザベス女王杯(GI)

※馬齢はレース名、表彰名を除き現表記に統一

生い立ち

父ブライアンズタイム、母キャットクイル、母父Storm Catという血統。

父は現在では大種牡馬として広く知られており、本馬の出走当時にはナリタブライアンやチョウカイキャロルが大競争を制した、売り出し中の種牡馬。母は未勝利で、母父であるストームキャットの2年目の産駒である。

祖母であるパシフィックプリンセスの一族は白目を剥くほど走っており、本馬のいとこであるビワハヤヒデとナリタブライアンが、本馬の出生前に大活躍を収めており、現代でも本馬の15歳年下の半弟キズナがダービーを制し、また半弟のサンデーブレイクがアメリカで重賞を勝った。近親にはラストインパクトが重賞を3勝しており、今後も目を離せない牝系である。

ファレノプシスは三冠馬ナリタブライアンと4分の3同血という血統背景から、出生前から大きな期待がかけられていた。否が応でもクラシックを意識したくなる血統である。しかし、幼駒の頃は体質が弱く、更に後躯が貧弱、いわゆる腰が甘い状態で、競走馬デビューすら危ぶまれていた。だが、2歳春頃には状態は良化していき、ビワハヤヒデを管理した濱田光正調教師に預けられた。

咲き誇る胡蝶蘭

1997年11月末にデビュー戦となるが、ここでは2着に9馬身を離し2歳レコードタイムで圧勝する鮮烈なデビューを飾る。続くさざんか賞、年をまたいでエルフィンSを勝利して瞬く間に3連勝。一気にクラシック最有力候補に躍り出る。全て先行して抜け出す強い勝ち方であった。

桜花賞を目指す陣営は、トライアルであるチューリップ賞に臨む。しかし飼葉食いが細く、前走から-8kg、前々走から-14kgと細化、出遅れの上馬群に包まれたまま動けない騎乗ミスによって4着に敗戦。このレースを最後に、デビューから鞍上を務めていた石山繁騎手は降板となった。

桜花賞では馬体もほどよく戻り、鞍上に武豊騎手を迎えた。本番では3番人気に推された。ロンドンブリッジがハナを切ってやや早いペースで推移する中、道中中段前方から進め、直線で大外に持ち出すと、逃げ切りを図るロンドンブリッジを差しきり、馬場アナウンサーは「夢の架け橋ロンドンブリッジ!」と実況したが、ゴール前で見事に捉えきった。この年からノースヒルズマネジメントへと名前を変えた生産者、馬主共々初GI勝利を果たした。
二冠目となるオークスでは1番人気に推されたが、2400mという距離を意識しすぎたか、後方待機から直線で良く伸びたものの、エリモエクセルとエアデジャヴーを捉えるには至らず3着に敗戦。

夏を北海道では無く栗東で越した後、ローズSを先行策を以て勝利を飾り、2000m、秋華賞本番では距離は問題ない事をアピール。秋華賞では1番人気のエアデジャヴーと差の無い2番人気に推され、中段後方から徐々に進出し、直線入口では先頭に躍り出るとエガオヲミセテを競り落とし、エリモエクセルらの追撃を凌ぎきり、実況は「秋の京都でも胡蝶蘭満開! ファレノプシスです!」と報す。ここに2冠を達成。
ジャパンカップへの出走予定が立てられたが、状態の不安から取りやめとなり、休養。
3歳シーズンは6戦4勝、最優秀4歳牝馬に選出された。

胡蝶蘭は再び咲き誇る

同世代の牝馬相手にはその才気を見せつけたが、古馬となり、牡馬との混合競走では勝手が違った。

初戦のマイラーズCでは10着と大敗を喫し、続く京王杯スプリングCでは勝ち馬であるグラスワンダーから1馬身半差の5着。安田記念は熱発を起こして出走できず、春シーズンは失意の中終える。
夏の札幌記念ではセイウンスカイと半馬身差の2着に好走するが、最大の目標であったエリザベス女王杯では女王メジロドーベルの1馬身半差の6着に敗戦。有馬記念では4馬身ほど離れた8着に敗北し、好走はしているのだが、勝ちきれないレースが続いた。

