LADSPAとは、Linux Audio Developer's Simple Plugin APIの略であり、オープンソース系オーディオプラグインのデファクト標準規格である。
LADSPAは、デジタル音声信号の生成および加工(エフェクト)を行うプラグインのアーキテクチャを定める規格である。
Linuxの名が冠されていることから伺えるとおり、当規格はLinuxにおけるオーディオ系ユーザーコミュニティー発祥の規格であるものの、その名に反して規格自体のOSへの依存性は事実上ない。このため、プラグインのソースコードさえ入手可能なら、比較的容易に他OSに移植することができる。
極端な事例では、Audacityの配布サイトでWindows向けに移植・コンパイルされたLADSPAプラグインの詰め合わせが入手可能
になっており、少なからぬAudacityユーザーが半ば無意識にその恩恵に預かっている可能性がある。
LADSPAは、その提供する機能の類似性から、よく“Linux上でのVST”にたとえられる。ただし、いくつかの相違点が存在する。
LADSPAの枠組みだけではVSTインストゥルメント(音源)に相当するプラグインを実現できない。
そのようなプラグインは、並立する規格であるDSSIか、当規格の後継であるLV2のアーキテクチャで実装することとなる。
プラグインに与えるパラメータ(ゲイン、レゾナンスなど)を変化させられる粒度についての規定が厳密には存在しないため、そのような使い方をすると、プラグインの作りによっては動作不良を起こしたり、処理単位の境界で不整合が発生したりしうる。
なお、処理対象の信号入力のほかに制御用の信号入力(サイドチェーン)を設けることで、この制限を回避したプラグインも存在する。
ユーザインタフェースは、ホスト(LADSPAプラグインを実行する側のソフト)が必要に応じて提供する。このため、GUIを持たないソフトでもLADSPAホストになれる。
また一方で、デジタル信号処理のノウハウさえあればGUIの知識がなくてもプラグインの開発ができ、GUIを持つホスト上で実行すれば勝手にGUIも付く。
反面、視覚的なフィードバックに乏しく、パラメトリックイコライザーやコンプレッサーのような特性曲線を眺めながらパラメータを調整することが望まれるエフェクトにとっては足かせとなっている。
本質的にはヘッダファイル1つだけの極めてシンプルな構成であり、LADSPAプラグインの移植性の高さに貢献している。

(何はなくともまずはコレ)
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最終更新:2025/12/10(水) 12:00
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