ICE-T(DB)とは、ドイツ鉄道及びオーストリア連邦鉄道が保有・運行する振り子式特急電車である。
1990年代、ドイツ国内で成功を収めつつあったICE(InterCityExpress)のネットワークを更に広げる事を検討していた。しかし、ドイツはその土地柄南へ行けば行くほど山岳地帯になっており、更には東西統一後の東ドイツ方面は線形が悪く貧弱な軌道設備しか持ち合わせていない有様であり、現行のICE1、ICE2のような機関車牽引の列車では高速運転が不可能な状況であった。もちろん、高速新線等を作る事も考えられたが、費用も時間も掛かる事や、比較的需要の少ない路線の高速化に高速新線を作る余裕は無い為、既存の設備に手を加えて、後は車両を変更して対応する事となった。調査の結果、動力分散方式で車体傾斜機構を持つ車両を導入するのが一番いいということが判明し、早速その条件に合う車両を導入する事となった。しかし、過去にET403型電車を導入した時に苦い経験をした為、今回は自主開発ではなく、既に完成している技術を導入する事とした。
この頃、丁度イタリアで振り子式高速電車「ペンドリーノ」が完成し、大成功を収めていた事から、このペンドリーノの車体傾斜機構を導入した振り子式気動車を試しに製造、運行する事となった。その結果、非常に良好な結果が得られた事から、遂に振り子式高速電車を導入する事となった。これがICE-Tである(但し、初期の段階ではICTと呼ばれていた)。ちなみにICT、ICE-Tの「T」は「Triebwagen(動力分散方式列車)」と「tilting system(振子装置)」それぞれの頭文字から取ったものである。
車両は1997年に完成、試運転を経て1999年から営業運転を開始、東ドイツ区間の列車の速度とサービスの向上に貢献し、南部では山間部の路線の速度向上に貢献、更にはスイスやオーストリアへの国際列車の運用にも着いた。その後、オーストリア連邦鉄道でもICE-Tを導入する事となった。内装や外装はICE3をベースとしており、基本的には近い形となっている。また、非電化区間向けICEことICE-TDも同様のデザインとなっている。また、車両の形式は7両編成がBR411形、5両編成がBR415形、オーストリア連邦鉄道所有編成がBR4011形となっている。
現在でも国際列車の運用についているほか、国内の在来線特急の速度アップとサービス改善に一役買っており、ドイツ鉄道の在来線を支える重要な存在となっている。
一応、フライシュマンとか、ロコとかからNゲージやHOゲージの模型が出てます。が、輸入品になるのでべらぼうに高い・・・。
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最終更新:2024/12/02(月) 02:00
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