フクロムシとは、甲殻類(主にカニ)に寄生する、寄生生物である。
その名の通り袋のような外見が特徴的な生物。カニなどに寄生すると去勢、メス化させて宿主の卵だと勘違いさせ守ってもらうという、なかなか鬼畜な生き方の持ち主である。
カニ等の体外に出ている姿からは想像もつかないが、これでも節足動物・甲殻類の一種であり、鞘甲亜綱(フジツボの仲間)に分類されている。この綱の特徴として、卵から生まれるとノープリウス幼生となって5回脱皮、続いてキプリス幼生となり、さらにそこから各種の姿へと変化する特徴を持っている。
フクロムシのメスのキプリス幼生は、宿主を定めるとその体内に進入して変態、蛆虫状の姿に変わる。ここから根のような触手を宿主の体内に伸ばし、栄養を奪っていくのである。やがて成長したメスは「エキステルナ」と呼ばれる袋状の生殖器を宿主の体外に露出させる。
この過程の中で、フクロムシのメスが出す物質によって宿主の身体に変化が起こる。ひとつめは生殖能力の消失。これにより余計なエネルギーを消費させない上に、寿命も延びるとされる。
ふたつめは宿主がオスの場合、生殖腺に影響を与え、メスのように変化させてしまう。こうしてメス、元オスともどもフクロムシのエキステルナを自分の卵だと勘違いして、それをクリーニングしたり、生まれたフクロムシの幼生の放出を手助けしたりするのである。
……と、ここまでメスの生態を書いてきたが、オスはというと寄生生物にはありがちな矮雄というやつである。メスのエキスタクルの中にはオスが繋がれる部分が用意されている。キプリス幼生となったオスはメスのエキステルナを見つけるとそこに体内に進入し、あとはただ精子を出すだけの存在へと成り果てるのである。
卵を産み尽くすと、エキステルナは寄生しているオスごと捨てられ、新たなエキステルナを形成するという形でフクロムシのメスは生き続けるのである。
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最終更新:2025/12/13(土) 22:00
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