580万
3226351 ななしのよっしん
2015/12/30(水) 15:18:11 ID: yeFtSK7tR2
ふー
3226352 ななしのよっしん
2015/12/30(水) 15:19:33 ID: yeFtSK7tR2
みー
3226353 ななしのよっしん
2015/12/30(水) 15:19:35 ID: g2fE2F9Vb2
「そうじゃの、ちょうど君くらいの年頃のとき、
エビフライくらいの形、大きさで、油で揚げられた人魚の肉を食らう機会があっての」
「人魚はそんなに小さいのですか?」
僕は小さな人魚がたくさん泳いでいるアクアブルーの海を思い浮かべた。
「きっとそれは調理師が食べやすいように工夫したのだろうな、
飾り付けにウロコがあった」
「人魚の・・・ウロコですか」
「しかし肝心の味が思い出せなくての」
「せんせい、それは夢で見られたことというオチでは?本当に食べたのですか?」
「食らったのならば旨いまずいは覚えているはずなのだが不思議なものでの。
食感は覚えている、脂身の少なくパサパサいやギシギシとしたとした口当たりで、咀嚼が疲れる密さであった」
3226354 ななしのよっしん
2015/12/30(水) 15:20:42 ID: yeFtSK7tR2
ゆー
3226355 ななしのよっしん
2015/12/30(水) 15:21:09 ID: g2fE2F9Vb2
「そう怪訝そうな顔をするでない」
僕もせんせいも、すっかり昼食の箸を止めていた。
「証拠がある」
「その証拠とは」
「人魚の上半身を見た」
せんせいはまたしても目をつむり、語り始めた。
3226356 ななしのよっしん
2015/12/30(水) 15:21:49 ID: yeFtSK7tR2
きー
3226357 ななしのよっしん
2015/12/30(水) 15:23:06 ID: yeFtSK7tR2
ふー
3226358 ななしのよっしん
2015/12/30(水) 15:24:14 ID: yeFtSK7tR2
もー
3226359 ななしのよっしん
2015/12/30(水) 15:25:22 ID: yeFtSK7tR2
んー
3226360 ななしのよっしん
2015/12/30(水) 15:26:15 ID: g2fE2F9Vb2
「それは君より5つばかりか年下で、
陸で生活している者には見られない、つややかで美しい髪を持ち、体は引き締まっておるが反して胸は豊かで、
顔の様子はというと、唇は少し青く、肌は白く頬の紅潮は見られなかった、残念ながらまぶたは閉じておって眼の色は確認できなかったがの」
「人魚という者の美しささることながら、陸に引き上げられても干からびたりはしないものなのだなと感心したもんだ」
僕は干からびてミイラになった上半身の人魚を思い描こうとしたがうまくできなかった。
「そうあっけにとられるでない」
「仲間たちは、その美しさに惚れ、喜び、人魚の肉の味よりもその上半身を弄ぶのに熱中したようだ」
「人魚の上半身を?」
「君は純粋でよいな」
せんせいはやわらかに笑った。
3226361 ななしのよっしん
2015/12/30(水) 15:26:28 ID: yeFtSK7tR2
3226362 ななしのよっしん
2015/12/30(水) 15:27:37 ID: yeFtSK7tR2
うー
3226363 ななしのよっしん
2015/12/30(水) 15:27:42 ID: g2fE2F9Vb2
「内蔵や上半身はその後どうなったのかは知れん。
人魚の味も思い出せん。
しかし私は人魚に出会い、肉を食らったのだ」
せんせいは口元を緩ませ、とても満足そうな顔をしていた
「・・・僕はまだ、せんせいが人魚を食べたと信じきれません」
「そうじゃろうな」
せんせいは少し残念そうに目を伏せた。
「しかし私は人魚を食らったせいだろうか、人魚に呪われておる」
「呪い?ですか?」
人魚といい呪いといい、今日の先生はとてもファンタジックで、僕のほうこそ夢を見ているのではないかと錯覚し始めた。
3226364 ななしのよっしん
