ひとは、誰かになれる
| ドラゴンクエストVII エデンの戦士たち | |
|---|---|
| ジャンル | ロールプレイングゲーム |
| 対応機種 | プレイステーション ニンテンドー3DS |
| 発売 | エニックス(現:スクウェア・エニックス) |
| 開発 | ハートビート、アルテピアッツァ(PS) アルテピアッツァ(3DS) |
| 発売日 | 2000年8月26日(PS) 2013年2月7日(3DS) |
| 価格 | 7,800円(PS) アルティメットヒッツ:2,625円(PS) 6,090円(3DS) |
| その他 | 北米版のタイトルは「Dragon Warrior VII」 3DS版はダウンロード販売あり(要2GB) |
『ドラゴンクエストVII エデンの戦士たち』とは、エニックス(現スクウェア・エニックス)から発売されたRPGである。略称はドラクエ7、DQ7。
ドラゴンクエストシリーズの第7作目。
プレイステーションで初のドラクエということで期待が高まり、売上は当時シリーズ最高の410万本を記録した(2011年現在はDQ9の415万本以上が最高記録)。
プレイステーションへ移り、3Dポリゴンが採用されたことでグラフィックが大幅に美麗化、ストーリーのボリュームも増大した。また、今作から斜めに移動することも可能になった。
また、プログラム担当の山名学がかなり頑張ったらしく、次の次を先読みでロードする等の技術を駆使し、CD-ROM媒体にしてロムカセット並という驚異のロード時間の短さを誇る。
ストーリーは中盤までは主に町ごとに独立したストーリーがあり、1つ1つ解決してまわるといった進行形式になっている。単純に町を脅かす魔物を倒しに行くだけのものもあれば、魔物と人、人と人の関係について考えさせられるような深いストーリー、必ずしもハッピーエンドで終わらないストーリーもあり、個々のストーリーの質は歴代のシリーズの中でも非常に評価が高い。
タイトルのエデンは旧約聖書に登場する「エデンの園」が元ネタ。また、この作品自体が聖書をモチーフにしている、キリスト教グノーシス派の思想の影響を受けているという説が存在する。
また、最近のドラクエではおなじみの「はなす(仲間会話)」が初めて導入された作品である(戦闘中も会話ができるが、3回程話すと敵に先制されてしまうので注意。尚、戦闘中に仲間に話せるのは7だけ)。
マリベルのツンデレっぷりに魅了された者、暗いストーリーの中でガボに癒された者なども多く、仲間会話システムは本作を語る上で欠かせない存在であると言っても過言ではない。
第5回日本ゲーム大賞優秀賞、2000年度文化庁メディア芸術祭大賞を受賞している。
2012年10月31日、ニンテンドー3DS用ソフトとしてリメイク版を開発中であることが発表され、2013年2月7日に発売された。BGMは東京都交響楽団によるオーケストラ音源になり、すれちがい通信に対応。
広い海の真ん中にぽっかりと浮かんだ島、グランエスタード島。世界にはこの島しか陸地がなく、人々はグランエスタード唯一の城とその城下町、そして漁村のフィッシュベルにて細々と平和に暮らしを営んでいた。
フィッシュベルに住む主人公の少年とグランエスタード王子のキーファ、そしてフィッシュベルの網元の一人娘マリベルの3人はいつも一緒に遊ぶ悪友同士だった。そんな彼らが最近注目しているのが、島の北東にある謎の遺跡だった。そこは島の人々がけっして近づかない禁忌の場所だったが、好奇心旺盛な彼らにとっては絶好の冒険スポットであった。
主人公たちは遺跡地下への入り口をみつけ、そこに広がる迷宮の仕掛けを次次に解いていった。そして開かれた扉の先にあったのは、いくつもの台座と割れた石のかけら。かけらをつなぎあわせ、台座にはめ込んだとき、まばゆい光とともに次の瞬間、彼らは見知らぬ森に立っていた。
襲いかかる魔物たち。初めての村ウッドパルナで出会う人々。その地にふりかかる災厄。
ウッドパルナを支配する魔物を倒し、グランエスタードに戻ったとき、彼らは新しい大地が、あのウッドパルナが、自分たちの島の隣に突如として出現したことを知るのであった。そして、主人公たちの手にある、石の欠片―石版-が、次なる大地が救済を求めていることを示していた。
石版に封じられた大地の謎、徐々に明らかになる世界の全容、そしてその影でうごめく黒幕、はからずも、主人公たちは冒険を通じて、その謎を解き明かして行く。そして数々の、出会いや別れをくりかえす。
主人公
マリベル
キーファ・グラン
ガボ
メルビン
