ノーム・チョムスキー(1928~)とは、20世紀を代表する言語学者・哲学者であり、それと同じくらい左翼政治活動家としてもおなじみの存在である。
要約すると生成文法理論で言語学に革新をもたらした人物である。
アメリカ合衆国フィラデルフィアの中下流階層の家に生まれた。父はある程度著名なヘブライ語学者であり、ユダヤ人の分化的、学問的問題に強く関わる雰囲気の中で成長した。青年期になると左翼政治を深く探り、16歳でペンシルバニア大学に入学する。しかし学校になじめず退学を考えていた彼は、エドワード・サピアの影響を受けた構造主義言語学の重鎮であるゼリグ・ハリス教授と出会い、ハリスの勧めで哲学、数学、言語学の授業を受講していく。
そして無事修士までを卒業するとハーバード大学のソサエティ・オブ・フェローズの若手研究員に任じられ、様々な若手研究者と交流を深めていった。そして彼は当時流行していた行動主義心理学の言語学への適用には懐疑的であり、アメリカ構造主義に挑戦する革新的な言語理論を定式化しようとしていったのである。
そしてMITで定職に就き、授業用に作った教材を『統治構造論』として出版し、行動主義言語学を推し進めていたスキナーへの批判とともに、生成文法理論を世に送り出したのであった。
生成文法、もしくは変形文法とは人間にはあらゆる言語の初期形態である「普遍文法」を有しており、 理想的な話し手・聞き手は、有限個の言語要素と規則から無限の文をつくりだし、かつ理解する言語能力を有する、と仮定する。そしてそれを解明するために言語を文法的な句構造を分析していき、深層的な言語能力を解き明かそうというものなのである。そのために幼児期の言語獲得などが研究の対象とされている。
しかし上にも書いた通りチョムスキーは政治活動に熱心に参加しては研究を放置することがたびたびあったので、彼のフォロワーと批判者の論争をほったらかしにして、たまに著作を発行して理論の修正を行う、ということがしばしばみられる。
そのためチョムスキーの生成文法に対するスタンスも大きく三期に分かれる。最初が先に挙げた1950年代の初期の理論であり、句構造規則を用いて深層構造を解き明かすというものである。
第二期が1980年代の「原理とパラメーター」モデルで、普遍言語があるにもかかわらず各言語では構造に差が現れるというものを、パラメーターによって異なる形で具現化されたものだ、と主張する。
そして第三期は1990年代から2000年代にかけて原理とパラメーターのモデルを生成理論にも推し進めた「ミニマリスト・プログラム」の提唱で、一般的な規約だけを認め、経済化して必要最低限のものだけを残して理論を再構築したのである。
とまあかいつまんで解説しようとするとこのように何がなんやら、ということになるので、まずは文庫化されている彼の『統治構造論』を読むか、生成文法の簡単な本を読むかしてほしい。
掲示板
9 ななしのよっしん
2023/03/10(金) 16:03:02 ID: 2qmdI99LJ2
チョムスキーがChatGPTをコテンパンに批難。
"これほど多くのお金と注意が、これほど小さなものに集中するのは、滑稽であると同時に悲劇的だ。"
"人間の精神と対比すれば、これはとてもくだらない"
全くの正論ですね。
LLMは急激に成果が出ているが、人間の精神とは全く違うもの。そして人が訓練して誘導しないかぎり正誤を判断できず倫理もない。それを理解して使うべきものでしょう。
https://
10 ななしのよっしん
2023/03/11(土) 02:17:31 ID: HJyaaVkqZh
11 ななしのよっしん
2023/03/17(金) 18:18:56 ID: OCO+PnuneO
LLMに対して言ってることが間違えまくりな上にダサすぎてアカン
94でこれだけ喋れれば立派だとは思うけど、言語学者としてのプロ意識さえもうないと分かるのはキツい
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最終更新:2024/04/23(火) 19:00
最終更新:2024/04/23(火) 19:00
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