ディープブリランテとは、2009年産の日本の競走馬・種牡馬である。
2012年の日本ダービー馬にして、種牡馬ディープインパクト、岩田康誠騎手、矢作芳人調教師、生産牧場のパカパカファームに日本ダービーを初めてプレゼントした馬。
馬名は父から「ディープ」を取り、イタリア語の輝きなどを意味するブリランテ(brillante)を付けたもの。
主な勝ち鞍
2011年:東京スポーツ杯2歳ステークス(GIII)
2012年:東京優駿(GI)
父はディープインパクト、母ラヴアンドバブルズ、母の父Loup Sauvageという血統。
全姉にクラシック戦線を賑わせながらあと一歩頂点には届かなかったハブルバブル、近親にはCandy Stripesやバブルガムフェロー、ザッツザプレンティ、ショウナンパントルなどがいる。
当歳(0歳)時にセレクトセールに上場。その時、父と来場していた矢作師は馬を見てとても惚れ込み馬主にぜひ落札してウチに預からせて欲しいと申し出る。そしてノーザンファームと競って惜しくも落札できなかった(3225万円でノーザンファームが落札)。
しかしここで諦めきれなかった矢作師、自らノーザンファームにと交渉し「惚れ込んでいるので僕にやらせて下さい」と懇願するほどの好馬体や雰囲気を持つ馬であった。ノーザンファームもこれを快諾、ディープブリランテは矢作厩舎所属となった。黒地に赤いバッテンでお馴染みのサンデーサラブレッドクラブより一口110万円×40口で募集、デビューを迎える。
新馬戦からそれを遺憾なく発揮し5馬身ちぎって圧勝。次走には重賞の東京スポーツ杯2歳ステークス(GIII)を選択するも当日は不良馬場となってしまう。が、そんなことは全く意に介さず突き抜け圧勝。素晴らしい勝ちっぷりで一躍ダービー候補筆頭格にのし上がった。
しかし、共同通信杯(GIII)ではステイゴールド産駒であるゴールドシップに差し切られ2着、スプリングステークス(GII)ではアグネスタキオン産駒のグランデッツァに差され2着と連敗してしまう。東スポ杯の頃から懸念はされていたが行きたがりで旺盛なヤル気が空回りして結果として最後に粘れなくなるという気性に問題があり、ファンに善戦馬という印象を植えつけた。
そして皐月賞(GI)。条件的に一番合ったレースであったが先行しながら荒れた内を避けて真ん中を通った結果、ぽっかり空いた最内をゴールドシップが突き抜け次いで大外を走って追い込んできたワールドエースに差され3着。
最も向いていると思われた皐月賞を逃し、これはクラシック善戦止まりと皆にさらなる印象を与えてしまった。ダービーではさらに悪いことに主戦の岩田騎手がNHKマイルカップで致命的インシデントを起こして騎乗停止となり、ダービーウィークにようやく復帰という状況でレースを迎える。距離も気性面で限界があるだろうと思われ、当日のダービー(GI)では三番人気に甘んじた。しかもゴールドシップ・ワールドエースの二強からは離された位置であった。
しかしレースが始まるとスタートから前の方に付け向こう上面では3番手の位置でレースを進めた結果、ラストの直線ではそのまま先頭を争い直線で逃げたゼロスとトーセンホマレボシを競り落とすと大外から迫るフェノーメノをハナ差しのぎ切り一着。見事に2009年生まれの競走馬7572頭の頂点となる。
ダービージョッキーの栄誉を手にした岩田騎手は泣きに泣き、府中競馬場に岩田コールが木霊した。
秋はおそらく天皇賞(秋)を狙っていくであろうと思われたが、海外志向の強い矢作師[1]らしくキングジョージ(英G1)への挑戦を表明。シリウスシンボリ以来となるダービー馬のキングジョージ挑戦、そしてディープインパクト産駒初の海外遠征が如何なる結果を出すのか大いに期待された。
…ところだったのだが、キングジョージでは最後の直線で挟まれる不利はあったもののその前から手応えを失いつつあり失速、前年の凱旋門賞馬Danedreamの優勝を遠くに見るブービーに敗れた。走りにくそうにしていたので馬場が一番大きいだろうが、やはり根本的に12fは距離が長い上に古馬混合で世界有数の過酷さを誇るアスコットでは厳しいものがあったということだろう。何はともあれ、残念な結果となってしまった。
帰国後、天皇賞(秋)ではなく菊花賞への出走を表明。距離・気性に加え、海外遠征からのぶっつけという臨戦過程も懸念されたが、有力馬の故障・回避によりゴールドシップ1強ムードであった菊花賞が盛り上がる、12年ぶりにダービー馬と皐月賞馬の対決が実現する、ということでその判断を歓迎する声もあった。しかし菊花賞直前に屈腱炎を発症。現役を引退し社台スタリオンステーションで種牡馬入りすることが決まった。
