
「絵心なんてなくたって、Excelさえあれば描ける」
堀内辰男(ほりうち たつお)とはエクセルのミケランジェロである。
エクセル(表計算ソフト)を使って華麗な絵画を描いている「パソコン画家」。エクセルアートの第一人者。
通常グラフの作成などに使用される線ツールを使って山や木などの形を描く。
多数のメディアから注目され、海外にも紹介される。海外から購入の注文も来ている。
ついたあだ名が「エクセルのミケランジェロ」。
「パソコンでどうやったら絵を描けるんだろう」という些細な疑問から始まり、2000年からエクセルで絵を描き始める。それまで絵を描いた経験はなかった。
エクセルで絵を描き始めたのは60歳で仕事を退職してからだった。
絵を描くための絵具もいらないという理由だった。
60歳で退職した堀内は、何か新しいことを始めようと思ってパソコンを購入したとのこと。グラフィック系のソフトは高価だが、パソコンにプリインストールされているエクセルだとお金がかからないのと、ウィンドウズ付属の「ペイント」よりも操作が簡単に感じたのが、エクセルで画を描き始めるきっかけだった。ワードも試したことがあるそうだが、Excelほどの使い勝手の良さはなかったとのこと。
中学校のころは絵の成績も悪かった。子供の頃は貧しかったので絵をあまり見たことはなかった。漫画すらなかった。
「それまで技術屋一本でやってきたから新しいことをゼロからやろう!」と思った。だからこそ、「これまで付き合った人とも関係なく、まったくやったことのない<絵>というジャンルに飛び込もう!」と思った。
馬鹿にする人はいっぱいいるがそれに対しては「(自分は)バカなんだよ」と語る。
絵を描きはじめたのは2000年からで、10年間で普通の人でも鑑賞に堪えるような絵を描こうと目標を立てた。
自身のサイトを立ち上げており、作品の多くを見ることができるほか、パソコン画の描き方講座などを見ることもできる。
「人の心を動かす絵を描くため、いつまでも自分を追い込みたい」と、力強く語る。
堀内は約35年間、技術者として電機メーカーや自動車部品会社で勤務。紫外線の殺菌機械の開発に携わった。「審美眼を持ち、良いものとは何かを追求してきた」と自負する。
最初の頃は表計算ソフト(エクセルなど)で描いた絵というもの自体が珍しかったが、もうそんなに新鮮に見られることも無くなった。あとは「本当に良い絵かどうか」ということが問われるようになってきた。
絵が緻密になってくるとファイルサイズが800メガバイトにもなり、まともに動かなくなる。保存しても読み込みでExcelが落ちてしまうからもう開けなくなってしまう。それでも緻密な絵を描きたいので、ファイルサイズを増やさないと同時に描く新しいテクニックを編み出している。
高性能のパソコンを使えば問題なくできるが、定年後の第二の楽しみとしてやっているので、できる範囲で工夫してやっている。プリンターも3万円のA3プリンターで印刷したものを張り合わせて作っている。あくまで誰でも持っているような、汎用ツールじゃなきゃ駄目。
エクセルで絵を描く教室をやっているが、そこに来るおじいちゃんおばあちゃんたちは孫のお下がりのとても古いパソコンを持ってきたりする。しかしそのパソコンで十分できるよって言って教えている。
「10年で鑑賞に耐えうる絵にする」という目標を最初に立てた。
毎日手当たり次第にその辺に咲いている花や、家の庭にある花を描く。それと同時にExcelでできることも増えていく。最初は線しか引けず→色を塗れるようになる→そしてグラデーションを使ったり透過性を駆使したりするようになっていった。
次の3年間→最初の3年で描き貯めた絵を組み合わせて、風景のようなもっと「絵」らしいものを作ろうという時期。
しかしチューリップやひまわりなどを組み合わせてもなかなかいい絵にならずトライ・アンド・エラーの繰り返しだった。毎日パソコンに向かっていたら飽きたりすることもあったが我慢して描いた。
5~6年目の頃→エクセルで描いた絵のコンテスト(「オートシェイプでお絵かきコンテスト」)があることを息子から聞いて、応募。故郷のである信州上田の原風景である城のお堀と桜を描いて応募すると、なんと最優秀賞になった。それがブレイクスルーとなった。
最初の3年間、黙って描き続けたことで、絵が馴染んでいた。それで自信がついて、それ以後、一生懸命に絵を描くようになった。
そして次の3年間→絵のクオリティーをブラッシュアップする期間。
残りの1年間は予備期間として使った。残りの1年間で本物に近づけようと、ひたすらやった。
「これは良い絵である」と言われてる作品のマネをして模索しているのが今である。平山郁夫の巨大な絵に触発されて「パソコンでどれだけデカい絵を描けるだろうか?」と挑戦してみた。鞆の浦の風景を描いた。
10年くらい自己流でやってきたので武者修行的な意味で展覧会にだした。そうしたら批判されまくった。でもそこでレベルアップするチャンスだと批判した人に何が悪いのか徹底的に聞いた。そこで構図の取り方などを沢山教えてもらう→再び出展して批判→またコンタクトのその繰り返しだった。
批判めいた事を言う人も少なくなってきたのでいっそ女子高生に「面白くない絵ですね」とバッサリ切ってもらうのが自分を育てるという。
今取り組んでいるのは、Excelだからこそ表現出来るような要素を取り入れること。これはたとえば、1つのオブジェクトを多くつかうことによって、鑑賞する人によって感じ方が異なるような抽象性の高い作品にも挑戦中。タッチペンでやったほうが表現しやすいなあと感じることもあるが表現方法の改革で自分を高めていこうとしている。




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1 ななしのよっしん
2020/05/07(木) 00:07:14 ID: 5/LsEPbY0M
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