白鳥(列車) 単語


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ハクチョウ

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白鳥とは、国鉄・JR東日本・JR西日本で運行していた列車名、及びJR北海道・JR東日本が運行している列車名である。

概要

白鳥の列車名が最初に登場するのは青森県のローカル準急である。

盛岡・鮫~青森~弘前~大鰐間の準急八甲田に続く八戸線の優等列車として鮫~青森~秋田間に設定されていた。ただし準急八甲田は八戸線内は普通列車として運行されていたので、八戸線内も準急運転する列車となると準急白鳥が初であった。車両はキハ55系を使用していた。

列車番号は鮫駅から秋田駅へ向かう列車が全区間で606、秋田駅から鮫駅へ向かう列車が全区間で605だったので、尻内駅(後の八戸駅)と青森駅の間では他の列車と奇数偶数が逆転していた。例えば、当時東北本線唯一の特急列車だったはつかりは上野駅から尻内駅を経由して青森駅へ向かう列車が1、その逆が2であった。

しかし白鳥の名称は、後述の大阪~青森間の長距離特急または津軽海峡線特急のイメージが強いであろう。という訳で後述の特急白鳥白鳥の列車名を譲る事となったので準急白鳥は準急岩木に名称変更されている。

日本海縦貫特急白鳥

1961年のサンロクトオのダイヤ改正で大阪~青森・上野間に設定された特急白鳥はキハ80系6+6の12両で運行され、途中の直江津駅で青森編成と上野編成が切り離されていた。両方の編成に食堂車の設備があり、大阪~直江津間は食堂車が2両も連結される豪華な編成となっていた。ちなみに食堂車2両は上野~福島~秋田・盛岡間つばさや京都~小倉~長崎・宮崎間かもめ等でも行われていた。

大阪~青森間はおよそ15時間45分程で結ばれ、従来の夜行急行日本海に比べ約7時間半も短縮することになる。青森駅では上野駅からの東北本線特急はつかりと共に、青函連絡船の先では同じくサンロクトオで設定された北海道初の特急おおぞらと接続するダイヤが組まれていた。大阪~上野間は12時間半程で結ばれたが、関西~東京間は東海道本線特急つばめはとこだまひびき富士や東海道本線急行・準急の方が速いので、大阪~北陸と北陸~東京の特急としての意味合いの方が強く、大阪~青森間の編成増強もあって1965年には金沢~上野間の特急はくたかとして分離される事となる。

設定当初は停車駅を巡って色々とあった。加賀市内の停車駅が中心部で山中温泉の玄関口の大聖寺駅と片山津温泉・山代温泉の玄関口の動橋駅で争奪戦となり、結果上下で停車駅が違う事となる。ちなみに1964年に大阪駅発着北陸本線第二の特急である雷鳥が設定された際に、特急雷鳥は大聖寺駅停車・特急白鳥は動橋駅停車に統一されている。また同ダイヤ改正で設定された特急しらさぎは大聖寺駅・動橋駅の両方に停車していた。更に1970年に加賀市内の特急停車駅は、大聖寺駅と動橋駅の中間に存在する作見駅を加賀温泉駅に改称し全列車が加賀温泉駅に停車する事で対処している。

直江津駅の大阪寄りにある能生町の能生駅では、当時北陸本線は単線であり行き違いが必要であった為に能生駅で運転停車する事となったが、何故か一部の時刻表には能生駅停車と書かれており町民が下車客を歓迎しようとして扉が開かず発車する特急白鳥を見送るという俗に言う能生騒動もあった。尚、現在こそ新津駅は新潟市であるが当時は新津駅は新津市に所属していたので、人口30万強で日本海側一の都市である新潟市を経由しないなどもあった。

また、設定当初は特急同士の接続が考慮されていた事も特筆に値する。秋田駅で奥羽本線特急のつばさと接続しており、特に上りは青森発大阪行2002D白鳥と秋田発上野行6Dつばさのキハ80系が秋田駅を8時10分に同時発車するという光景も見られた。これからつばさの名称の由来は「白鳥の翼」という説もある。

