内部・八王子線とは、四日市あすなろう鉄道が運営する鉄道路線である。全線が三重県四日市市内に存在している。
正式には「内部線」と「八王子線」の二つの路線だが纏めて案内される事が多いので当項目では両方について触れる。
概要
内部・八王子線は日本でも数少ない762mmナローゲージ路線として知られており、軽便鉄道時代からずっとこのゲージ(軌間)を守り通している路線である。
長らくは近畿日本鉄道(近鉄)の路線であったが、赤字続きの路線であったため、近鉄側から四日市市に対してBRT方式によるバス輸送への転換を打診していた。しかし、四日市市側は鉄道での存続を要望。協議の結果、2013年9月19日に「公有民営方式(四日市市が施設・車両を保有し、近鉄の別会社が運行する)」で存続させることで合意した旨の報道がされ、廃線を回避。2014年3月27日に「四日市あすなろう鉄道株式会社」が設立され(リンク)、2015年4月1日に運営が移管された。
四日市市が第三種鉄道事業者として路盤を保持し、四日市あすなろう鉄道が第二種鉄道事業者として運営する上下分離方式をとっている。
全線単線で、電化方式は直流750V。保安装置には近鉄型ATS(自動列車停止装置)を採用している。
近鉄時代では(ケーブルカーやロープウェイを除き)、PiTaPaやICOCAといったICカードが一切使用できない路線であった。四日市あすなろう鉄道移管後も、ICカード乗車券は使用不可であったが、2021年8月21日にICOCAを導入することになった。
内部線はあすなろう四日市駅と日永駅と内部駅の間を結んでいる。八王子線は日永駅から分岐して西日野駅まで結んでいるが全列車があすなろう四日市駅発着となっている。路線名の「八王子」という名称は、かつて伊勢八王子駅まで結んでいた路線だった事に由来する(1974年の水害が決定打となり1976年に廃止)。
現在は八王子線が支線のような扱いであるが、先に開業したのは内部駅方面ではなく西日野駅方面の路線だった。また、近鉄湯の山線の軌間が近鉄名古屋線に合わせられる1964年までは湯の山線とも直通運転していた。
車両
車両はこれまでこの路線を保有していた四日市鉄道や三重交通時代の車両が多い。これは、762mmと軌間が狭いため近鉄のドル箱路線で使い古した車両を使い回すことができないためであった。
このため、近鉄時代では唯一の非冷房車がある路線であった(近鉄は内部・八王子線の移管により、冷房化率100%を達成)。
- 260系
いわばクモハ的な存在の車両。一番全長が長く(といっても、15mほどしかない)、パンタグラフが付いたヤツがこれ。 - 160形
260系のクハバージョン的な存在の車両。 - 110形・120形
全長は11mほどしかない。とにかく小さい、サハ的な車両。検査時にはサハ抜きで運行されることも。
駅一覧
内部線駅名 | 備考 | 八王子線駅名 | |
---|---|---|---|
あすなろう四日市駅 | 近鉄名古屋線・湯の山線乗り換え | (あすなろう四日市駅) | |
赤堀駅 | (赤堀駅) | ||
日永駅 | 内部線は列車交換可能 内部線・八王子線乗り換え | 日永駅 | |
南日永駅 | 1969年廃止 | 東日野駅 | |
泊駅 | 列車交換可能 | 西日野駅 | |
追分駅 | 1969年廃止 | 清水橋駅 | |
小古曽駅 | 1976年廃止 | 室山駅 | |
内部駅 | 1976年廃止 | 伊勢八王子駅 | |
内部線駅名 | 備考 | 八王子線駅名 |
関連動画
外部リンク
関連項目
- 鉄道
- ローカル線
- 第三セクター
- 上下分離方式
- 近畿日本鉄道
- 鉄道事業者・路線一覧
- 北勢線(かつて近鉄保有のナローゲージ路線。三岐鉄道に身売りされた。)
- 黒部峡谷鉄道(日本に存在するのナローゲージ路線のひとつ。)
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