古代南アラビア語とは、かつて存在した言語である。
概要
所謂幸せのアラビア地域の古代の言語。サイハド語と呼びたがる学者もいるが、特に定着していない。大部分が石に刻まれた碑文として残されており、イスラーム教徒の拡大過程でほとんどアラビア語に上書きされた。現在はオマーンのゾファール地方、南イエメンのマフラ地方、ソコトラ地方にアラビア語とのバイリンガルが若干残っている程度である。というか、碑文と現在の話者の間に差がありすぎ、現代の話者は日文とは別の方言の子孫だといわれている。
古代南アラビア語に分類されるものに大きくミナ語、サバ語、カタバン語、ハドラマウト語の4方言があるが、これはエラトステネスの呼び方に従ったものなので、自称は不明。サバ語に関してはヒムヤル王国の言葉として残ったため、記録が多い。
文字体系
特徴的なさまざまな種類の南アラビア文字によって記されている。アラビア半島北部とは全く起源の異なる文字で、整然としたモニュメンタル、行書体のカーシヴ、小文字体のリックマンス等の字体がある。
音韻体系
セム語の本来の子音組織をもっともよく保った29子音である。なお、強調音がアラビア語のような咽頭化音かエチオピア語のような放出音かはわかっていない。なお、アラビア語やヘブライ語では全く区別していない歯擦音を3種類の文字に分けて区別している。
文法体系
基本的には3子音をいろいろ派生させていくよく見るセム語である。なお、3人称形しかほとんど見つかっていないので、復元はたぶんできない。
名詞は単双複のみならず、語尾的につく構成態、限定態、絶対態の態の区別がある。構成態はAのBの時にBがとる形で、定冠詞的な機能や指示的な機能には限定態、ふんわりそれ以外のものには絶対態を用いる。
関連項目
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