弘文天皇

弘文(こうぶん)天皇（ 648年～672年）とは、壬申の乱で天武天皇に敗れた第39代天皇である。

在位：672年1月9日～672年8月21日 ※天皇在位226日間は仲恭天皇に続いて二番目の短い在位期間である。

概要

648年に中大兄皇子（天智天皇）の第一皇子として生まれる。『日本書紀』では天智は弟の大海人皇子を皇太子としていたが、大友可愛さに約束を反故にして息子を皇太子としたとされている。これが後に壬申の乱と弘文天皇の悲劇につながる。なお万葉集では、大海人皇子を立太子した事は特に明記されていない。

671年に、天智天皇のもとで太政大臣になり、名実ともに次代の天皇候補者となった大友皇子だったが、天智天皇が病に臥せると、ライバルの大海人皇子は出家を理由に吉野に下る許可を申し入れて、天智天皇の許可を得た。

672年に天智天皇がお隠れになると、24歳の大友皇子が後を継いで弘文天皇となるが、大海人皇子は東国にて兵を集めて近江宮へ進撃を始め、日本古代史上最大の内乱である壬申の乱がおきた。

連戦連勝の大海人皇子軍が、7月22日に瀬田橋の戦いで近江朝廷軍を破ると、翌7月23日に大友皇子は自決し、翌673年に大海人皇子が天武天皇として即位した（ただし「天武」と名付けられるのは奈良時代である）。

壬申の乱の発生原因としては皇位継承に関する紛争のほか、天智天皇の皇太子の時代に発生した白村江の戦いでの敗戦により国防の為に飛鳥から近江に都を移す事になった為に生じた負担に対する不満が時を経て爆発した為との説もある。

その他には、絶世の美人と言われる額田王を巡っての天智天皇と天武天皇の争いが遠因との説もある。

いろんな意味で不幸を背負わされたような事になった大友皇子は、歴代で2番目という在位期間の短さとその期間が壬申の乱と重なっている事から即位式も行われておらず、死後に諡号がおくられなかった為に歴代天皇に数えられていなかったが、明治3年に弘文天皇と追号された事で、現在は第39代天皇とされている。

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関連項目

• 天皇
• 壬申の乱
• 天皇の一覧

38代	39代	40代
天智天皇（てんちてんのう） 661～671	弘文天皇（こうぶんてんのう）  672	天武天皇（てんむてんのう） 673～686