2015/12/30(水) 15:28:54 ID: yeFtSK7tR2
3226365 ななしのよっしん
2015/12/30(水) 15:30:03 ID: yeFtSK7tR2
よー
3226366 ななしのよっしん
2015/12/30(水) 15:33:39 ID: yeFtSK7tR2
いー
3226367 ななしのよっしん
2015/12/30(水) 15:34:48 ID: yeFtSK7tR2
こー
3226368 ななしのよっしん
2015/12/30(水) 15:35:56 ID: yeFtSK7tR2
むー
3226369 ななしのよっしん
2015/12/30(水) 15:36:21 ID: g2fE2F9Vb2
すると、せんせいは突然白衣と黒のインナーの袖を一気にまくり上げ、奇妙なまでに白い腕を見せてきた。
「ほれ、これが呪いじゃ」
かんらかんらと笑うせんせいの腕はびっしりとウロコで覆われていた。
「せんせい、これは・・・」
「わからん。どうにも私の体の中で人魚が暴れたのか、爪のように伸びて来、ここまで異形にしてしまった。」
その腕に見とれている僕にせんせいは言った。
「私はこれからどうなるのかわからない」
「もしかするとこのまま全身にうろこが生え、指と指の隙間には水かきが出来、終には鰓呼吸を初め魚のようになるかもしれん」
「半魚人じゃ半魚人」
「そう冷めた目をするでない」
「そこで君に頼みがある」
「君の判断でよい、私が魚類に分類されるべきと思われた時、私の肉を食らってくれ」
「そう難しそうな顔するでないよ」
「あふたーさーびすはないがの」
「なかなか興味深いものではないか?」
「人魚を食らった者の血肉じゃ」
「どれ、興味深かろう?」
3226370 ななしのよっしん
2015/12/30(水) 15:37:04 ID: yeFtSK7tR2
くー
3226371 ななしのよっしん
2015/12/30(水) 15:38:15 ID: yeFtSK7tR2
もー
3226372 ななしのよっしん
2015/12/30(水) 15:39:23 ID: yeFtSK7tR2
ふー
3226373 ななしのよっしん
2015/12/30(水) 15:40:08 ID: g2fE2F9Vb2
せんせいが本当に人魚をフライにして食べたのかはわからない。
せんせいがこの先どうなるかもわからない。
けれどせんせいは本気だ。
本気で僕に自らの異形の部位を食べさせるつもりだ。
それはせんせいなりの僕への愛情なのかもしれない。
そしてそれを受け入れることが、僕なりのせんせいへの敬愛なのだろうか。
かんらかんらと笑い続けるせんせい。
黒のインナーと白衣に隠れてしまったウロコだらけの腕。
その手首には一部のうろこが剥がされるように歯型があった。
あれはせんせいが自身のその肉を食べようとしたのだろうか。
せんせいはどんな味がするのだろうか
それは人魚の味だろうか
人の味だろうか
そして僕は食し、味を覚えていられるだろうか
僕の今日の昼食は、白身魚のフライ弁当だった。
終わり
3226374 ななしのよっしん
2015/12/30(水) 15:40:33 ID: yeFtSK7tR2
もー
3226375 ななしのよっしん
2015/12/30(水) 15:41:43 ID: yeFtSK7tR2
ふー
3226376 ななしのよっしん
2015/12/30(水) 15:42:51 ID: yeFtSK7tR2
不思議なお話
3226377 ななしのよっしん
2015/12/30(水) 15:44:02 ID: yeFtSK7tR2
んー
3226378 ななしのよっしん
2015/12/30(水) 15:45:14 ID: yeFtSK7tR2
きー
3226379 ななしのよっしん
2015/12/30(水) 15:46:17 ID: yeFtSK7tR2
うー
3226380 ななしのよっしん
2015/12/30(水) 15:47:19 ID: g2fE2F9Vb2
ぶーひん
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