SCP-976-JPとは、シェアード・ワールド『SCP Foundation』に登場するオブジェクト(SCiP)である。
項目名は『スクラントン現実猫』。
SCP-976-JP | |
基本情報 | |
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OC | Euclid |
収容場所 | 生物サイト-8102 |
著者 | 08_ORB |
作成日 | 2017年8月18日 |
タグ | ネコ 動物 現実改変 |
リンク | SCP-976-JP |
SCPテンプレート |
推定年齢1-2歳のメスのイエネコ、命名アナ。可愛らしいニャンちゃんだが、この子をここに書くからには、この子は単にかわいいだけではない。アナが知覚できる範囲のヒューム濃度は常に、アナの内部ヒュームと同じ値である平均1.25hmに保たれる。
……いや、ヒューム (hm)ってなんやねん、って思ったかもしれない。ヒュームというのはその人、あるいは領域における『現実性の強さ』を示す指標で、自分のヒュームが周囲の空間のヒュームより高ければその場で現実改変を起こすことができる。要は自分の妄想を現実に具現できるわけだ。現実改変者というのが財団世界では山のように登場するが、この現実改変者というのは自分の内部ヒュームが高く自分の現実を周囲におしつけられる存在である。さて、アナの場合は自分及び周囲を1.25hmに固定できる。通常の人間はだいたい1hmなので、ふつうの人間はまず現実改変を行えない。
アナが起こしている現象は、財団がスクラントン現実錨 (Scranton Reality Anchor)でおこしていることと同じである。このスクラントン現実錨になぞらえて、本オブジェクトの項目名はスクラントン現実猫というわけだ。ようはダジャレである。 更にアナは自分の認識する範囲内に、自分を上回る内部ヒュームを持つ実体が近づくと、自身及び周囲のヒュームをその実体より高い値に固定できる。これにより現実改変者の多くは、アナの近くでは能力を一切発揮できなくなってしまう。
一方で、自分自身に大きなストレスがかかった場合はアナが興奮状態に陥り、無秩序なヒューム濃度分布空間が生まれる。このヒューム濃度のズレが大きい空間では、そこにいた人が致命的なダメージを受けることになる。ただしアナが意識を保ってなければこれらの効果は発揮されないため、財団はアナの収容室に無臭性の鎮静ガスが噴出できる態勢を構築している。
あるところに、世界オカルト連合 (以下、GOC)がKTE-████-Green "White-Bread"と呼称していた、要注意団体に所属する現実改変者がいた。その男は民間人とGOCエージェントを含む3桁の人間を殺害または消失させるというとんでもない男であった。
必然、このような現実改変者は自分たちを神かなんかかと勘違いするレベルで何でも思い通りにできるため、退屈を持て余すことになる。すると彼の仲間は、「だったら猫を飼えばいいじゃない」と持ちかけてきたのである。確かに、猫といえば気まぐれが具象化したような生き物だ。だが男は現実改変者。「俺が念じた瞬間思い通りになるじゃないか」と、一度は提案者を馬鹿にした。
しかしそこで男は妙案を思いつく。なるほど、なら俺でもなんとかならないような猫を作ればいいのだ。全能者は自分が持ち上げられない石を作れるか? そうして男は、猫を家に迎えた。彼は実際に、自分でも思い通りにできない猫を作り上げた。しかし逆に、その猫・アナの能力は自分の生活にも支障をきたしてしまった。現実改変者ゆえに、おそらくはどうでもいいことにさえ現実改変能力を行使していたのだろう。といって、捨てるか保健所に持ち込めば財団に見つかるし、殺せばより危険なアノマリーになりはてるかもしれない。男はしぶしぶアナを飼い続けることに決める。
そうして1年がすぎる頃には、アナはすっかり男に懐き、男もアナのいない生活など考えられなくなっていた。男とアナはすっかり幸せな生活を謳歌していた。しかし男は現実改変者にして大量殺人鬼である。GOCは周到な準備の上、財団に後方待機を要請し、男の隠れ家を襲撃、亡き者にした。そしてGOCはそのまま隠れ家の調査を行ったが――そこに飼い主の死を知った、その愛猫がいた。
アナは目の前の連中が自分の飼い主を殺害したと知るやいなや周囲のヒュームを不安定にし、その現実濃度のズレを引き起こす。GOCエージェントたちは、その場の隊員同士の肉体部位の置換による急性拒絶反応、心臓嘔吐、ランダムに空間転移したライフル弾に被弾、肉体が裏返る、正中線に沿って壁にうめられる、頭部が天井と結合して頸部がちぎれ胴体落下、横隔膜から下が床と結合、四肢の末端からほぐされ分解、肉体の60%が虫食い状に消滅と様々な死因で13名全員が死亡した。これを受けて後方にいた財団がアナを発見、彼女を回収したのであった。
収容開始からだいぶ経過して、SCP-976-JPのオブジェクトクラスをEuclidからSafeに変更することが提案された。これは、アナのヒューム濃度分布の乱れを発生させる条件が特殊であり脅威度が低いからというものである。そのミーティングの出席者の反対者多数でその場での変更は見送られたものの、反対者の1/3は将来的には変更もありうるとした。何しろ、アナはあくまで飼い主の死に怒ってその能力を行使しただけであり――
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最終更新:2024/06/06(木) 16:00
最終更新:2024/06/06(木) 16:00
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