ささやき実況とは、次の2つを差す。
1.ニコニコ動画やニコニコ生放送のゲーム実況において、実況者がささやくような小声で実況している動画。
本稿では2について詳述する。
概要
一般的な競馬実況では、レースのペースに合わせて、中盤あたりまでは比較的冷静に馬群を追い、最後の直線あたりからテンションを上げて盛り上げていくのが一般的である。
しかし、岩手競艇ではなかった頃の1980年代~2000年代はじめの岩手競馬(水沢競馬場・盛岡競馬場)では、そんなセオリーとは程遠い、スタートからゴールまで、ほとんど声のトーンやペースが変わることなく、か細い声で淡々とレースの行方を伝える実況が流れていた。このか細い声質がささやきのように聞こえることから、当時の岩手競馬のレース動画に「ささやき実況」のタグが貼り付けられるようになった。
競馬は、実況による盛り上げもレースへの感情移入のひとつの要素といえることから、ほとんど抑揚のない「ささやき実況」には、最初は違和感を持つ人も少なくない。しかし、「ささやき実況」に慣れてくると、ムリに盛り上げようとしないこのスタイルも、レース本来の興奮を邪魔することのない味のある実況だと気づくようになり、見直す人が多い。「吉田節」「サトル節」といった派手なスタイルとは対照的ではあるものの、個性ある地方競馬の名物実況のひとつであった。
なお、「ささやき実況」とはいいながら、よくよく聞いてみると、やはり最後の直線で勝負がもつれれば、多少は実況のテンションが上がっている様子はあるのだが、声質のせいなのか、最後が「ゴールイン」で締められるためなのか、そう聞こえないのが「ささやき実況」である。
この実況を行っていたのは元ニッポン放送のアナウンサーである小倉秀夫アナウンサー。1976年頃から岩手競馬の場内実況を担当していた模様。なお、場内実況は2003年に後任の長田信也アナウンサーに交代した。
「ささやき実況」時代の岩手競馬は、トウケイニセイやメイセイオペラなど、中央相手にも互角以上に戦った名馬がコンスタントに登場し、また当時は「地方競馬の優等生」と呼ばれるほどの人気を保っていたこともあってか、他の地方競馬に比べても豊富に映像が残されているため、「ささやき実況」も各種聞くことができる。なお、当時の岩手競馬では地元地上波各局でも中継があったが、こちらは自局のアナや南関東の中継で知られた及川サトルを実況に招いていたため、中央ばりに同じレースでも「ささやき実況」とそうではないパターンの2種類が存在するレースもある。
関連動画
比較:「ささやき実況」と「サトル節」(2002年のマイルチャンピオンシップ南部杯)
関連項目
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