音楽小辞典とは、音楽の様々な事象・物事について簡易に解説している、比較的小規模の辞典に冠せられるタイトルである。
大は小をかねるとは言うが、厚さが握りこぶし大程度もある辞典 (これとか) を常日頃脇に抱え、必要なたびに重い表紙をこじ開け眺めるというのは大変な苦労である。「音楽小辞典」と銘打たれた辞典の多くは、音楽の事象の中で特に重要なものやよく解説を求められそうな事柄のみ中心に集め、携行に不便でない程度の大きさにとどまっている。
論文を書くには物足りないかもしれないが、合宿先や出先等で簡単に勉強をすませたい場合には便利な一冊となり得る。
近似する辞典の冠称として「音楽用語辞典」や「音楽中辞典」等がある。このうち音楽之友社の「音楽中辞典」については後述する。
音楽之友社は1959年に「音楽小辞典」を刊行している。当時規模の大きい辞典ばかりの中、携帯に便利な当該辞典は人気を博し、20年の間に26刷も重版されるに至った。1979年に改訂が検討されることとなるが、この間の音楽界における変貌を反映するに単なる増補では追いつかないことを悟り、装い新たに「音楽中辞典」と銘打って世に放つこととなった。こちらも長きに渡って重宝され、20年以上にわたり30刷以上を重ねることとなった。
この「新編 音楽小辞典」は、「音楽中辞典」の後を継ぐ3代目の携行型辞典である。項目数は音楽中辞典より増え、サイズも一回り大きくなってはいるが、携帯に支障は無い程度で内容も充実している。2000年代初期において中辞典に残っていた「こんな語/用法もう使ってねーよ」的な部分も多く改訂され、時代にあわせた解説となっている (それでも初版から10年弱経っているので少し古めかしいとおぼしき語もあるが)。
ちなみに、この新編小辞典に先立って「新編 音楽中辞典」なるものも同社から刊行されている。こちらは新編小辞典よりもさらに大きく、ジーニアス英和辞典や別冊コロコロコミック並の大きさ・厚さになっている。無理すれば持ち歩くこともできなくはないが、場所をとらない据え置き型辞典と思った方が無難かもしれない。
1995年初版刊行、以後改版を繰り返し、現在は2011年に刊行された第7版が最新となっている。
楽語や音楽関係者の簡易な解説の他、アマチュアオーケストラや吹奏楽部でよく使われる俗語が収録されている。この俗語の内容が特徴的で、「裏メロ」や「エキストラ」といった実用的な語から、「ツェー万」や「ノルマ」(オペラじゃない方)、「逆さ言葉」といった音楽自体にはあまり関係ない本当に俗な用語まで様々である。
音楽関連団体の情報も (何故か電話番号まで) 載っており、「に」の見出し部分には「日本音楽著作権協会」や「日本クラリネット協会」といった、各方面の「日本○○協会」が延々と続いている。140ページでは陸自無双を拝むことができる。
紙ベースの辞典ではなく、Googleで「音楽小辞典」で検索するとトップに出てくる (2012年5月6日現在) ページ。辞典と言うよりはジョークサイトである。
掲示板
掲示板に書き込みがありません。
急上昇ワード改
最終更新:2024/12/26(木) 21:00
最終更新:2024/12/26(木) 21:00
ウォッチリストに追加しました!
すでにウォッチリストに
入っています。
追加に失敗しました。
ほめた!
ほめるを取消しました。
ほめるに失敗しました。
ほめるの取消しに失敗しました。