鞘とは、刀剣の刀身を収めるための筒状の道具のことである。
概要
刀身の保護と、利用者自身や周囲の保護のため、不使用時、携行時に刀身を収めておくために使う。革製、金属製、木製などがある。携行時には、帯やベルトに固定したり背中にくくったりする。
漢字として
- 意味
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- 刀身を収める道具
- 馬鞭の先端の紐、しおで(鞍の前後の輪につける紐)
- 〔説文解字・巻三・新附〕には「刀室なり」とあり、さやの意が載っている。〔玉篇〕には「鞭鞘なり」とある。
- 字形
- 形声。声符は肖。
- 音訓
- 音読みは、1.の場合、ショウ(漢音)、2.の場合、ソウ(漢音)、ショウ(呉音)。訓読みは、さや、しおで。
- 規格・区分
- 人名用漢字である。2004年に人名用漢字に採用された。JIS X 0213第一水準。
- 語彙
- 鞘尾
異体字
- 削は、さやという意味があり、その意味で鞘の異体字。〔説文〕には「削、鞞(さや)なり」とある。〔段注〕に「削・鞘、古今の字」とある。現在では削は削除の意味で使われる。→削
- 韒は、〔集韻〕に「韒、刀室なり。或ひは革に从ふ」とある異体字。
- 𤿨は、〔集韻〕に「韒、刀室なり。或ひは皮に从ふ」、〔正字通〕に「鞘に同じ」とある異体字。
- 鞩は、〔竜龕手鑑〕に「鞩:俗、鞘:正」とある異体字。〔正字通〕に「俗字」とある。
- 箾は、〔漢語大字典・異体字表〕にある異体字。竿状の道具、竿で撃つという別の意味がある。