6+6両の気動車で運行開始してから1965年のはくたか分離後には大阪~新潟間14両・新潟~青森間10両にまでに編成増されている。1972年には485系を使用して電車化されたり、1975年には前年の湖西線開業で運行区間が僅かに短縮されたり、1982年から1985年の一時期には福井駅発着の列車が設定され2往復になったりしたが、設定から40年弱のほどんどは大阪~青森間の1往復特急であった。しかし航空機や新幹線の発達により最早在来線長距離特急は不要の物となっていて、2000年代に入るとついに日本一の在来線長距離特急白鳥は運行区間を三分割する事により廃止されてしまった。

ちなみに新潟~酒田・秋田間が主な運行区間である特急いなほに東北新幹線新青森開業まで1往復だけ新潟~青森間の運転があったのは白鳥分離の影響であり、この列車が存在していた期間はいなほが昼行在来線特急の最長運行距離を所持していた。尚、青森駅発着いなほ廃止後に昼行在来線特急最長運行距離は大阪~長野間のしなのである。

海峡線特急白鳥

2002年に東北新幹線念願の青森県乗り入れに伴い、従来盛岡~青森・函館間を運行していたはつかりスーパーはつかりは廃止される事となり、新しく新幹線接続特急として八戸・青森~函館間の特急列車として白鳥の名称は復活する事となった。青森~函館間を運行していた快速海峡の分も吸収して津軽海峡線を通る昼行特急列車は一挙に3往復から9往復に大増発され、津軽海峡線を通る唯一の昼行列車となった。これから青函トンネルの前後にある蟹田~木古内間では快速含む普通列車が無くなったので、この区間のみ乗車する場合には特急券が不要になる特例が設けられている。

JR北海道の789系が使用される列車はスーパー白鳥・JR東日本の485系が使用される車両は白鳥を名乗っている。東北新幹線新青森開業までのダイヤで上下の本数が違っていたのは、間合いで八戸~青森間の特急つがるに使用されていたからである。

2010年の東北新幹線新青森開業で白鳥スーパー白鳥の名称は、合計の本数は10往復のまま運行区間が新青森~青森~函館間の特急となり、同時に新青森~青森間の1駅のみ特急列車自由席利用の場合は特急券不要の特例も設けられている。これに伴い青森駅発着の白鳥スーパー白鳥は臨時列車を除き消滅している。また、同ダイヤ改正で蟹田駅が全昼行特急停車駅に昇格している(木古内駅は2008年のダイヤ改正で全昼行特急停車駅となっている)。ちなみに、この運行区間は青函トンネル開業当初に運行されていた快速海峡とほとんど大差が無い。

なお、2006年から吉岡海底駅が通過となっているほか、2013年からは竜飛海底駅が通過となり、2014年には竜飛海底駅・吉岡海底駅・知内駅が営業終了する予定となっている。

資料集

日本海縦貫特急白鳥廃止直前

列車種別
特別急行
運行会社
西日本旅客鉄道(JR西日本)
東日本旅客鉄道(JR東日本)
運行区間
大阪駅~新潟駅~青森駅(新潟駅で方向転換・1059.7km)
経由線区
東海道本線(大阪~山科間)
湖西線(山科~近江塩津間)
北陸本線(近江塩津~直江津間)
信越本線(直江津~新潟間)
白新線(新潟~新発田間)
羽越本線(新発田~秋田間)
奥羽本線(秋田~青森間)
使用車両
485系9両編成
発車時刻
大阪駅10:12
青森駅6:11
所要時間
12時間47分~12時間55分
列車番号
下り5001M(大阪~新潟間)・5011M(新潟~青森間)
上り5012M(青森~新潟間)・5002M(新潟~大阪間)
最終運転日
2001年3月2日

