キティホーク級

キティホーク級とは、アメリカ海軍がかつて運用していた通常動力型正規空母である。

概要

1950年代の空母は様々な面で進化の途上にあった。発艦を容易にするための蒸気カタパルト、着艦時の安全性を確保するアングルド・デッキ、ミラーランディングシステム。そして無限の航続距離を約束する原子力機関の登場も時間の問題であった。

これらの新技術を最初から採用した空母はフォレスタル級であったが、一部の設計に運用上の制約があり、これらの点を改善した新空母を開発することを決定した。それが本級である。いわば、改フォレスタル級なる存在である。フォレスタル級から起工した時期がたてつづいていることからもわかる。

建造費は当時の日本円にして約500億と格安である。

1960年に1番艦キティホークが進水、以後コンステレーション、アメリカと続けて起工された。4番艦であるジョン・Ｆ・ケネディは設計を一部変更されて完成した。なお、3番艦と4番艦は本来はエンタープライズ型（CVN-65）6隻の2番艦と3番艦になる計画が存在したが、エンタープライズのコストが余りにもかさむことが判明したため、キティホーク型となった背景がある。

フォレスタル級と比べて最も大きな違いは、アングルド・デッキ前端にあった左舷エレベーターが後方へ移設されていることと、右舷側のエレベーターが艦橋前1つ・後ろ2つから、艦橋前2つ・後ろ１つに変更されたことである。それに伴って艦橋もやや後ろ寄りに移動された。

1番艦キティホークは1997年にフォレスタル級インディペンデンスと交代する形で横須賀港を本拠地としたため日本でもよく知られている。2007年に老朽化を理由にニミッツ級のジョージ・ワシントンと交代、退役している。2009年にキティホークが退役したことにより、本級はすべて退役したことになる。

同型艦

艦番号	艦名	起工	進水	就役	退役	現在
CV-63	キティホーク Kitty Hawk	1956年 12月	1960年 5月	1961年 4月	2009年 1月	2021年に解体業者に売却。[1]
CV-64	コンステレーション Constellation	1957年 9月	1960年 10月	1961年 10月	2003年 8月	海軍所有のまま2015年1月からテキサス州ブラウンズビルで解体処分中。
CV-66	アメリカ America	1961年 1月	1964年 2月	1965年 1月	1996年 8月	2005年5月に標的艦として海没処分。場所はハッターラス岬から400km南東
CV-67	ジョン・F・ケネディ John F. Kennedy	1964年 10月	1967年 5月	1968年 9月	2007年 8月	ペンシルバニア州フィラデルフィア海軍工廠。寄付があれば記念艦/博物館として公開可能

関連動画

関連コミュニティ

関連項目

• アメリカ
• 軍用艦艇の一覧
• 空母

脚注

1. *米空母キティホークが廃棄処分へ、７０年代には人種暴動の舞台にも 2022.3.19