ハクサンムーン(Hakusan Moon)とは、2009年生まれの日本の元競走馬である。栗毛の牡馬。現在は種牡馬。
主な勝ち鞍
2012年:京阪杯(GIII)
2013年:セントウルステークス(GII)、アイビスサマーダッシュ(GIII)
父アドマイヤムーン、母チリエージェ、母父サクラバクシンオー。
父は国内外でGI3勝を挙げた2007年の年度代表馬。ハクサンムーンは初年度の産駒である。
母は短距離戦線で準オープンまで勝ち上がった馬だが、あんまり目立つ母系ではない。ちなみに5歳下の半弟Warring States(父ヴィクトワールピサ)はドイツでデビューしGIIIを勝っている。
母父サクラバクシンオーはスプリンターステークスを連覇した快速馬で種牡馬としても成功した。ブルードメアサイアーとしても優秀で、GI7勝のキタサンブラックなどがいる。
栗東・西園正都厩舎に入厩。2歳11月にデビューし1400mの新馬戦を勝つが、朝日杯FSでシンガリ負け。これで踏ん切りがついたか3歳からは短距離戦線に専念する。その後は撃沈するレースも多く成績は安定しかったものの、3歳初戦の500万下、6月の出石特別(1000万下)、10月の道頓堀S(1600万下)と勝ち上がってOPに昇格。11月のGIII京阪杯で10番人気を覆す逃げ切りを決め重賞初勝利を果たす。
4歳初戦のオーシャンSは9着惨敗。初GIの高松宮記念はまた10番人気に落ちるが2着とハナ差の3着に激走。しかし先頭のロードカナロアとは1馬身1/4差がついていた…。ハクサンムーンが惜しい馬扱いされるのはだいたいこいつのせい。戦ったのは1年だけなのに。
安田記念に挑んだロードカナロアを後目に、ハクサンムーンは短距離路線を邁進。CBC賞こそ古豪マジンプロスパーの2着と敗れるが、アイビスサマーダッシュは7枠も利して逃げ切り勝ち。そしてセントウルSでは会心の逃げで休み明けのロードカナロアをクビ差封じ込め連勝。サマースプリント王に輝き、打倒ロードカナロアの一番手に名乗りを上げる。
大一番スプリンターズS。ハクサンムーンは2番人気に支持される。いつも通りスタートから一気に先頭に立つと、前走すら上回る前半3ハロン32秒9の逃走劇。しかしダレるどころかついてきた後続を突き放して直線に向き、残り1ハロンで2馬身余りのリードを取る!
…しかし、世界のルォォォォォォォォドカナロアァァァァァァァ!さんがここで一気に無慈悲なスパート。あっさりと差し切って3/4馬身差をつけ、実に涼しげな顔で勝利をかっさらっていった。ハクサンムーンは最後こそ脚色が鈍ったが意地で2着を死守。しかし敗戦。あいつさえいなければ…。
…と思いきや、オーシャンSで13着に惨敗。高松宮記念は珍しく出遅れ、不慣れな後方からよく追い込んだが5着まで。秋まで休養したセントウルSは2着に粘るが、スプリンターズSは1番人気を裏切る13着…。これでは終われんと阪神カップにも出走したが、1400mは長かったか最下位18着…。
6歳初戦のオーシャンSは2着。高松宮記念はゴール前の壮絶な叩き合いの末に香港馬エアロヴェロシティに差されて2着…。嗚呼。秋はセントウルS、スプリンターズSともに惨敗。
7歳も現役を続行し4年連続出走のオーシャンSで2着となったが、高松宮記念は11着。流石に力を使い果たしたのか状態が上向かず引退となった。
その快速は目を瞠るものがあったが、一番脂の乗った時期にロードカナロアがいてしまったのが余りにも痛かった。それ以後も頑張ったけど、やっぱり4歳シーズンが一番強かったのに…と思うファンは多い気がする。
その快速と逃げのスタイルで目立っていたハクサンムーンだが、それ以上に彼が目立っていたのが馬場入り時である。
ハクサンムーンはパドックではなく、馬場入りしてから騎手が乗ることを常としていた。そしてこの馬、馬場で騎手が跨った瞬間にヒートアップし、厩務員を振り払うように暴れるとそのまま左回りにグルグルと旋回!しばらく回ってから何事もなかったかのように返し馬に入るというルーティーンがあったのである。馬房で旋回癖を見せる馬はサイレンススズカの例があるように時折いるが、馬場でこれをやる馬は非常に稀。いつしかファンの間でも話題になり、馬場入りするや「回れー!」という声が飛んだり、回転数を数える声が上がったり。回転がひとしきり終わったら拍手が上がるほどお馴染みになった。
しかもこの馬には「回れば回るほど調子がいい」という都市伝説めいた噂もあった。実際調子がどうだったかは不明だが、ロードカナロアの2着に突っ込んだスプリンターズSの馬場入りでは勢いよく7回転し、一度立ち止まってからおまけに3回転という回りっぷりだった。やっぱり旋回が多い日は元気が良かったのかもしれない。
アドマイヤムーン 2003 鹿毛 |
*エンドスウィープ 1991 鹿毛 |
*フォーティナイナー | Mr. Prospector |
File | |||
Broom Dance | Dance Spell | ||
Witching Hour | |||
マイケイティーズ 1998 黒鹿毛 |
*サンデーサイレンス | Halo | |
Wishing Well | |||
*ケイティーズファースト | Kris | ||
Katies | |||
チリエージェ 2001 栗毛 FNo.18 |
サクラバクシンオー 1989 鹿毛 |
サクラユタカオー | *テスコボーイ |
アンジェリカ | |||
サクラハゴロモ | *ノーザンテースト | ||
*クリアアンバー | |||
メガミゲラン 1992 鹿毛 |
*シェイディハイツ | Shirley Heights | |
Vaguely | |||
モガミゲラン | *モガミ | ||
ミスゲラン | |||
競走馬の4代血統表 |
クロス:Northern Dancer 5×5(6.25%)
エンドスウィープ、サンデーサイレンス、モガミと気性難で有名な血統が見える。
ハクサンムーンの気性はどこから来たのか、あるいはそれらの相乗効果なのだろうか。
半弟にあのロードカナロアを父に持ち自身同様スプリント戦線で活躍するサトノレーヴがいる。馬産においてはよくある話とはいえ、どうしても複雑な心情は拭いきれないものである。
5代母ゲランまで遡るとシルクスキーやコスモドリーム、ラッキーゲラン、オースミシャダイ、ウインブライトなどが近親に表れる。
2020年に初年度産駒がデビュー、内3頭が中央競馬の未勝利戦を勝ち上がった。種付料30万円、受胎条件50万円級のいわゆる格安馬であり、産駒の多くは地方を主戦場にしている。父のスピードを受け継ぐ快速馬は現れるだろうか。
旋回はYoutubeにまとめがあります
掲示板
17 ななしのよっしん
2022/10/01(土) 17:56:50 ID: 0vxUEZJ77V
半弟のロードカナロア産駒サトノレーヴが中山1200mで上がり最速も出して2馬身突き放す快走、通算4戦3勝二着1回
日高のサトノってのがなんか良いな
18 ななしのよっしん
2023/06/11(日) 12:26:58 ID: WilQppnWum
癖というよりルーティーンだよな
自分でちゃんと止まるし、これをやっとかないと気が済まないってことなんだろうか
19 ななしのよっしん
2023/07/02(日) 10:59:15 ID: w2yjBXlV9j
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最終更新:2025/01/03(金) 10:00
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