戸籍 単語

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戸籍とは、一個人が出生してからの身分関係を詳しく記した的資料である。

概要

一人ひとりの項に届出が必要となる事項の発生日、また生まれた市区町村名前などが記載されているため、遺産相続系調パスポート申請、年金の請など様々な場面で使われる。
世帯全員を記入した『戸籍謄本(とうほん)』『戸籍全部事項明書』、またその中から特定人物のみを抜き取って記載した『戸籍抄本(しょうほん)』『戸籍個人事項明書』が存在する。現在は世帯と配偶者・その子のみの世帯単位での記載であるが、戦前は世帯とその子・孫・そしてその配偶者といった単位で記載されていた。なお戸籍から何らかの理由で抜けると「除籍」となる(詳しくは後述)。

本籍

市区町村への住民登録とは別に、戸籍を管理する市区町村を決めるにあたって、本籍地の設定がある。都道府県番地・枝番を記載し、その住所を管轄する役所に特定の届け[1]を提出することで、提出した当日から戸籍を一括移動させることができる。本籍はかつて運転免許にも記載されていたが、ICが搭載されてからはチップ内に本籍情報記録されているため、2010年7月17日以降交付の免許からは記載欄が削除されている。

日本では住所区画の定められた土地であれば本籍地の自由な選択が認められているため、中には東京ディズニーランド皇居北方領土[2]などに本籍を置く人もいる。ただし遠隔地に本籍を置いた場合、戸籍が必要になった際に郵送請することになるなど手間が掛かるので注意。

戸籍事項の一例

戸籍には「どういう理由でこの戸籍が作られたのか」「この戸籍が閉鎖されたのはいつか」という内容を表す戸籍事項が存在する。

  • 戸籍編製
    婚姻などをを期に、新たに戸籍が編製されたことを表す。
  • 戸籍
    古い戸籍の内容を基に戸籍が作り直されたことを意味する。本記事編集の2021年時点で最後の製は1994年法務省によるものであるため、現在の戸籍は「【製事由】平成6年法務省第51号附則第2条第1項による製」と記載されている。
  • 転籍
    本籍地を変更し、世帯全員の戸籍をまるごと移動させること。「本籍地遠いし、いちいちがめんどい…」「離婚歴が今の戸籍に載ってるのが嫌」「やっぱ本籍地変えたいな…」といった事情で使われることが多い。配偶者や子は提出できないため、まさに筆頭者に与えられし権限。
  • 分籍
    前述の転籍に対し、筆頭者・配偶者以外の人(つまり子)が元々いた戸籍から離れ、新たに自分の戸籍を開設することを分籍という。20歳以上であれば分籍元・分籍先・現住所地いずれかの役所に分籍届を提出することで分籍先に新しく戸籍が開設される。自分自身が戸籍の筆頭者となり新たな気持ちになれる等のメリットがあるが、一度分籍すると元の戸籍では除籍扱いとなり、二度と戻ることが出来なくなるので覚悟の上で提出することとなる。
  • 戸籍消除
    世帯全員が戸籍からいなくなり、その戸籍が閉鎖され除籍簿と化した際に追記される。戸籍の終わりの日を示す項である。

戸籍の附票

住民基本台帳法第3章に基づいて作成される簿。住民票の前住所のみの記載に対し、戸籍が編製されてからの住所履歴がすべて記載されたもの。それぞれ「住民票に記載された住所」「その住所を定めた年日」が記載されるため、転勤でどこに住所を置いていたかなどが一で確認できる。ただし戸籍側で全員が除籍になると5年される

紙媒体時代の戸籍

壬申戸籍」から「昭和32年式戸籍」まで時代ごとに5種類の異なる様式の戸籍が存在する(壬申戸籍について詳しくは個別の単語記事にて)。和を使った原本に手書きか和文タイプライター縦書き文章が記入され、バインダーで一括保管されるなど取り扱いがすべて手作業で行われていた。そのため手書きの戸籍は筆書きの字で記入されていたり、かなり達筆な字だったりと時代や筆者によって様々。数字については数字、弐、参、拾など)が使用され、各種事項が記入されると一件ごとに首長印(印鑑)が押される。

を受けて戸籍をバインダーから探し出すだけでも膨大な時間を要しており、上質への複写も含め発行までに1~2週間ほどかかっていた。

戸籍全部(個人)事項証明書

電算化について

除籍と保存期間

転籍、死亡、戸籍法正といった都合により該当者が戸籍から外れると『除籍』として扱われるが、全員がいなくなるとその戸籍は閉鎖され『除籍簿』あるいは『除籍全部事項明書』へと切り替わる。現在の戸籍は四に「除籍」と記載されるが、昭和32年式戸籍の時代までは除籍者の名前バツ印がつけられており、そこから離婚回数を表して「バツ1」「バツ2」という俗語が生まれた[3]

また除籍簿には保存期間があり、旧保存期間は除籍年度の翌年から起算して80年であったが、2010年6月1日より150へ延長された。本来なら保存期間が終了しているはずの除籍簿を任意保管している役所も存在するが、多くは保存期間が終了するごとにされているため、役所に残っていない場合はコピーに戸籍内容と棄理由を記載した『明書』が発行される災害や戦火などで戸籍が消失した場合も同様)。

推定死亡による除籍

  • 認定死亡
    事故災害死亡した可性が極めて高いものの、死体が確認できない場合に官署が死亡認定するもの。官署から直接役所に認定報告が出来るようになっているため、短期間で効果を生じさせることができる。
  • 失踪宣告
    該当者が行方不明となった日から法律で定められている期間(通常の失踪は7年災害等は危難が去ってから1年)を経過しても生死が不明である場合、それぞれ猶予期間を設けて生存報告・生死報告を官報などで呼び掛ける。この猶予期間の満了後、さらに2週間申し立て等がなければ裁判所からの本宣告をもって法的に死亡扱いするものである。船舶沈没事故による失踪は「沈没した時に死亡した」ものとして扱われる。
    なお終戦後には「戦時死亡宣告」という外地未帰還者の失踪宣告も行われており、適用には生死不明の状態が7年以上であることが条件となっていた。

今後の戸籍事務

「本籍地でないと戸籍が請できない」という難点を解消すべく、2024年頃をメドに戸籍をネットワーク化。本籍地以外(住所地、勤務地)の役所でも戸籍が請できるようになる予定である。

同時に氏名に関する規定を一部変更し、戸籍にも氏名の読み仮名がつくようになる。

関連動画

関連リンク

関連項目

脚注

  1. *おもに婚姻届、転籍届などが挙げられる。
  2. *北方領土問題特別措置法により、舞群を除く3が本籍地として登録可。届出先は根室市役所となる。
  3. *厳密には1992年明石家さんま大竹しのぶ離婚した際に会見で「額に戸籍に由来するバツ印を書いた」ことから広まった。
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最終更新:2024/04/28(日) 08:00

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