デクラレーションオブウォーとは (デクラレーションオブウォーとは) [単語記事]

デクラレーションオブウォー(Declaration of War)とは、2009年4月29日生まれのアメリカ生産・アイルランド調教の競走馬である。鹿毛の牡馬。

馬名の意味は「宣戦布告」。宣戦布告(declaration of War)に関しては当該記事参照。

主な勝ち鞍
2012年：ダイヤモンドステークス(G3)
2013年：インターナショナルステークス(G1)、クイーンアンステークス(G1)

概要

父War Front、母Tempo West、母父Rahyという血統。

父War Front(ウォーフロント)はG2を1勝したのみであったが、種牡馬としては大種牡馬Danzig後継の1頭といわれるほど成功した。

母Tempo Westは、11戦3勝。その半弟のUnion RagsはG1を2勝している。また、産駒でデクラレーションオブウォーの全弟にあたるWar CorrespondentはG3を2勝している。

母父Rahy(ラーイ)は、名牝Glorious Song(グローリアスソング)の産駒で半弟にSingspiel(シングスピール)がいる良血であったものの、現役時代の重賞の勝ち鞍は10馬身差で勝利したG2のみであったが、種牡馬としては*ファンタスティックライトやG1を11勝したSerena's Song(セレナーズソング)など多くのG1馬を輩出した。

ジョセフ・アレン(Joseph Allen)名義でアメリカにおいて生産され、同氏が当初所有していた。

戦績

2歳(2011年)

フランスのジャン＝クロード・ルジェ厩舎からデビュー。11月にクリストフ・スミヨンを鞍上にオールウェザー1700mに出走して3馬身差付けて勝利。

更に12月のオールウェザー1500m戦では中団からの競馬で8馬身差付けての勝利を決めた。

3歳(2012年)

3歳に入るとクールモアに購入され、アイルランドにおいてお馴染みのエイダン・オブライエン厩舎に入厩した。

9月には久しぶりに芝8ハロンのソロナウェイステークス(G3)に、オブライエン調教師の息子で180cmという高身長でも知られたジョセフ・オブライエンを鞍上に出走したが、後方からの競馬で4着。

同月の芝10ハロン戦では3馬身半差の勝利。

10月にはオールウェザー10ハロン150ヤード戦のダイアモンドステークス(G3)^[1]に出走。ここを後方からの競馬で半馬身差で勝利して重賞初制覇。

4歳(2013年)

4歳初戦は4月の芝8ハロンのリステッドであるヘリテージステークスに出走し、2馬身半差で勝利。

5月には芝8ハロンのロッキンジステークス(G1)に1番人気で出走したが、追い込めず5着。

6月には芝8ハロンのクイーンアンステークス(G1)に出走して2番人気^[2]となり、4分の3馬身差で勝利した。

7月には芝約10ハロンのエクリプスステークス(G1)に出走し、2番人気で2馬身差の2着。

同月にはさらに芝8ハロンのサセックスステークス(G1)にも出走し、3番人気3着。

8月にはライアン・ムーアを鞍上に芝1600mのジャック・ル・マロワ賞(G1)に出走したが、ここは5番人気4着。

同月の10日後の芝約10ハロン戦であるインターナショナルステークス(G1)にオブライエン騎手を鞍上に出走すると、先頭を追う形での競馬で1馬身差以上付けての勝利^[3]。

この後アイリッシュチャンピオンステークスにも出走予定であったが、ここは当日に馬場状態を見て取り消しとなった。

次走に選ばれたのはアメリカ遠征でのブリーダーズカップ・クラシック(G1)。アメリカを代表する古馬競走の1つで……ダート10ハロン戦である。オブライエン厩舎にとっては、Giant's Causeway(ジャイアンツコーズウェイ)が2000年に2着に入って以降、Galileo(ガリレオ、6着)など管理する数々の名馬を送り込みながら悉く阻まれてきた名物行事悲願であった^[4]。

3番人気に支持されたレースでは、1着Mucho Macho Man(ムーチョマッチョマン)、2着*ウィルテイクチャージから僅差の3着。健闘したと言えるのではないだろうか。

種牡馬入り

ブリーダーズカップ・クラシック後に引退して種牡馬入り。

2014年にアイルランドのクールモアスタッドにて種牡馬入りし、翌年の2015年にはクールモア系列でアメリカにあるアシュフォードスタッドに移動した。また、オーストラリアでもシャトル種牡馬として供用されていた。

プール・デッセ・デ・プーラン(フランス2000ギニー)を勝ったOlmedoなどを出していたが、2019年からは日本軽種馬協会によって日本へ輸入されることとなった。

種付け料は230万円に設定された。初年度に152頭を集めて以降も3桁の種付け数を集め、種付け料も2023年には250万円、2024年には300万円に値上げされた。但し、2024年の種付け数が74頭にまで減少したこともあってか、2025年は再び種付け料230万円となった。

日本では、珍名馬としても知られるシランケドなど複数の重賞馬を出している。ついでに「春+ノート。母名より連想」と言いながら父名から連想したのであろうハルダヨリ^[5]産駒ハルノートなんていう馬がいたりする。

血統表

War Front 2002 鹿毛	Danzig 1977 鹿毛	Northern Dancer	Nearctic
			Natalma
		Pas de Nom	Admiral's Voyage
			Petitioner
	Starry Dreamer 1994 芦毛	Rubiano	Fappiano
			Ruby Slippers
		Lara's Star	Forli
			True Reality
Tempo West 1999 栗毛 FNo.13-b	Rahy 1985 栗毛	Blushing Groom	Red God
			Runaway Bride
		Glorious Song	Halo
			Ballade
	Tempo 1992 栗毛	Gone West	Mr. Prospector
			Secrettame
		Terpsichorist	Nijinsky
			Glad Rags

