Fediverse (フェディバース)とは、短文投稿やブログ、動画投稿などのサービスを提供する独立したサーバー群が、任意のプロトコルを通して相互に繋がり合うソーシャルネットワークの宇宙の概念を指した、主にMastodonなどの分散型SNS界隈で用いられている言葉である。
英語で「連合」を意味する"federated"と、「宇宙」を意味する"universe"という2つの言葉が合体してできた造語である。
概要
Fediverseの宇宙において、日本で特に有名なのは「Mastodon」である。Mastodonは誰でも自由にSNSサーバーを立ち上げたり、自分の好きなサーバー(や運営のもと)にアカウントを作ったりすることができる分散型SNSソフトウェアのうちの一種類である。
Mastodonでは、どこのサーバーにアカウントを作っても他のサーバーの人と交流することができるようになっており、Mastodonというソフトウェアによって建てられた数多あるサーバー群は、まるで宇宙かのように互いに繋がりあっている。
この、ある技術や仕組みを用いて互いに繋がり合うサーバー同士の網、ネットワークのことを指した言葉・概念が「Fediverse」である。
なお、Fediverse上のサーバーを建てるためのソフトウェアはオープンソースで公開されていることがほとんどである。
代表的なプロトコル「ActivityPub」
Mastodonは「ActivityPub」というプロトコルを用いて相互通信しているが、実はActivityPubという決まりに従って通信することができるサーバーなら、「Misskey」や「Pleroma」といったMastodon以外のどんなソフトウェアによって建てられたサーバーとも繋がり合って通信することができる。
今述べたMastodonやMisskey、PleromaはTwitterのような短文投稿型のSNSであるが、ActivityPubに対応したサービスはそれ以外にも多種多様に存在する。
例えば、YouTubeのような動画投稿をFediverse上でできるシステムである「PeerTube」、Instagramのような画像投稿SNSシステムである「PixelFed」、Fediverse上で投稿してシェアできるブログシステムである「Plume」「WriteFreely」などが挙げられる。
先述したように、ActivityPubで通信するサーバー同士は互いに交流できるので、Twitter的なSNSであるMastodonのアカウントで、YouTube的なPeerTubeの動画にいいねしたり、インスタ的なPixelFed上の画像にコメントしたりできる。
このように、SNSやSNS以外のサービスが同じプロトコルを通じることで幅広く繋がり合うことができるのが、Fediverseの特徴のひとつである。
それ以外のプロトコル
実はActivityPub以外にも分散したサーバー同士が繋がり合うためのプロトコルはいくつか存在する。MastodonはかつてActivityPubではなくOStatusというプロトコルを使って通信していた。GNU SocialやPleroma、Hubzillaなどは、今でもOStatusでの通信に対応している。
diasporaというソフトウェアは、diaspora独自のプロトコルにのみ対応している。このように、分散型SNSの通信を可能にするプロトコルはいくつも存在している。
「Mastodonというサービス」や「ActivityPubというプロトコル」などといった特定のものに限らず、「ActivityPubやそれ以外の何かしらのプロトコルに沿って互いに通信できる分散型SNSの繋がりや宇宙」がFediverseなのである。
関連動画
Mastodonに関する説明動画(の転載)であるが、Mastodonに限らずFediverseのサーバーはこんなイメージで繋がりあっている。
関連リンク
- fediverse.party
- MastodonやPeerTubeなど、Fediverse上の様々なソフトウェアについて、アクティブユーザー数やサーバー数、使用している技術やプロトコルなどをまとめている。 - fediverse network
- Fediverse上のサーバーのユーザー数やバージョン情報などを常に監視しているサイト。
関連項目
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