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ボストンチャカイジケン

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First of all, put your tea in the mug—not in the harbour.

まず、茶葉をカップに入れてください――港にではありません。


British Army (@BritishArmy) 2020年7月4日のTweetより, 邦訳は初版投稿者による, 2024/05/15閲覧

ボストン茶会事件 (英:Boston Tea Party)とは、1773年12月16日にイギリス領マサチューセッツ湾直轄植民地 (現在のアメリカ・マサチューセッツ州) のボストンで、植民地人の急進派が、イギリス本国議会への抗議として、停泊中の船舶の積荷であった茶箱を海に大量投棄した事件。

アメリカ独立戦争のきっかけになったといわれている。

概要

もともと、アメリカにはタウンゼンド諸法と呼ばれる法令があった。これはざっくり言えば、アメリカが英領植民地であった際に、アメリカに対してイギリス本国が課税権を得るというものであり、イギリスが獲得した版図にかかる費用負担の一助としてアメリカ植民地に課税することで負債を減らそうとしたのである。

しかしアメリカ植民地に住む人々は、自分たちの植民地から本国議会に選出された代表がいないことを理由に、『代表なくして課税なし』の帝国憲法に悖るとして不満を募らせていた。そんなおり、1773年5月10日にイギリス議会はイギリス東インド会社がアメリカ植民地にて中国産茶葉を直接販売するにあたり、実質的に関税の免税を受けるという茶法 (英:Tea Act) を制定した。これは、アメリカ植民地において密輸入されていたオランダ茶葉に対し、イギリスの茶葉の価格的な優位性をもたせようとするものであった (なおオランダの茶葉が密輸入されていたのもアメリカ植民地サイドの本国への抵抗措置である) 。

しかし自分たちの地域の議員がいなくて勝手に法律で税負担だけ押し付けられて不満を抱いているときに、よりによって本国が都合の良いときだけ免税してきたとなって、いよいよ植民地の人々の怒りは頂点に達していた。そのため、植民地の人々は茶葉の荷揚げを拒否するようになっていた――マサチューセッツを除いて。

マサチューセッツのトマス・ハッチンソン総督はボストンの港で茶葉の荷揚げを許可していたので、ボストン港には東インド会社の茶葉を積んだ船舶がたくさん停泊していた。これに対して急進派である「自由の息子達( サンズ・オブ・リバティ ) 」はインディアンのふりをしてボストン港に忍び込むと、停泊していた船舶の茶箱を次から次へと海に投棄したのである。その数なんと342箱。そして夜陰に乗じて逃走した。

イギリス当局は犯人を捕まえようとしたものの、植民地人たちは「ボストンで茶会が開かれただけだろう?」と相手にしなかった。これにイギリス本国はいよいよ怒り、『耐え難き諸法 (英:Intolerable Acts、Coercive Acts)』と呼ばれる法律を制定。マサチューセッツをはじめとした北米13植民地に対しての本国の優位性を回復せんとした。

しかし植民地サイドはいよいよ堪忍袋の緒が切れ、その後の独立戦争につながっていくこととなる。

その後

アメリカではコーヒーのほうが紅茶より飲まれるとよく言われているが、これはアメリカ人がイギリスを象徴する紅茶に反発するようになったからと言われている。しかし現代でもアメリカ人であっても紅茶を飲む者も多くいる。

しかし伝統を重んじる英国人とことなり、合理的な考えを持つアメリカ人は、茶葉をティーカップに入れると、それを電子レンジで沸かすという大胆な手段を取るらしく、2020年5月3日によりによってイギリス在住のアメリカ人TikTokerが電子レンジで茶を淹れるという動画を上げたことでイギリス人が一斉に憤慨 [1] [2]

これに呼応してか、2020年のアメリカの独立記念日 (7月4日) に英軍はアメリカ人に「正しい紅茶の淹れ方」を教えるというTweetを敢行 (参考)。この中では「やかんではなく電子レンジ」を強調しているが、それだけではなく「まず、茶葉をカップに入れてください――港にではありません」とボストン茶会事件についても皮肉を含めて触れている。まあ、アメリカの独立記念日はイギリスにとっては屈辱記念日であろうし言いたくなるのもわからなくはないが……。

関連リンク

関連リンク

  • 事件・事故の一覧
  • アメリカ - アメリカ独立戦争
  • イギリス
  • 紅茶
  • 英米紅茶論争 (米英紅茶論争)

脚注

  1. *当のアメリカ人からは「ああ、南部流の淹れ方だよ」と言われていることから、このTikTokerがおかしいわけではないようだ。2024年の『英米紅茶論争』でも「アメリカはこれからも正しい方法で紅茶を淹れ続けます――電子レンジで」と在英米国大使館が声明を出したりもしている。
  2. *ちなみにこのTikTokerは、その後フィッシュ・アンド・チップスも電子レンジで調理し、再び「正しい作り方ではない」と英国人を憤慨させることになった。
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