筋ジストロフィー 単語


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キンジストロフィー

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筋ジストロフィーとは、筋肉病気である。

概要

筋ジストロフィーは一言で言ってしまえば筋肉がやせ衰えてしまう病気である。筋肉細胞を作っているたんぱく質のいずれかに異常があるために徐々に細胞死亡してしまうことによって起こっている。

同じく筋肉がやせ衰えてしまう病気として筋萎縮性側索硬化症ALS)が有名だが、あちらは神経が原因である一方でこちらは筋肉そのものに原因があるのである。

筋ジストロフィーの共通点として、筋線維がジストロフィー変化するというものがある。これは筋線維が大小不同となる、中心核が増加する(正常の場合、筋線維の核は縁に寄っている)、結合組織が増えるなどといった所見のことをす。

たんぱく質コードする遺伝子異常があることで発症する、遺伝性疾患である。

症状

よく言われる言葉として、筋原性(筋肉が原因)は近位筋から、神経原性(神経が原因)は遠位筋からやられる(一部例外あり)というものがある。筋ジストロフィーは筋原性なので、近位筋、すなわち肩関節や股関節を動かす筋肉が弱くなるという症状がっ先に起こりやすい。タイプによって萎縮する筋肉が異なるので詳細は後述。

病型

デュシェンヌ型/ベッカー型筋ジストロフィー(DMD/BMD)

ジストロフィンというたんぱく質異常があることで起こる筋ジストロフィー。DMD日本人男子10万人当たり4~5.6人であるという調結果がある。BMDは詳細不明で、以前はDMDの1/4と言われていたが、実際はDMDと同じくらいいるらしい。

遺伝形式は伴性劣性遺伝。つまりX染色体に異常がある。致死遺伝子であるとは特に言われていないが、DMDの患者は子供を残すのが実質的に理であるため、女性の患者は偶然の遺伝子変異が精子に生じ、かつ母親側が保因者で細胞遺伝子異常があるというレアケースでもない限り生じえない。BMDはいるかもしれないが、保因者自体少ないのでやはりレアケースだろう。

DMDBMDの診断基準上の違いは20歳までに歩行不能になるかどうかである。歩行不能ならDMD、可ならBMDとなる。この違いが起こる理由として、DMDではジストロフィンが全くない一方で、BMDは不全ながら存在するというのがある。

DMDは3~5歳ごろに転びやすい、走れないといった症状が初発。その後徐々に進行し、10歳前後で歩行不能になる。呼吸筋が萎縮して呼吸不全、心筋が萎縮して心不全といった症状も出現。平均寿命は延びてきてはいるもののそれでも30歳程度。
BMDケースによって進行速度は異なるが、DMDと同じ症状がゆっくりと進行するものと思ってもらえば問題ない。

肢帯型筋ジストロフィー(LGMD)

原因たんぱく質は不明なものも多い。常染色体優性遺伝の1、常染色体劣性遺伝の2があり、1は8、2は20で合計28タイプが判明している。はっきり言ってしまえば、はっきりしない筋ジストロフィーをまとめたものである。

そんなわけで、LGMD全体に共通するのは近位筋に強く症状が出るということくらいで、経過はタイプによってさまざまである。

1989年沖縄県での調によると10万人当たり1.6人だったらしい。

顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー(FSHD)

常染色体優性遺伝。

その名の通り、顔面、肩甲骨周囲、上腕の筋肉の萎縮が強いのが特徴。初発症状は腕が上がらない、顔面筋が弱いといったものが多い。筋原性にはしく左右差があるのも特徴といえる。進行は緩やかで、寿命する呼吸筋や心筋へのが少ないので寿を全うできるケースも多い。

1989年沖縄県での調によると10万人当たり2.0人だったらしい。

福山型先天性筋ジストロフィー(FCMD)

フクチンというたんぱく質異常があることで起こる筋ジストロフィー。出生時からすでに筋萎縮がある先性筋ジストロフィーの1つである。

常染色体劣性遺伝。症例のほとんどが日本人日本人の祖先に起こった遺伝子異常が原因らしい。日本人の80人に1人遺伝子異常がある、というと驚くかもしれないが、発生率は(1/80)^2*1/4=1/25600ということで大体26000人に1人である。

生時から全身の筋力が弱く、知低下もある。10歳前後で呼吸不全や心不全も出現。平均寿命は20歳程度。

ちなみに「福山」というのはこの病気を初めて報告した福山幸夫先生名前からとっている。

筋強直性ジストロフィー(DM)

筋緊性ジストロフィーとも。常染色体優性遺伝。遺伝子上の特定配列異常に伸長しており、世代が進むほど重症になる。

筋原性でありながら遠位筋優位に萎縮するという特徴がある。内障や糖尿病などの合併も。また、前頭部がはげるという独特な所見がある。また、わかりやすいものとして手を強く握った後に開こうとしても全に開くことができないというのがある(こういった症状が「強直性」)。

1989年沖縄県での調によると10万人当たり9.1人だったらしい。

治療法

いくつかのタイプでは新しい治療法が治験段階に入っているのだが、現時点で保険医療として使えるのは対症療法がほとんどというのが現実である。

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