小鯛ささ漬とは、レンコダイ(キダイ)を三枚おろしにして塩と酢で調味した福井県小浜市の名産品である。「若狭小浜小鯛ささ漬」は農林水産地理的表示保護制度(GI)登録製品であり、他の都市や他県で生産したものは、このように名乗ってはいけない。
小鯛ささ漬は明治時代に福井県小浜市で考案され、現在では小浜市内の11社で主力商品として製造販売されている。名称については「小鯛の笹漬け」などの表記ゆれも見られる。小鯛というのは大きな鯛(マダイ)の子供ではなく大人になっても小さいレンコダイ(キダイ)のことである。笹の葉が添えられていることがあるが、開発当初はヒバを添えられていたようで笹が添えられているからささ漬ということではないようだ。上品な風味や高級感から贈答品にも好まれている。小浜市以外では都会の百貨店でも販売されネット通販でも取り寄せることができる。そのまま何もつけずに食べてもわさび醤油を付けたり寿司や茶漬けにしても美味しく食べられる。三枚おろしや骨取りの機械化が困難であることや味付けの微調整に熟練した技術が必要で主に小浜市のみで受け継がれたことから2017年に地理的表示保護制度(GI)に「若狭小浜小鯛ささ漬」として登録された。小鯛以外にアジ、サヨリ、ノドグロ、甘鯛のささ漬も製造販売されている。
小鯛の皮のピンク色が美しく程よい塩と酢で小鯛のうまみが引き立つよう上品に仕上げられている。基本的な味付けはシンプルであるが振り塩と塩漬けの違い、酢と合わせる調味料(酢のみの場合も)やその漬け時間などメーカーそれぞれの個性が出る。今でも杉樽に詰められた状態で販売されることが多く、保存性が高められる他ほのかな杉の香りが風味に添えられることになる。
お手軽な廉価品でパウチパックに入ったものもあるが、やはり木樽に入った方をオススメしたい。
小鯛ささ漬の起源は明治に若狭湾でレンコダイが豊漁となり小浜の魚商人が京都の取引先と共に開発したと言われている。[1]昭和11年には福井県水産品評会に「小鯛笹漬」が出品された記録が残る。昭和30年代には全国水産加工品展で注目されていて、高度経済成長と流通の発達も相まってこれ以降小鯛ささ漬が全国的に知られるようになり小浜の名産品としての地位が確立された。
このように明治に生まれた小鯛ささ漬であるが背景にある歴史はもっと古い。若狭小浜と京の都は人の足で一昼夜の距離にあり、冷蔵技術が発達していない時代にも新鮮さを残した状態で京に届けることができた若狭の海産物は古来より重宝された。江戸時代には「若狭小鯛」は上方でブランドとなっていたようだ。この小浜と京都の地理的な距離と歴史的な結びつきが保存性と生の風味を両立させた絶妙な味付けの小鯛ささ漬を生み出したと言える。
ここでは通販で買える企業をピックアップした。それぞれ微妙に風味が違うので、食べ比べもいいだろう。
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最終更新:2024/04/25(木) 18:00
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