隠蔽捜査(いんぺいそうさ)とは、今野敏の警察小説シリーズ、およびそれを原作としたドラマ。
徹底した原理原則主義者かつ合理主義者で、普通の人間が「建前」として口にすることを「本音」として信じる変人警察官僚・竜崎伸也。彼が第1巻ではキャリア官僚、2巻以降では所轄の署長として、幼なじみで警視庁刑事部長の伊丹俊太郎とともに数々の事件に責任者の立場から立ち向かっていく様を描いた警察小説。
2005年から開始し、だいたい2年に1冊ペースで本編にあたる長編が出ている。2024年現在、既刊13巻(長編10巻+短編集3巻)。単行本、文庫ともすべて新潮社刊。長編は2巻『果断』までは書き下ろしだったが、3巻『疑心』以降は「小説新潮」連載からの単行本化となっている。
現場で捜査をする刑事ではなく、悪役として描かれがちなキャリア官僚を主役に据えたという斬新さと、保身や面子の渦巻く警察キャリアの世界で、原理原則主義を貫き「建前」を実践することで苦境を打開していく竜崎の活躍の痛快さで高い評価と人気を集め、今野敏の名を広く知らしめる大ブレイク作となった。
第1巻『隠蔽捜査』は第27回吉川英治文学新人賞を、第2巻『果断』は第21回山本周五郎賞と第61回日本推理作家協会賞長編部門を受賞している。
2007年と2008年にテレビ朝日系の「土曜ワイド劇場」で1巻と2巻がそれぞれ単発2時間ドラマとしてドラマ化(陣内孝則主演)。2014年にはTBS系の「月曜ミステリーシアター」枠で1~5巻までを原作として連続ドラマ化された(後述)。
2014年1月13日から3月24日まで、TBS系列月曜夜8時の「月曜ミステリーシアター」枠で放映。全11話。1巻から5巻までの長編5作を原作としており、短編集の3.5巻は映像化されなかった。
主演は杉本哲太(竜崎役)と古田新太(伊丹役)。『あまちゃん』の脇役2人がダブル主演ということで放送前は主にそういう紹介のされ方が多かった。
なお、ドラマ全体を通して竜崎&伊丹の敵役を務めた上條統括審議官はドラマオリジナルキャラクターである。原作者も気に入ったらしく、今後のシリーズに登場させようかと考えているらしい。また竜崎の官僚時代の部下の谷岡がドラマでは女性になっている。
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最終更新:2024/11/25(月) 13:00
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