テクノポップとは、シンセサイザー、リズムマシンなど電子楽器の音色を意図的に多用し、同じフレーズを反復する、独特の質感を持ったポップスを指す和製英語である。
概要
海外ではエレクトロポップ(エレポップ)、シンセポップ、フューチャーポップと当たる。坂本龍一が「テクノポップ」という言葉を多用し日本でこの単語が定着したという説など、語源には諸説ある。音楽ジャンルの「テクノ」とは全く別物となっている。
テクノポップの源流として、ドイツ出身のkraftwerk、アメリカ出身のDEVOなどが挙げられる。両者ともロボットのようなカクカクとした動き、ケイレンを起こしたような動きとともにテクノポップを演奏したのが世界中に注目され、その後日本でもイエロー・マジック・オーケストラ(YMO)が登場する。
YMOは「RYDEEN」などをヒットさせ、1980年代初頭にはブームが訪れる。P-MODEL、ヒカシュー、プラスティックス、ジューシィ・フルーツなども登場し活況を呈した。「みんなのうた」では「コンピューターおばあちゃん」が流れ、アイドル歌謡もテクノポップ臭の強い曲が数多く発表された。(これら「テクノポップ+歌謡曲」の楽曲は「テクノ歌謡」としても称される)
その後、流行の変遷(第2次バンドブームの到来やTM NETWORK、デビュー当時のB'zなどの「ロックっぽい電子音楽」の台頭)により「テクノポップ」は忘れられかけたが、中田ヤスタカを始めテクノポップ時代の音を取り入れリバイバルする動きにより近年再び再評価されている。Perfumeもその流行に乗り活躍中。
ニコニコ動画的には、VOCALOIDの持つ「生声とは違うぎこちなさ」がむしろテクノポップのピコピコ音に合うことが発見され、数多くの使用曲が掲載されている。
80年代テクノポップと現在のテクノポップの相違点
代表的な点を挙げると以下の通り。
- 80年代に「テクノポップ」と称されたものの中には、ニューウェイヴ的な楽曲も多く含まれる。これは、ニューウェイヴそのものが「それまでのロック・ポップスから逸脱した新潮流」的な意味合いを持ち、テクノポップもその一部であったために混同されたものである。また、現在のようにジャンルが細分化されていなかったことも大きい。
- 現在のテクノポップは、かつての「テクノ歌謡」的な楽曲も一緒にされることも多い。歌謡曲というジャンルが90年代初頭に「J-POP」にその役割を奪われて細分化し、再評価された際に広義での「テクノポップ」(この場合テクノ歌謡も含まれる)として定義されたのが要因と思われる。テクノポップと評価されるPerfumeも、実は80年代の定義で言えばテクノ歌謡の方が近い。
- さらにPerfume含め近年テクノポップとしてリリースされた音楽の大半は「フューチャーポップ(シンセポップとトランスを融合させシンセベルなどを好んで用いる音楽ジャンル。HEAVENLY STAR/元気ロケッツ、YUMEGIWA LASTBOY/SUPERCARなどが有名)」の影響が強く、80年代に作られたテクノポップとは違う音構成や雰囲気を持つ。
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関連項目
- 音楽関連用語の一覧
- 音楽ジャンルの一覧
- テクノ
- エレクトロニカ
- ニューウェーブ
- テクノ歌謡
- KRAFTWERK
- イエロー・マジック・オーケストラ
- P-MODEL
- ヒカシュー
- プラスティックス
- 電気グルーヴ
- 有頂天
- Perfume
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