山木兼隆

山木兼隆（？～1180）とは、平安時代後期の武将である。

概要

伊勢平氏の内、本拠地伊勢を固めていた一門の一人。源頼朝の最初の相手として、極めて有名な存在である。

後に平家宗家とは分離し、反源義仲で共闘しつつも源義経に粛清された、平信兼の息子。実はそれ以外のことはほぼ分かっておらず、ぶっちゃけ『吾妻鏡』で源頼朝挙兵時に最初の目標として殺されたことだけで名前が残っている人物である。

なお、伊豆国の受領の下で差配する目代の任を受けて現地にやってきていたのだが、『曾我物語』で北条時政が北条政子を源頼朝から離し嫁がせようとしていた、という物語に組み込まれてしまっている。

この辺、伊豆国の受領はそもそも以仁王の乱で源頼政らの勢力から交代した点、中央での失策故に山木兼隆はそもそも追い払われた存在である点から、実は源頼朝の挙兵ギリギリに現地にやっていたことがわかっている。つまり、『曾我物語』のアレコレは、完全な文学的表現である。

なお、『吾妻鏡』によれば源頼朝と何かしらの遺恨があったらしいのだが、これも全く真相は不明。

とはいえ、『吾妻鏡』では藤原邦通が地勢を調べ、数十人に満たない人数で8月17日の三島社祭礼のどさくさに襲われた。最終的には、北条時政・加藤景廉・佐々木盛綱らによって首を切られている。

関連項目

• 日本史の人物一覧
• 平信兼