サザエとは、
概要
リュウテン科(リュウテンサザエ科、サザエ科とも)に属する巻貝。食用になり、美味しい。漢字で書くと「栄螺」、「拳螺」。殻長10cm程。大きいものほど深い場所にいる。小型のものは「姫さざえ」と呼ばれることがある。
雌雄で生殖腺(身のグルグルしている部分)の色が異なり、雌が緑色、雄がクリーム色をしている。雌のほうが苦みが多い。
なお、サザエは日本・韓国産のものを指し、中国産はナンカイサザエと言う別種である。しかし、よく似ていることから、学名で混乱することになる(後述)。
学名について
学名は長らくの間「Turbo cornutus」が用いられていた。しかし、岡山大学の研究によって2017年になって「Turbo sazae」と言う学名が新たに発表されることになった(ソース)。これについては発表によれば以下によるものとされる。
- サザエの学名とされていた「Turbo cornutus」は1786年にイギリスの博物学者ライトフットが命名したものである。しかし、この「Turbo cornutus」は別種である中国産のナンカイサザエに相当する種に命名されたものであった。
- その後、1848年にイギリスの貝類学者リーヴがサザエとナンカイサザエを混同し、サザエの学名が「Turbo cornutus」と決定づけられることになる。同時にリーヴは日本のサザエに対して「Turbo japonicus」と学名をつけるのだが、モーリシャス産の別の種と混同してしまい、「Turbo japonicus」は後発の研究者によってモーリシャス産の種に固定されることになる(つまり、「Turbo japonicus」は日本のサザエに対する学名ではない)。
- サザエとナンカイサザエは1995年になって別の種とされるが、取り違えていることを見抜けず、ナンカイサザエは学名として「Turbo chinensis」がつけられてしまう。しかし、実際は最初に述べた通り、ナンカイサザエは既に「Turbo cornutus」と言う学名が命名されており(なので「Turbo chinensis」と言う学名は無効となる)、サザエに対しては有効な学名が与えられていないと言うことになった。
- サザエが学名として無名であることを解消するため、2017年に岡山大学の福田宏准教授によって「Turbo sazae」と命名され、ようやくサザエに有効な学名がつけられることになった。
これにより、サザエの正式な学名はTurbo sazaeとなる。サザエに対してTurbo cornutusと記載されている文献・図鑑は全て誤りとなることに注意されたい。
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関連項目
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