変形菌 単語


ニコニコ動画で変形菌の動画を見に行く

ヘンケイキン

1.4千文字の記事

変形菌(へんけいきん)とは、動物的性質と植物的性質を併せ持つ不思議生物である。かつては粘菌(ねんきん)ともよばれた。

概要

変形菌の生活環を大きく二分すると、アメーバ状の形態(変形体)をとり動的に微生物捕食する段階と、きのこのような胞子散布器官(子実体)を形成する不動の段階に分けられ、前者は原生動物のような、後者植物菌類のような性質である。

変形菌を見つけるには、梅雨の時期に朽木や落ち葉の上をくまなく探せばよい。この時ルーペは必需品である。初心者には朽木がおすすめだが、落ち葉にしか出現しない種類も多い。変形体を見つけられることもあるが、これから種類を同定することは通常できず、子実体をつくるのを待って初めて種類が判明することになる。採集した、あるいは変形体から成長させた子実体は、自然燥させた上での底面に木工用ボンドで貼り付け標本にする。

変形菌は分類学的研究によって原生生物アメボゾアに属するとされ、菌と同じく現在菌類の系統(菌界)から離されてしまったが、伝統的に菌類学者の守備範囲であり、アマチュア世界においても、変形菌の菌類と非常に近い関係にあるか、あるいは両方を兼ねる場合が多い。なお、高校生物の教科書でおなじみのキイロタマホコリカビなどの細胞性粘菌は、変形菌とは近縁ではあるが別の生物であり、混同されることが多い。

全ての変形菌は「~ホコリ」という種名を持つ。これは、本来「~ホコリカビ」だった名前の「カビ」の部分が脱落したものである。変形菌の子実体を他の菌類昆虫などと区別するための最も簡易な方法は、それをで触った時に子実体が崩れてのようになるのを確認すればよいので、この共通の名前は変形菌の特徴をよく表しているといえるだろう。

最もよく知られている変形菌はモジホコリPhysarum polycephalum)である。これはオートミールを餌としてでも簡単に飼うことができる種類で、菌核の状態での長期保存も可である。原形質流動や減数分裂のモデル生物として長い研究歴史があり、2000年日本研究グループが、変形菌に迷路の最短経路を探索する(=複雑な情報処理力→知性?)があることを発見した、有名な実験に用いられたのも本種である。この研究は、2008年10月イグノーベル賞(認知科学賞)を受賞した。また、2006年には日本イギリス研究者たちが本種を用いて、変形菌の運動によって「遠隔制御される」驚くべきロボットを作り上げた。さらには2010年10月にはこれまた本種を用いて、変形菌に最適な交通ネットワークを設計する力を発見したとして日本人研究グループイグノーベル賞(交通計画賞)を受賞している。

南方熊楠と粘菌

博物学者南方熊楠はおそらく変形菌学者として最も名の知られた人物である。

数多くの粘菌を採取し研究した。

彼が1929年キャラメルに変形菌の標本を詰めて昭和天皇に進献した(もちろん不敬であり場が凍りついたが、結果的にはこれが非常に良い印になった)逸話はよく知られている。また、昭和天皇自身も変形菌を研究し多数の新種を採集した。

関連動画

関連生放送

関連コミュニティ

ニコニコミュニティは2024年8月に終了しました。

関連項目

この記事を編集する
関連記事

親記事

子記事

  • なし

兄弟記事

掲示板

おすすめトレンド

ニコニ広告で宣伝された記事

記事と一緒に動画もおすすめ!
藤井聡太[単語]

提供: およー

もっと見る

急上昇ワード改

最終更新:2025/12/17(水) 08:00

ほめられた記事

最終更新:2025/12/17(水) 08:00

ウォッチリストに追加しました!

すでにウォッチリストに
入っています。

OK

追加に失敗しました。

OK

追加にはログインが必要です。

           

ほめた!

すでにほめています。

すでにほめています。

ほめるを取消しました。

OK

ほめるに失敗しました。

OK

ほめるの取消しに失敗しました。

OK

ほめるにはログインが必要です。

タグ編集にはログインが必要です。

タグ編集には利用規約の同意が必要です。

TOP