5歳になっても現役を続行。フェブラリーSを予定していたが蕁麻疹を起こし回避、マイラーズCに挑むが再び10着に大敗し、更に脚部不安を発症して春を棒に振る。復活を期して前年2着の札幌記念に挑むが、1番人気に推されたものの7着に敗北。

エリザベス女王杯に挑むが、このレースを最後に引退する事が前もって表明され、陣営は「究極の仕上げ」という好調を維持し、悲願のGI制覇に臨むフサイチエアデールとトゥザヴィクトリーにやや離された3番人気に推された。鞍上には前年のマイラーズC以来となる松永幹夫である。
レースではトゥザヴィクトリーがハナを切り、比較的詰まった馬群のままレースは進む。ファレノプシスは好位を占め、トゥザヴィクトリーとフサイチエアデールが4コーナー前で競り合う中、その後ろで虎視眈々と追走。直線で前の2頭に対し必死に追いすがり、フサイチエアデールが先頭に立ったが、その外から黒い胡蝶蘭が差しきり、引退の花道を2年ぶりの勝利で飾った。

引退表明の通り、エリザベス女王杯をもって引退。最優秀5歳以上牝馬に選出され、翌年1月に行われた引退式では胡蝶蘭から作られたレイがかけられ、ターフを去った。ちなみに、グレード制導入後、桜花賞馬が古馬となった後GIを勝利したのは本馬が初めてである。

引退後はノースヒルズにて繁殖入りし、その血統から主にサンデーサイレンス系種牡馬が付けられ、産駒は結構勝ち上がり、ファンタジーS3着のアディアフォーンや阪神JF4着・フィリーズレビュー2着のラナンキュラスを輩出したが、重賞に届く産駒は残念ながら現れなかった。
11頭の産駒を残したが9頭が牝馬である。これはパシフィックプリンセス一族を繋げろとのお告げか。未勝利に終わった末子のレイナローサこそ乗馬になったが、それ以外の引退した牝馬8頭は全頭繁殖入りしている。

2016年7月に、繋養されていたノースヒルズにてクモ膜下出血のため死亡。享年21歳だった。

名は体を表すとはよく言ったもので、桜花賞や秋華賞といった「はな」と名の付くGIで2冠を制し、5歳で復活勝利を挙げた事は、胡蝶蘭は花が落ちても丁寧な手入れをしてあげれば、再び花弁を咲かせる生命力の強い花である事を思い浮かべさせる。

血統表

*ブライアンズタイム
Brian's Time
1985 黒鹿毛
Roberto
1969 鹿毛
Hail to Reason Turn-to
Nothirdchance
Ranavaio Nashua
Rarelea
Kelley's Day
1977 鹿毛
Graustark Ribot
Flower Bowl
Golden Trail Hasty Road
Sunny Vale
キャットクイル
Catequil
1990 鹿毛
FNo.13-a
Stotm Cat
1983 黒鹿毛
Storm Bird Northern Dancer
South Ocean
Terlingua Secretariat
Crimson Saint
Pacific Princess
1973 鹿毛
Damascus Sword Dancer
Kerala
Fiji Acropolis
Rififi
競走馬の4代血統表

クロス:5代内アウトブリード

関連動画

関連項目

  • 競馬
  • 競走馬の一覧
  • 1998年クラシック世代
  • キズナ(15歳差の弟、自分が家庭を持った時に両親から弟が出来たと言われるようなものか)
  • ビワハヤヒデ、ナリタブライアン(いとこ)
  • サードステージ(ウイニングポストシリーズにおける彼女の産駒)
関連記事

親記事

子記事

  • なし

兄弟記事

おすすめトレンド

ニコニ広告で宣伝された記事

記事と一緒に動画もおすすめ!
もっと見る

急上昇ワード改

最終更新:2025/12/12(金) 04:00

ほめられた記事

最終更新:2025/12/12(金) 04:00

ウォッチリストに追加しました!

すでにウォッチリストに
入っています。

OK

追加に失敗しました。

OK

追加にはログインが必要です。

           

ほめた!

すでにほめています。

すでにほめています。

ほめるを取消しました。

OK

ほめるに失敗しました。

OK

ほめるの取消しに失敗しました。

OK

ほめるにはログインが必要です。

タグ編集にはログインが必要です。

タグ編集には利用規約の同意が必要です。

TOP