クロス:Northern Dancer 3×5(15.63%)、Mr. Prospector 5×4(9.38%)、Nijinsky 5×4(9.38%)

主な産駒

海外繋養時の産駒はアルファベット順、本邦での産駒は五十音順。記事のある馬は太字

2015年産

Actress (牝母 Nasty Storm 母父 Gulch)
- 2017年アングルシーステークス(愛G3)、2018年バリーオーガンステークス(愛G3)
Assiro (牡母 T'As d'Beaux Yeux 母父 Red Ransom)
- 2019年ミラノ大賞(伊G2)、2019年カルロ・ダレッシオ賞(伊G3)
Cheval Prometteur (騸母 Shibina 母父 Kalanisi)
- 2021年バルメリーノステークス(新G3)
Declarationofheart (騸母 Cardiac 母父 Encosta de Lago)
- 2019年チェアマンズステークス(豪G3)
Match Maker (騸母 I'm in Love 母父 Zafonic)
- 2021年ストックホルムストゥーラプリス(瑞G3)
Olmedo (牡母 Super Pie 母父 Pivotal)
- 2018年プール・デッセ・デ・プーラン(仏G1)、2019年ゴントービロン賞(仏G3)
Speed Franco (牡母 Nabat Seif 母父 *ストリートセンス
- 2018年ダニアビーチステークス(米G3)
Vigor Winner (騸母 Savont 母父 Exceed and Excel)
- 2019年ケンブリッジブリーダーズステークス(G3)
Vow and Declare (騸母 Geblitzt 母父 Testa Rossa)
- 2019年メルボルンカップ(豪G1)、2022年ジッピングクラシック(豪G2)、2022・24年タタソールズカップ(豪G3)
Voyage Warrior (騸母 Chaleur 母父 *ストラヴィンスキー)
- 2020年スプリントカップ(香港G2)
Winning Ways (牝母 Skip Along 母父 Galileo)
- 2019年クイーンズランドオークス(豪G1)

2016年産

Electric Girl (牝母 Electra 母父 Zizou
- 2021年ブリーダーズクラシック(豪G2)、2023年ミリーフォックスステークス(豪G2)
Opry (騸母 That Voodoo Youdo 母父 Speightstown)
- 2018年ウィズアンティシペイションステークス(米G3)
Warning (騸母 Livia 母父 Galileo)
- 2019年ヴィクトリアダービー(豪G1)、2021年クイーンエリザベスステークス(豪G3)、2021年チェアマンズハンデキャップ(豪G3)

2017年産

Decorated Invader (牡母 Gamely Girl 母父 Arch)
- 2019年サマーステークス(米G1)、2020年ホールオブフェイムステークス(米G2)、2020年ペナインリッジステークス(米G2)
Gufo (牡母 Floy 母父 Petionville)
- 2020年ベルモントダービー招待ステークス(米G1)、2021年ソードダンサーステークス(米G1)、2022年ソードダンサーステークス(米G1)、2022年パンアメリカンステークス(米G2)、2020年ケントステークス(米G3)
Peace Achieved (騸母 Sense of Class 母父 Fusaichi Pegasus)
- 2019年バーボンステークス(米G3)
Silver Prospector (牡母 Tap Softly 母父 Tapit)
- 2019年ケンタッキージョッキークラブステークス(米G2)、2020年サウスウェストステークス(米G3)、2022年スティーヴ・セクストンマイルステークス(米G3)
Stunning Sky (牝母 Sky Walk 母父 Unbridled's Song)
- 2020年ヴァリーヴューステークス(米G3)
Valdermoro (騸母 Snooki 母父 *エンパイアメーカー
- 2019年エイコムステークス(英G3)

2018年産

*アーミーワイフ (牝母 Tread 母父 Arch)
- 2021年ブラックアイドスーザンステークス(米G2)、2021年アイオワオークス(米G3)
Fire at Will (牡母 Flirt 母父 Kitten's Joy)
- 2020年ブリーダーズカップ・ジュヴェナイルターフ(米G1)、2020年ピルグリムステークス(米G2)

2019年産

Big Invasion (牡母 Curls in Place 母父 Curlin)
- 2023年ニアークティックステークス(加G2)、2022年クイックコールステークス(米G3)
Hopper (牡母 Irridescence 母父 Caesour)
- 2022年アファームドステークス(米G3)、2023年オークローンマイルステークス(米G3)
*ナザニン (牝母 Woodland Scene 母父 Act One)
- 2021年ファースオブクライドステークス(英G3)

2020年産

シランケド (牝母フェアブルーム母父ディープインパクト)
- 2025年中山牝馬ステークス(GⅢ)
タマモブラックタイ (牡母タマモイヤリング母父ブラックタイド)
- 2023年ファルコンステークス(GⅢ)
トップナイフ (牡母ビーウインド母父 *スピニングワールド)
- 2025年札幌記念(GⅡ)

2021年産

セキトバイースト (牝母 *ベアフットレディ母父 Footstepsinthesand)
- 2025年府中牝馬ステークス(GⅢ)
セットアップ (牡母スリーアロー母父 *アルデバランII)
- 2023年札幌2歳ステークス(GⅢ)

脚注

*アイルランドの競走であり日本の同名重賞とは無関係。
*1番人気は*アニマルキングダム(結果は11着)。
*2着の愛ダービー馬Trading Leather(トレーディングレザー)は翌年のジャパンカップに出走したが競争中止となった。
*父が米三冠馬Justify(ジャスティファイ)とはいえ、2024年にも英ダービー馬City Of Troy(シティオブトロイ)を送り込んでいる(結果は8着)。
*ハルオーブの母。

デクラレーションオブウォー単語

概要