名鉄2000系とは、名古屋鉄道が所有する中部国際空港へのアクセス快速特急の専用車両である。
概要
愛称はミュースカイ。車両前面にCentrair(セントレア)とあるが、これは中部国際空港の愛称である。
このミュースカイという愛称は一般公募で決定した愛称で、名鉄特急の特別車の愛称「μ(ミュー)」と空港をイメージさせる空の意味である「sky」が由来。この愛称は2008年12月27日のダイヤ改正で種別名となった。
車体
車体カラーは名鉄のイメージカラーであるスカーレットではなく、空をイメージした白色を基調とし、前面スカートと出入口周りは空をイメージした青色となっている。
車両前面は名鉄1600系と同様に展望型ではなく貫通型となっている。増結時には中央の観音開きの扉が開き、乗客用の通路となっている。
行先表示機はこれまでの幕ではなく、日本で初めて三菱電機製のオーロラビジョン R-STAYが採用された。しかし、この行先表示機がかかなり見にくく不評だった。さらに三菱電機自体も、名鉄以外から発注が来なかったため、製造を中止した。その為、2000系以降の車両ではフルカラーLED式が採用されている。実は視認性を除けば画期的な行先表示機なんだよ。
車両性能・走行機器等
名鉄には曲線区間が多いため、空気バネを用いた「車体傾斜装置」を採用して車体を最大2度傾斜させ、曲線通過速度を既存車に比べて5~15km/h向上させている。(そのため、常滑線などでは黄色字のミュースカイ専用の制限標識があり、通常よりやや速めに設定されている。)
制御方式は3300系などと同じく、IGBT素子を用いたVVVFインバータ制御である。
伝統のミュージックホーンも当然装備している。音色は1600系と同様にトランペット調の音色になっているが、微妙に1600系と音が違っていたりする。(1600系のミュージックホーンはド♯が音割れしているような印象の音になっている。)
車内
座席は2人掛け座席が2列で、色は青と水色を基調とした色になっている。他の特別車同様、通路側にあるペダルを踏むと回転する仕組みになっている。
客扉付近には荷物置き場が設置されている。登場当時は片側が荷物置き場で、もう片側が1人掛けの座席となっていた。しかし、後述する編成変更により1人掛けの座席が撤去され、現在は両方に荷物置き場がある。
客扉上部には22インチの液晶画面があり、この画面には終点までの停車駅・現在位置・車載カメラからの前面展望映像などが表示される。
2019年3月から、ミュースカイ全列車において、客室液晶画面での多言語(日本語、英語、朝鮮語、中国語)での旅客案内を開始した。これまでは日本語と英語のみで、車内での4か国語での旅客案内は初めてのことである。
2000系の編成変更
デビュー当時2000系は3両編成だった。しかし中部国際空港が開港すると、利用客が予想以上に上昇した。そのため、初期ダイヤでは対応しきれなくなり、3月22日に一部ダイヤ改正を実施し、3+3両の6両にするなどして対応した。このダイヤ改正によって、2000系の予備車が無い状態が続いた。しかしゴールデンウィークになると、愛・地球博の影響もあって利用客がさらに上昇。ついには2000系だけでは対応しきれなくなったため、2000系は全車3+3両で運行し、足りない分は1000系や1600系も臨時で快速特急運用に使用された。
流石にこのままではまずいと思ったのか、名鉄は5月23日に全編成4両編成化し、4両編成2本を新造すると発表した。
新造編成の3次車は2006年4月17日から運用を開始し、現存編成の4両編成化は1次車から行われた。そのため、1次車4両+2次車3両の計7両というこれまでに例を見ない編成になることもあった。この増結作業は2006年7月に終了した。これにより、2000系の3両編成による運用はわずか1年半で終わった。
関連動画
関連項目
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