アイラ今作もダーマ神殿が登場。システムはDQ6と同様、熟練度式の転職システムを採用している。人間の職業も勇者以外に「上級職を前提に持つ上級職」が登場した他、モンスター職が大幅に増え、モンスター上級職まで存在する。
特定職業を連続して経験する事で覚えられる「職歴特技」も登場。
今回も転職はダーマ神殿で行うことができるが、石版の世界と主人公世界に、合わせて2つのダーマ神殿がそれぞれ存在し、両方で転職は可能である。とくに石版世界のダーマ神殿の大神官フォズ様は(とても)年若い女性なので一部のプレイヤーに人気がある。ルーラで直接行けないにもかかわらず、転職の際はフォズ大神官に必ず逢いにいく人も。
| 基本職 | 上級職 | ||
| 戦士 | 主に剣技を覚える。 HPと力が高く、素早さ・賢さ・MPが大幅に下がる。HPが上がるのでボス戦などで役に立つが、覚える特技は4つしかない。 ただし極めて便利で強い特技「つるぎのまい」が戦士関係の職歴特技にある。 |
バトルマスター | 戦士と武闘家を極めると転職できる。 打撃攻撃のスペシャリストで、賢さ・かっこよさ・MP以外の全てのステータスが満遍なく上がる。 岩石落としが残念ながらお預けになったが、それでも前衛として頼れる職業。 なお「攻撃を打ち払って回避」は今作では無い。 |
| 武闘家 | 主に格闘技を覚える。 素早さが上がるが、賢さとMPに加え身の守りも下がるので最前線には立ちづらい。ただし特技以外に会心の一撃が少し出やすいという特徴がある。「ばくれつけん」はバトルマスターの特技へ格上げ。 |
魔法戦士 | 戦士と魔法使いを極めると転職できる。 MPと力が上がって素早さと身の守りとHPが下がるという、何とも半端なステータスだが強烈な個性・メラゾーマは健在。 山彦の帽子は魔法戦士の経験があってこそ。 |
| 魔法使い | 攻撃呪文を覚える。 MPと賢さが上がり、地味にかっこよさも上がるが、それ以外の全てのステータスが下がる。 前作6の魔法使いに比べると呪文がランクダウンしており、ベギラゴンがお預けになった上にメラミもLv5まで覚えない。 |
パラディン | 武闘家と僧侶を極めると転職できる。 力・素早さ・賢さが上昇し低下は無しと使いやすいが、覚える特技は前作とほぼ同じであるためイマイチ特徴が薄い。 前作のはぐれメタルに当たるプラチナキングが今作では極めて難しい職のため、仁王立ちも活かしづらい。ただしゴッドハンドの前提なので経験者はいっぱいいる。 |
| 僧侶 | 回復呪文を覚える。 ステータスは魔法使いに比べ長所も短所も少なめ。スクルトは職歴特技になったため覚えず、ザキ系もなくなっているが、ベホマやザオラル等はしっかり覚えるので相変わらず1人は経験者が欲しい職。 |
賢者 | 魔法使いと僧侶を極めると転職できる。 MPと賢さが大きく上がり、素早さもちょっとだけ 上がる。HP等が下がるのは仕方ない。 熟練に従って消費MPが下がる能力も健在だが その下がり幅はさらなる上位職の登場で 前作よりはやや小さくなっている。 |
| 踊り子 | 踊りを覚える。 大幅に素早さが上昇する他かっこよさも上がる。かっこよさは魔法使いと同じだが素早さは盗賊より高い。覚える特技も職の特性もほぼ前作の踊り子と同じ。 職歴特技「つるぎのまい」があるため、戦士キャラはまず踊り子をLv5まで経験するというのが 一部でセオリーになっている。 |
スーパースター | 踊り子と吟遊詩人と笑わせ師を極めると転職できる。 かっこよさが大きく上昇するが、それと賢さ以外の全てのステータスが低下すると言う、上級職にしては弱いステータス補正。 加えて前提が3つも必要な上に笑わせ師が含まれていたりと冷遇されているが、ハッスルダンスが引き続き健在なので止む無しか。 敵が見惚れる能力も健在。 |
| 吟遊詩人 | 主に歌を覚える。 賢さとかっこよさが上がるが、この2つとMP以外は全て低下する。歌のほかにインパスやトヘロス等のフィールド用呪文・特技も覚える。 |
海賊 | 船乗りと盗賊を極めると転職できる。 覚える特技としては前作のレンジャー的なものだがバトルマスターと良く似たステータス補正を持ち、何気に前衛としてかなり優秀な職。 熟練してくると便利な全体攻撃特技も覚える。 盗賊の宝を盗む能力も引き継いでいるので便利かつ強力な職業。 |
| 笑わせ師 | ギャグや遊び等、前作の遊び人に近い職。 かっこよさ以外の全てのステータスが大幅に下がり、特技も実戦で役立つのはせいぜい「ひゃくれつなめ」程度。ただしこの職業の上にスーパースターが待っている。 |
魔物ハンター | 盗賊と羊飼いを極めると転職できる。 ステータス補正も微々たる物で、特技も火炎の息と猛毒の霧が最高威力なので戦闘は余り期待出来ないが、モンスターパークの充実のためには欠かす事は出来ない。 |
