猫の地球儀とは、「ピーター・アーツVSガリレオ・ガリレイ」の物語である。
2000年に発売された秋山瑞人によるライトノベル作品である。
概要
人が死に絶えた宇宙コロニー『トルク』。そこは電波ヒゲで会話し、ロボットを操る猫たちの住処となっていた。
無重力空間で行われる猫とロボットによる格闘技『スパイラルダイブ』、その若きチャンピオン白猫の『焔(ほむら)』、焔の唯一のファン、茶色の子猫の『楽(かぐら)』、そして天を覆う『地球儀』へ至ろうとする三十七番目の『スカイウォーカー』の黒猫『幽(かすか)』。
これは、三匹の猫たちの出会いと戦いと友情と、夢と現実とのすり合わせの物語である。
登場猫物
- 焔(ほむら)
- 先代多爾袞の斑(まだら)を倒し、スパイラルダイブの新チャンピオンとなった猫。しかし、その直後に野試合で幽(かすか)に敗れ、彼とかかわることになる。
- 幽(かすか)
- 先代のスカイウォーカーが残したクリスマスを発見した三十七番目のスカイウォーカー。地球儀に到達するための研究を繰り返しているが、焔にケンカを売ったことで彼にも変化が訪れる。
- 楽(かぐら)
- 焔の唯一のファンだった子猫。猫の生活圏から離れた場所で天使の遺構を探すエクスプローラー。焔にくっついて回っているが、幽の研究にも興味を示している。
- クリスマス
- 幽の相棒ロボット。天使型。少女の姿をしている。だぶだぶの赤いツナギの作業着に身を包み、八重歯と色素の抜けた白い髪が特徴。人間の言葉を発声することはできるが、なぜか意図が不明な天気予報の言葉しか発しない。『ひろってください』
- 日光・月光
- 焔の相棒。2体の同型機で身長は2メートルを超え、2体の総重量は500キロを超えるという巨体。スパイラルダイブで幾多の敵を葬ってきた歴戦の古強者。最近の流行りはじゃんけん。動体視力と反射神経のすべてを尽くして相手の手を読み合うため勝負がつかない。
- 震電
- 楽の相棒ロボット。ポンコツだが長年の知識の蓄積のおかげで生活力は高い。じゃんけんは日光・月光よりも強い。
用語解説
- トルク - 人が死に絶えた宇宙コロニー。現在では猫とロボットとカビの楽園。カビによって酸素が生み出されるため外部からの供給がなくても猫たちは生きていける。
- 電波ヒゲ - トルクの猫に固有の額の真ん中から生えた一本の『ヒゲ』と呼ばれるもの。実際には電波を飛ばし、会話したり、周囲を探ったり、相棒のロボットを操るためのコマンドを発したりする地球の猫にはない器官。
- ロボット - 人間たちが作ったと思われるが、現在では猫たちの命令に従うロボット。天使型であることが多いが、その他の形状もある。猫たちが通常は一人一台ずつ所有しどこに行くにも連れ歩く。猫の体ではできない作業を行うのが主な仕事。
- 地球儀 - 地球のこと。宇宙コロニーのトルクから見える地球儀は死んだ猫たちの魂の行きつく先といわれている。
- スパイラルダイブ - コロニーの回転軸に発生する無重力空間を利用した三次元格闘戦。参加者は自分と相方のロボットをカタパルトを使って射出し、対戦相手と無重力の中で殺し合う。チャンピオンは多爾袞(ドルゴン)と呼ばれ、尾ひれどころか尻びれや背びれまでついた怪物扱いをされる。
- スカイウォーカー - 「アイアムユアファーザー」「ノーーーーーー!!!」と言い合う家族。地球儀は死んだ猫の魂が昇っていく場所だという教義が一般的なトルクの中で、地球儀は生きたままでも到達可能だと主張する猫のこと。もちろん異端の考えであり、スカイウォーカーだと発覚したら抹殺される。地球儀に至るために物理法則などの研究も行い、地球に至る手段を探している。
- 天使 - 人間のこと。作中で天使という言葉が出たら人間と読み替えてまず間違いない。現在では死に絶え、その遺構のみが猫たちに受け継がれている。
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関連項目
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