種牡馬としては、父の代用品の中でも上の方といった塩梅のスタートであり超一流牝馬は父や後に種牡馬入りしたキズナなんかに取られてその余りが来るという形になったが、その中からも重賞2勝馬セダブリランテスや道悪巧者といわれるけどほんとのところはそうでもないモズベッロなどが登場。
しかし、2023年現在GⅠを勝つ産駒は出ておらず、2019年から社台スタリオンステーションからブリーダーズ・スタリオン・ステーションに移動、種付け数も年々減少傾向にありやや厳しい状況が続いている。
2023年をもって種牡馬を引退し、生産牧場であるパカパカファームにて余生を過ごすという報道がなされた。なお用途変更はなされていないようなので種牡馬登録自体は継続している[2]。
ディープブリランテは父ディープインパクトの初期産駒であったため種牡馬として壮健な頃の偉大な父とバッティングしてしまい、更に次々と同父の種牡馬が登場、他のSS系とも争うという苛烈な環境下にあった。その中でも輝きを見せ続けるのは困難であったのだろう。
ところで生産牧場のパカパカファーム、変わった名前だがそれもそのはず、場長はアイルランド生まれの獣医ハリー・スウィーニー氏なのである。
大樹ファームの立ち上げの際にレーシングマネージャーであるジョン・マルドゥーン氏に招かれ来日した彼は半年の滞在を予定していたのだが、いつの間にか五年間滞在し場長まで経験。大樹ファームを離れた後も、マチカネ冠号でおなじみの細川益男氏の待兼牧場のゼネラルマネジャーに就任。
その間に「日本で牧場を作りたい」と志し、外国人に厳しい農地法規制をなんとかスッキリクリア。2001年に新冠に用地を取得し設立したのがこのパカパカファームなのである。牧場名は結構な人にこれでどうか聞いて回ったところだいたい笑われたそうだが、印象に残りやすいからいいんじゃないかということで採用されたとのことである。
アイルランドや欧州に広いコネがあることを活かし、日本で活躍した○外や輸入繁殖牝馬の近親、大樹ファームゆかりの血統を持つ繁殖牝馬を購入・繋養しており、初めてのGⅠ勝ち馬となったピンクカメオはブラックホークの母シルバーレーンを輸入して生産した馬であるなど日本生活が長いだけあって、日本競馬に精通し、有用な血統をうまく狙い撃ち出来ているようである。
| ディープインパクト 2002 鹿毛 |
*サンデーサイレンス 1986 青鹿毛 |
Halo | Hail to Reason |
| Cosmah | |||
| Wishing Well | Understanding | ||
| Mountain Flower | |||
| *ウインドインハーヘア 1991 鹿毛 |
Alzao | Lyphard | |
| Lady Rebecca | |||
| Burghclere | Busted | ||
| Highclere | |||
| *ラヴアンドバブルズ 2001 鹿毛 FNo.1-b |
Loup Sauvage 1994 栗毛 |
Riverman | Never Bend |
| South Ocean | |||
| Louveterie | Nureyev | ||
| Lupe | |||
| *バブルドリーム 1993 鹿毛 |
Akarad | Labus | |
| Licata | |||
| *バブルプロスペクター | Miswaki | ||
| *バブルカンパニー | |||
| 競走馬の4代血統表 | |||
クロス:Lyphard 4×5(9.38%)、Busted 4×5(9.38%)、Northern Dancer 5×5(6.25%
掲示板
54 ななしのよっしん
2023/10/21(土) 01:30:11 ID: vdJyReuX4K
23年の種付頭数は11頭
エルトンの活躍があってもここまで激減すると年齢的な事もあって戻すのは厳しいかなぁ
55 ななしのよっしん
2023/12/11(月) 00:34:22 ID: vdJyReuX4K
24年度のノミネーション情報一覧から消えました
プライベート種牡馬か海外輸出か種牡馬引退のどちらかになりそうだが果たして
56 ななしのよっしん
2023/12/27(水) 16:11:55 ID: vdJyReuX4K
正解は種牡馬引退でした
ふるさとに戻るとの事だから普通の功労馬か当て馬兼任の功労馬かリードホースか訓練用の乗馬になるのかどれだろう
急上昇ワード改
最終更新:2025/12/05(金) 19:00
最終更新:2025/12/05(金) 19:00
ウォッチリストに追加しました!
すでにウォッチリストに
入っています。
追加に失敗しました。
ほめた!
ほめるを取消しました。
ほめるに失敗しました。
ほめるの取消しに失敗しました。