| 船乗り | 水に関する特技を覚える。 素早さ・身の守り・HPが上がるため、サポート役としてステータス的に優れる。 覚える特技は前作では賢者の特技だった「つなみ」を覚える他、キアリクやバギマ等を覚える。 |
ゴッドハンド | バトルマスターとパラディンを極めると転職できる。 MPが少し下がる以外優秀な補正を持ち、ギガスラッシュを超えるダメージのアルテマソード、ザオリクにベホマラーに岩石落としと何でも揃って いる。ギガスラッシュ自体も覚える。 戦士・武闘家・僧侶のたった3つの基本職から 辿り着けるという手軽さも嬉しい。 |
| 盗賊 | 探索に役に立つ技を覚える。 戦闘に役立つ特技が殆ど無く、素早さ以外の全てのステータスが低下するため職としては弱いが、敵からアイテムを盗む事があるためアイテム収集には欠かせない。 |
天地雷鳴士 | 賢者とスーパースターを極めると転職できる。 賢者の上級職の位置づけだが、マグマや瞑想など前作の賢者が持っていた自然に働きかける特技を抜き出して特化したような位置づけ。 ステータスはより呪文に特化しており、賢者よりも大きい下がり幅の消費MP削減能力があるが、賢者とスーパースターの前提基本職が全く被っていないためにゴッドハンドに比べて転職するまでの道のりが大変険しい。 |
| 羊飼い | 仲間を援護する技を覚える。 力・身の守り・HP・MPが下がるだけとステータス的にはいいところが無い職業だが、その代わり覚える特技には便利なものがとても多い。 フバーハを覚えるまでお世話になるウールガード、最も頻繁にかかる異常なのに僧侶が覚えないキアリー、レベル次第では最強の攻撃技になり得る怒涛の羊。ボス戦のお供であるスクルトも羊飼い絡みの職歴特技。 |
勇者 | 上級職のうちどれか3つを極める、または勇者の心を使うと転職できる。 前作に比べ、前提とする職が限定されないため 基本職が被る上級職を選んでいけば割とすぐ 転職できる。ただし最も楽なパターンである、バトルマスター+パラディン+ゴッドハンドから転職するとアストロンとデイン系と凍てつく波動しか覚える特技が無いというオチに。 力・HP・MPが上昇し低下は無く、何よりHP自動回復と言う卑怯能力は健在なので、職業そのものは非常に優秀。 |
デフォルトで用意されている人間の職業とは別に、モンスターの職業もある。
「スライムの心」「キメラの心」等の「心」を入手し所持している時のみ転職可能。心の入手方法は宝箱やカジノの景品で手に入れる他、そのモンスターを倒した時に極希に拾えることもある。
モンスター職も人間職と同様に「基本職と上級職の関係がある」「前提職を全てマスターするか『心』を所持する事で転職出来る」「ステータス補正があり特技を覚える」「マスターした時に特典がある職がある」と言った特徴を持つ。
ただし前提を持たない基本職は、人間職はデフォルトで全て転職可能な状態だが、モンスター職はそうではないため、心を手に入れないと転職出来ない。
モンスター職だけの特徴として、その職に就いていると元のモンスターと似たような呪文・ブレス攻撃に対する耐性を得られるという点。職業をマスターしていない状態では元のモンスターより弱い耐性しか無いが、マスターすると元のモンスターにより近い耐性にパワーアップする。
また特殊能力やステータス補正とは別に、全てのモンスター職はマスターすると「フィールド上でのキャラクターのグラフィックがそのモンスターのものに変わる」と言うオマケがある。
| 基本職 | 上級職 | |||
| スライム | 呪いのランプ | 腐った死体+ミミック | アンドレアル | サンダーラット+ゲリュオン |
| くさった死体 | ギャオース | エビルタートル+リップス+ダンビラムーチョ | ヘルバトラー | おどる宝石+フライングデビル |
| エビルタートル | ドラゴスライム | スライム+リザードマン | コスモファントム | リップス+いどまじん |
| おどる宝石 | フライングデビル | エビルタートル+はなカワセミ+キメラ | プロトキラー | サンダーラット+ゴーレム |
| はなカワセミ | ゲリュオン | リザードマン+ダンビラムーチョ | ダークビショップ | 死神きぞく+コスモファントム |
| キメラ | 死神きぞく | くさった死体+おどる宝石+ホイミスライム | 魔人ブドゥ | 呪いのランプ+ヘルバトラー |
| ホイミスライム | ゴーレム | ばくだん岩+バーサーカー | ローズバトラー | はなカワセミ+いどまじん |
