つばめ(列車)とは (ツバメとは) [単語記事]

つばめとは、伝統ある列車の名称である。

概要

戦前から続く列車の名称で、国鉄(現：JR）を代表する列車名となっている。

歴史

戦前～超特急「燕」～

1930年1０月に東海道本線にて運転を開始した。区間は東京駅～神戸駅。なお、当時の表記は「燕」だが仮名表記もあった為「つばめ」でも間違いではない。この名称は先行していた「富士」「櫻」と同様に一般公募によって決定した名称である。

走行開放等の高速化施策により「富士」に比べ東京～大阪間の時間を2時間半短縮し、全区間を9時間で走破した為「超特急」と呼ばれた。が、戦争激化に伴い1943年2月に東京～大阪間へ短縮、同年10月に廃止となった。

戦後～東海道本線「つばめ」～

1950年1月に、前年に登場していた特急「へいわ」を「つばめ」に改称した。この時は戦前同様に機関車牽引である。同年6月には姉妹列車として特急「はと」が登場した。

1956年11月には東海道本線全線電化に伴い東京～大阪間を7時間半へスピードアップ。これを機に塗装をエメラルドグリーンへ変更し「青大将」と呼ばれた。

1960年には「こだま」形151系電車へ変更し、東京～大阪間の所要時間が6時間半となった。この時「はと」は「つばめ」に吸収される形で消滅するも、1961年10月に再登場している。

1962年6月には山陽本線広島電化に伴い広島へ進出。が、「瀬野八」を151系が走れない事が判明した為に広島～八本松間はEF61形が後押しする事となった。

つばめは西へ～山陽本線・鹿児島本線「つばめ」～

1964年10月1日の東海道新幹線開業に伴い運転区間を新大阪～博多間へ変更。「つばめ・はと・かもめ」による九州特急が形成され、「三羽がらす」とも呼ばれた。

1965年に「つばめ」は名古屋～熊本間へ運転区間を変更、同時に「つばめ・はと」は使用車両が481系へ変更された。この結果、ようやく「瀬野八」の自力走行が可能となった。

1968年には581系・583系も充当されるようになり増発が図られるも、1972年3月に山陽新幹線岡山開業により「つばめ」は岡山～博多・熊本間、「はと」は岡山～下関間へ変更される。

1973年10月には「つばめ」は西鹿児島（現：鹿児島中央）まで区間延長を行ったが、1975年3月10日の山陽新幹線博多開業に伴い「つばめ・はと」は廃止された。以後、西鹿児島行きは「有明」が担当。

復活～鹿児島本線「つばめ」～

JR九州 787系電車

JR Kyūshū 787 Series

1975年の廃止以降「この名称にふさわしい格式ある列車がない」という理由から名称の使用は見送られていた。その間は復活運転として運転されるだけであった。

1987年の民営化に伴い誕生したJR九州が783系の後継車両として787系を開発。1992年7月15日の運用開始に伴い西鹿児島発着の「有明」を「つばめ」に改称し、ここに復活した。なお、「つばめ」の名称を用いる際にJR九州はJR他社に対して名称使用の事前了解を得ている。なお、復活時点での運転区間は門司港・博多・熊本～西鹿児島で、一部は787系の車両数の関係から783系を充当した。

1993年3月18日には門司港～西鹿児島間を運行していた夜行急行「かいもん」を787系「ドリームつばめ」に昇格させた。同時に門司港発着便を博多発着へ変更している。

1995年4月20日に熊本発着便が廃止され、翌1996年3月16日には全列車787系化が完了。その後9両もしくは7両であったのを7両または6両に短縮。その際捻出された中間車の一部が先頭車に改造され「有明」に充当された。

2003年2月17日にはビュッフェの営業が終了。ビュッフェの座席化が行われ、新幹線開業へ備えた。

現在～九州新幹線「つばめ」～

2003年に公募により「つばめ」に決定した。なお、得票数では1位は「はやと」で「つばめ」は5位であったのだが、「はやと」は鹿児島のイメージが強い事や東北新幹線「はやて」と紛らわしい為採用されなかった（ちなみに、「はやと」は後に肥薩線特急「はやとの風」として新幹線開業と同時に登場している）。

2004年3月13日の九州新幹線新八代～鹿児島中央間の開業に伴い800系「つばめ」の運転が開始され、鹿児島本線「つばめ」は「リレーつばめ」と改称した。新八代駅では対面リレーを行っており、乗り換え所要時間は3分。号数も一体化を図った他、博多駅では「鹿児島中央行き」と表示するなどしている。

なお、九州新幹線部分開業と同時に「ドリームつばめ」は熊本以南を廃止し「有明」に編入した。

九州新幹線博多開業後の山陽新幹線直通運転は「さくら」が担当し、「つばめ」は九州新幹線内の運転となる。

「つばめ・リレーつばめ」データ

車両：800系新幹線電車・787系
会社：JR九州
運用線区：九州新幹線・鹿児島本線
運用区間：門司港・博多～（鹿児島本線）～新八代～（九州新幹線）～鹿児島中央
最高速度：260km/h（つばめ）・130km/h（リレーつばめ）

800系「つばめ」編成図(鹿児島中央⇔新八代)

1号車	2号車	3号車	4号車	5号車	6号車
指定席	指定席	指定席	自由席	自由席	自由席

運行区間の変遷

一本でも定期列車があった場合のみ。

運行期間	鹿児島中央駅	新八代駅	熊本駅	博多駅	門司港駅	広島駅	岡山駅	神戸駅	大阪駅	新大阪駅	名古屋駅	東京駅
193010-194302								●	●		●	●
194302-194310									●		●	●
195001-196006									●		●	●
196006-196110								●	●		●	●
196110-196206									●		●	●
196206-196410						●	●	●	●		●	●
196410-196510				●		●	●	●	●	●
196510-197203			●	●		●	●	●	●	●	●
197203-197310			●	●		●	●
197310-197503	●		●	●		●	●
199207-200302	●		●	●	●
200302-201103	●	●
201103-?	●	●	●	●