概要
JR西日本が最高速度350km/hでの営業運転を目指して開発した試験車両で、正式には「500系新幹線電車900番台」であり「WIN350（West Japan Railway`s Innovation for the operation at 350km/h）」は愛称である。
（通常、新幹線試験車は9XX形を名乗るが500系0番台の量産を前提としていた為900番台を名乗っていた。また、量産先行車ではない為9000番台を名乗る事はなかった。）
車両は3両1ユニットの6両編成で全電動車となっており、車体番号(500-901～906)は通常の試験車同様であった。
車高は3300mmで当時の主力であった100系よりも700mm低くなっている他、先頭車両の形状は東京方と博多方では違っているのが特徴。また、台車・パンタグラフも3種類を比較できるようになっていた。
1992年6月より試験を開始、同年8月には350.4km/hを達成。なお、均衡速度は385km/hとなっており、営業運転350km/hが可能であることを証明している。
が、騒音問題をクリアする事が出来なかった事や阪神・淡路大震災後に非常制動距離を厳守する事となった事もあり500系0番台の最高速度は300km/hと設定されている。
WIN350は500系0番台第1編成落成後の1996年5月31日に廃車となり、中間車4両は解体された。
1号車が米原にあるJR総研の研究所に、6号車（500-906）は京都鉄道博物館に輸送されることなくWIN350の所属基地であった博多総合車両所に保管されていた（なお、博総のイベント時にはWIN350のすぐ近くに100系2階建て車両がある）。しかし、2024年3月14日に博多総合車両所で500-906の解体が開始され、3月22日には解体が完了した。
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