阿武隈急行単語

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阿武隈急行とは、福島県と宮城県に鉄道路線を展開する第3セクター方式の鉄道会社である。
「阿武急（あぶきゅう）」の略称で呼ばれることがある。

唯一の保有路線である「阿武隈急行線」についても記述する。

阿武隈急行設立に至る経緯

阿武隈急行線の前身である丸森線は、急勾配がネックとなり輸送力増強の障害となる東北本線の越河峠を迂回するバイパス線として建設が開始された。1968年には槻木から丸森まで開業したものの、ここで国鉄がまさかの方針転換。東北本線の複線化によって輸送力増強を行うことになってしまい、丸森～福島間の残り区間は開業が見送りとなってしまった。

槻木～丸森の区間は「丸森線」と名付けられ、営業係数（100円の運賃を稼ぐのにいくら費用がかかるかの値）は1971年には2404となり、国鉄ご自慢の赤字路線として鉄道ファンを中心にその名を轟かせることになってしまった。
1980年に国鉄再建法が成立すると、丸森線は当然のように特定地方交通線（廃止対象となる赤字路線のこと）に挙げられ、用地買収と路盤がほぼ完成していたにもかかわらず建設は凍結となってしまった。

だが、阿武隈川沿いの観光需要や仙台～福島の都市間輸送による需要を見込んだ周辺自治体が、廃線を惜しんで、第3セクター方式の鉄道会社「阿武隈急行株式会社」を1984年に設立させている。
1988年には念願の槻木～福島の区間も完成し、東北本線との直通運転も開始している。

会社設立当時、福島県の地元企業である福島交通が51%の株式を持っていたが、その後に行政の出資比率が増えたことから現在は20%まで保有比率が落ちている。だが現在でも親会社であることには変わりなく、その経緯から福島駅において駅舎・プラットホームを共同使用している。

阿武隈急行線

福島～槻木を結ぶ全長54.9kmの路線である。
前述の通り、国鉄丸森線を引き継いだ上で丸森～福島を延伸し全線開通している。

最大の特徴として「私鉄初の交流電化路線」ということが挙げられる。
交流電化は直流電化に比べ車両製造にコストがかかるため私鉄では採用されていなかったが、
東北本線との直通を考慮し私鉄初の交流電化の採用となった。
つくばエクスプレスが開業するまでは私鉄唯一の交流電化路線だった。

運転本数はおおむね1時間に1～2本。丸森線時代には1日5往復だったことを考えると大躍進である。
1日に2往復だけ、槻木駅から仙台駅まで乗り入れる。

使用車両

8100系

全線開通時に運転開始した2両編成の電車。2ドア・セミクロスシートでワンマン運転にも対応している。
仙台駅に乗り入れる列車は4両編成で運転される。オールロングシートの701系と違いしっかり座れるので、青春18きっぷで北上or南下する方もぜひ運賃（980円）を支払って乗りとおしてみてはいかがだろう。
え？1000円支払うくらいなら高速バスに乗るって？

AB900系

1988年の開業以来使用してきた810 0系の置換えを目的に、2019年より導入された2両編成の電車。
ベースはJR東日本のE721系で、車体のアクセントカラーは沿線自治体の自然や花をテーマに青・緑・黄・桃・橙の全5色になる。

過去の使用車両

A417系

元は国鉄・JR東日本の417系電車。仙台周辺で活躍していたがE721系により置き換えられるところだった車両を阿武隈急行が格安で引き取った形である。3両編成で、福島口の朝の通勤・通学ラッシュに威力を発揮する。
2016年 5月引退。

お得なきっぷ

開業以来、少子高齢化という阿武隈急行単独では解決できない問題、90年代以降熾烈さが増す一方の
高速バスとの乗客争奪戦など阿武隈急行を取り巻く環境は決してよいとは言えないが、お得なきっぷを
販売し対抗している。

「阿武急の日」フリー乗車券

阿武隈急行線内を自由に乗り降りできるきっぷ（1日限り有効）。毎月第1日曜日、鉄道の日(10月14日)および元日に利用可能。お値段はなんと破格の600円である。
普段は片道乗り通しですら980円かかると考えるとどれだけ安いかお分かりいただけよう。

飯坂温泉日帰りきっぷ

福島駅でホーム・改札を共有する福島交通飯坂線とタイアップしたきっぷ。
お値段は大人は1500円、こどもは750円で飯坂温泉の協賛ホテル・旅館で日帰り入浴が可能。
その他福島市内の一部美術館などの入場料が割引になるサービスも。

GO!かくだ切符

受験シーズンに枚数限定で発売。「合格だ」と「GO!角田」をかけており、やながわ希望の森公園駅から
角田駅までのきっぷを販売している。通信販売も行っている。お値段は590円。
普段の運賃と同じなのにどこが「お得」なんだと思われる方もいるかもしれないが、
受験に合格すること程お得なこともないだろう・・・。

駅一覧

*: 交換可能駅

駅	よみがな	■乗換路線 ○周辺施設	所在地
福島駅*	ふくしま	■JR東日本東北新幹線・山形新幹線・東北本線・奥羽本線（山形線） ■福島交通飯坂線	福島県	福島市
（矢野目信号所）	やのめ	東北本線との分岐点。ここから単線。
卸町駅	おろしまち	○福島県中央卸売市場 ○JR東日本東北本線東福島駅
福島学院前駅	ふくしまがくいんまえ	○福島学院大学
瀬上駅*	せのうえ
向瀬上駅	むかいせのうえ
高子駅*	たかこ			伊達市
上保原駅	かみほばら
保原駅*	ほばら
大泉駅	おおいずみ	○伊達市役所
二井田駅*	にいだ
新田駅	にった
梁川駅*	やながわ	○阿武隈急行本社 ○伊達市ステーションプラザ梁川
やながわ希望の森公園前駅	やながわきぼうのもりこうえんまえ	○やながわ希望の森公園 ○蒸気機関車「さくら 1号」西口駅 ○梁川城址
富野駅*	とみの
兜駅	かぶと
あぶくま駅	あぶくま		宮城県	伊具郡丸森町
丸森駅*	まるもり
北丸森駅	きたまるもり
南角田駅	みなみかくだ	○角田城址		角田市
角田駅*	かくだ	○角田市役所
横倉駅	よこくら
岡駅	おか	○JAXA 角田宇宙センター
東船岡*	ひがしふなおか	○船岡駐屯地		柴田郡柴田町
槻木駅	つきのき	■JR東日本東北本線 ○山崎製パン仙台工場		柴田郡柴田町

艦隊これくしょん～艦これ～における阿武隈急行

ブラウザゲーム「艦隊これくしょん -艦これ-」において、遠征「東京急行」及び「東京急行（弐）」で多くの提督が阿武隈改二を使う際に上記と相まって「阿武隈急行」と呼んでいる。特に前者は軽巡1駆逐5で編成が固定され、大発で獲得資源を増やすには阿武隈改二を使うしかなかったことから利用する人は多かった（後者は自由枠が1つあるのでもとから大発が積める水母やあきつ丸を編成で来た）。

しかし、駆逐艦にも大発搭載可能艦が追加されたことから燃費のいい天龍型を使ってもよくなったため利用されることは少なくなり、大発軽巡枠としても後に鬼怒改二が実装されたと共にその座をとられた鎮守府は多い。

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