| ばくだん岩 | いどまじん | ミミック+バーサーカー | ギガミュータント | ギャオース+アンドレアル |
| リザードマン | にじくじゃく | フライングデビル+ローズバトラー | ||
| リップス | デスマシーン | ゴーレム+プロトキラー | ||
| サンダーラット | エビルエスターク | アンドレアル+デスマシーン | ||
| ミミック | プラチナキング | ドラゴスライム+エビルエスターク | ||
| バーサーカー | ||||
| ダンビラムーチョ | ||||
特定の職業を連続して経験すると、その2つの職業の特性を活かした特技を覚える事がある(人間の基本職同士のみ)。
職業レベルが5になった時、「板についてきた」と表示される。
一度レベル5以上(マスター含む)になってから別の職業に移っていた場合、その職業に戻って30回ほど戦闘を重ねると「カンを取り戻してきた」と出る。
職業A+職業Bの職歴特技を覚えたい場合、職業Aで「板についてきた」または「カンを取り戻した」になったら他の職を挟まずに直接職業Bに転職し、同様に「板についてきた」か「カンを取り戻した」になるまで戦闘を重ねると、Bで板につくかカンを取り戻すと同時に職歴特技を覚える。AとBはもちろん逆でも可。
ボリュームがありストーリー全体がとても長い。RPGに慣れていない状態での初プレイだと100時間以上かかってしまうことも。寄り道せずに直行しつづけても14時間を切れるかどうかというボリュームである(2011年10月現在発表または配信された記録で一番早いのがくねお氏(co343270)の13時間44分23秒)。
ストーリーの最初は街外での探索や戦闘でなく、ダンジョンで謎解きをして先に進む事になり、最初の戦闘までは1~2時間程度かかる。また、中盤までは「ふしぎな石版」と言うアイテムを現代・過去から探し集め所定の数だけ集めて簡単なパズルを完成させて次の過去世界へ進む、というプロセスを繰り返すシステムとなっている。
今作からダンジョン・街のマップが3Dになり視点の回転と言う要素が加わったため、デフォルトの視点では見えない場所にある扉や宝箱などに注意する必要がある。
仲間キャラクターであり序盤から重要人物として描かれるキーファが、物語の中盤で別れたきり二度と登場しなくなる(所持品は返却される)。
仲間キャラクターは今回は人間のみ。モンスターは仲間にならず、DQ3以来となる馬車の登場しない作品となった。
最終的な仲間キャラクターは主人公を含めて5人だが、パーティの最大人数は4人であり、終盤は特定の場所にて仲間を入れ替える。DQ3のルイーダの酒場とほぼ同じ形である。
初期ROM(初期出荷のCD-ROM)では従来のドラゴンクエストシリーズに比べてバグ、それもフラグのミスなどゲームの進行に支障をきたす類のバグが多く、発生してしまうと理不尽なゲームストップを強いられる。また、上記の概要通り、読み込み速度の早さの代償にフリーズの頻度が高くなっている。
初期ROM以降の増産分は改善されているため、現在購入する際は中古よりも廉価版再販のアルティメットヒッツ(下の市場にもあるソフト)のほうがリスクが少ない。
プレイステーションの特色といえば、当時としては大容量のCD-ROMを用いたムービーシーンもそのひとつであり、RPGの金字塔ともいえるドラクエ最新作にもムービーが登場し、ストーリーの何箇所かに挿入されている。
オープニングやエンディングにもムービーがあり、その他古代竜が復活するシーンでのムービーは迫力があり臨場感あふれるものとなっている。
今となってはもう昔話でしかないが、本作品はハード選択から発売まで、非常に難航したソフトでもあった。ハードがNINTENDO64かプレイステーションかで、まず数多くの怪情報や噂が乱れ飛び、結局はプレイステーションの方に決まったあとも、発売予定日がたびたび変更になった。ちなみに、プレイステーションに決まった理由は「売れてるハードで出す」からだとか。単純明快である。
発売予定日がずれ込むのは前作のドラゴンクエストVIでもあったことだが、本作品ではそれに輪をかけて、なんと当初の予定から1年半経ってのやっとの発売であった。あまりに予定が決まらないのに業を煮やしたのか、当時のSCEは年始のCMで「今年こそドラクエがでますよ~に」という願掛けまでする始末であった。
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最終更新:2025/12/07(日) 00:00
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