無限夜行とは不思議な列車と記憶を失くした子供たちの、出会いと別れの物語である。
ここでは2010年8月13日に公開されたフリーノベル版を中心に説明する。
「___おや、君も盗られたのかい?」
概要
元々無限夜行はくらやみ横丁でめめ氏が公開してるオンライン小説であり、
本稿で取り上げるのは小説をベースにウミユリクラゲの丹酌氏がノベルゲーム化したものである。
ウミユリクラゲの前作、『だれかのよどみ』の際にグラフィックスを担当しためめ氏が本作では企画、シナリオ、テキストそしてグラフィックスを担当。 丹酌氏は演出、プログラム、テキストの編集などを担当した。
ゲームは一本道の作りになっており、選択肢などは存在しない。
めめ氏の美しいグラフィックも相まってゲーム全体としてどこか懐かしさを感じる、ノスタルジックな雰囲気となっている。
映画を意識したような演出や、『間』を演出の一環としてうまく取り入れたうえで物語が展開していく。
ブォォーーーーーッ!
あらすじ
うだるように熱い夏の夕暮れ。十歳の悠太は兄と二人だけで、祖父母の田舎へ行くために列車に乗った。 口うるさい
母から離れ、誰にも邪魔されない子どもだけの楽しい小旅行のはずだった。
だが、幼い兄弟の乗ってしまったのは「無限夜行」と呼ばれる奇妙な列車であった。 常闇のように黒車体。聞こえな
いアナウンス。停車しないのに増える乗客。終わらない夜……。 列車は生き物のように意思を持ち、夜から夜へと気ま
ぐれに走り、兄妹を見知らぬ異界へと連れて行く。
そんな中、一つの事件が起きた。ふとしたことから「切符泥棒」に切符を盗まれてしまったのだ。 切符を失うと、目的地
と帰る場所の「記憶」も失ってしまう。 切符を取り戻すためには列車を降りて、「切符屋」を探さなければならない。 列
車内で偶然再会した幼馴染の少女・千夏を交え、三人の子ども達は切符を求めて不思議な夜の市場へ足を踏み出した。
市場で記憶を取り戻したのは兄妹ではなく、千夏だった。すべてを思い出した千夏は悠太に詰め寄る。
「悠くんはさ、この列車に乗るのはじめてじゃないんじゃないのかな」
それは思い出してはいけなかった記憶。あの夏の日に鍵をかけた記憶。
「忘れること」と「思い出すこと」と、少年達はどちらを選ぶのか。
そしてこの奇妙な旅の終着駅は___
不思議な列車と記憶を失くした子供たちの、出会いと別れの物語。
公式サイトより転載
「___みたところ、急いでるのかい?」
登場人物
- 深川悠太 (ふかがわ ゆうた)
- 主人公。小学四年生。
やや弱気な性格もあって兄に強く依存している。 - 兄
- 悠太の兄。小学六年生。
子ども離れした冷静さと行動力を持つ頼れるお兄さん。 - 浅田千夏 (あさだ ちなつ)
- 幼馴染の少女。年齢は悠太の一つ上。
悠太のお姉さん的存在で負けん気が強い女の子。
ウミユリクラゲの過去の作品の流れを汲んでメイド服を……だめ? - 駅員服姿の男
- 列車の乗務員
無限夜行の常連なら知らない人はいない。 - 旅人
- 風の吹くままに旅を続ける青年。
劇中でおじさん呼ばわりされているが、青年。 - 切符屋
- 不思議な夜の市場に店を構えている中年男性。
あまり愛想はよくなく、外見はセイウチに似ている。
ブォォーーーーーッ!
関連動画
Azell氏作の無限夜行イメージソング |
関連項目
「___なあに、そのうちまたくるさ。」
外部リンク
めめ氏の『くらやみ横丁』へ
ブォォーーーーーッ! |
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