This Manとは、全世界の人々の夢に現れるという謎の男である。
概要
この男が「This Man」。
This Manが認知されるきっかけとなったのは2006年、とあるニューヨークの精神科らしい。そこに訪れた女性が「逢ったことのない男が夢にしばしば現れる」という事で診察を受けた。医師は女性の証言をもとにモンタージュを描いた。後日、別の男性患者が病院を訪れた。診断の結果、女性の症状と似ていたので再びモンタージュを描いてみると、先日描いたものとそっくりであった。
これに興味を示した医師は、仲間の精神科医にモンタージュを送った。すると、新たに4人の患者がこの男を夢の中で見たことがあると言ったという。
この現象を不思議に思った医師たちはウェブサイト(ここ)を立ち上げて「This Man」の目撃情報を収集することにした。すると、This Manを夢の中で見たことがあるという証言が2000人から送られた。その2000人の居住地はモスクワ、ロンドン、北京、バルセロナ、ストックホルム、ローマなどなど…バラバラであった。
以上の出来事から「世界中の人々の夢に現れる男」とされるようになった。
作り話
なお以上の経緯については、作り話という説が濃厚である。作り話であると主張してその根拠を挙げているウェブサイトも複数存在している(⇒例1、⇒例2)。
それらのサイトからの情報によると、そもそも「This Man」についてのウェブサイトを作ったのが「ニューヨークに住む精神科医」という部分からして嘘であり、実際にはイタリア人「Andrea Natella」氏によって作成されたものであるとのこと。
「thisman.org」についてwhois情報を確認してみると確かに2015年現在もイタリアでホストされている。かつては「Registrant Name」欄に「Andrea Natella」の名前があったらしいが、これは2015年12月現在では「Contact Privacy Inc.」というプライバシー保護目的のwhois登録代行業者に変更されている。
この「Andrea Natella」氏は実在の社会学者/広告業界人であり、「ゲリラ・マーケティング」についての著作もあるようだ。
つまり、この「This Man」の話は、Andrea Natella氏による何らかのマーケティング、あるいは社会実験であったものと思われる。
関連項目
関連リンク
- Ever Dream This Man?
- Andrea Natella (@AndreaKook) | Twitter (おそらく仕掛人と思われる「Andrea Natella」氏のTwitter)
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