停車駅

▲は大阪行のみ停車、■は青森・上野行のみ停車。参考として下段に運行開始時の大阪~青森間の停車駅も記載。

JR西日本区間
駅名



















































2001年
1961年
JR東日本区間
駅名






















































2001年
1961年

海峡線特急白鳥

列車種別
特別急行
運行会社
東日本旅客鉄道(JR東日本・白鳥)
北海道旅客鉄道(JR北海道・スーパー白鳥)
運行区間
新青森駅~青森駅~函館駅(青森駅で方向転換・164.7km)
経由線区
奥羽本線(新青森~青森間)
津軽線(青森~新中小国信号場間)
海峡線(新中小国信号場~木古内間)
江差線(木古内~五稜郭間)
函館本線(五稜郭~函館間)
使用車両
485系6両編成(白鳥)
789系6両編成(スーパー白鳥)
785系300番台(多客期におけるスーパー白鳥の増結用)
所要時間
2時間2分~2時間25分
列車番号
4000M+号数(11号なら4011M・98号なら4098M)

停車駅

凡例:●は全列車が停車、▲は一部停車、=は未経由、空白は通過。

駅名 八戸駅 三沢駅 野辺地駅 浅虫温泉駅




























白鳥・S白鳥 2010年12月4日
2008年3月15日
2006年3月18日
2002年12月1日

列車名の由来

渡り鳥の白鳥から。

年表

準急白鳥

1960年12月 八戸線鮫~青森~秋田間を準急白鳥が設定される。
停車駅は鮫 - 八戸(後の本八戸) - 尻内(後の八戸) - 三沢 - 上北町 - 野辺地 - 浅虫 - 青森 - 浪岡 - 川部 - 弘前 - 大鰐(後の大鰐温泉) - 大館 - 鷹ノ巣 - 二ツ井(鮫行のみ) - 東能代 - 一日市(後の八郎潟) - 追分 - 土崎 - 秋田

1961年9月 日本海縦貫特急の名称が白鳥に決定していた事から準急岩木に名称変更となる。

日本海縦貫特急白鳥

1961年10月 大阪~青森・上野間に特急白鳥が設定される。
停車駅は大阪 - 京都 - 米原 - 敦賀 - 福井 - 大聖寺(上野・青森行のみ) - 動橋(大阪行のみ) - 金沢 - 高岡 - 富山 - 直江津 - 長岡 - 新津 - 鶴岡 - 酒田 - 秋田 - 大館 - 弘前 - 青森と直江津 - 長野 - 軽井沢 - 横川 - 高崎 - 上野

1965年10月 金沢~上野間の列車を特急はくたかとして分離した事から特急白鳥は大阪~青森間を単独運転する特急となる。また同時に新潟駅経由になる。

1975年3月 湖西線経由となる。

1982年11月 金沢~青森間の急行しらゆきを福井~青森間の特急白鳥に格上げし白鳥は2往復になる。

1985年3月 福井~青森間の特急を北越いなほに分離。白鳥は再び大阪~青森間の1往復になる。

2001年3月 大阪~富山間は雷鳥・金沢~新潟間は北越・新潟~青森間はいなほに分離され白鳥は一旦廃止される。

海峡線特急白鳥

2002年10月 東北新幹線八戸開業のダイヤ改正で特急白鳥は八戸~函館間4.5往復・青森→函館間1本の計5往復・スーパー白鳥は八戸~函館間4往復の計9往復設定される。
停車駅は八戸(8.5/8.5) - 三沢(7.5/8.5) - 野辺地(7.5/8.5) - 浅虫温泉(4.5/8.5) - 青森(9/9) - 蟹田(6.5/9) - 津軽今別(2/9) - 竜飛海底(2/9) - 吉岡海底(3.5/9) - 知内(2/9) - 木古内(7.5/9) - 五稜郭(3/9) - 函館(9/9)

2006年3月 大阪~函館間を運行していた寝台特急日本海の青森~函館間分離に伴い、白鳥は八戸→函館間2本・青森→函館間2本・函館→八戸間4本の計4往復・スーパー白鳥は八戸~函館間5.5往復・函館→青森間1本の計6往復の合計10往復に増発。

2010年12月 東北新幹線新青森開業のダイヤ改正で新青森~青森~函館間に特急白鳥2往復・スーパー白鳥8往復の計10往復に運行区間変更。
停車駅は新青森(10/10) - 青森(10/10) - 蟹田(10/10) - 津軽今別(2/10) - 知内(2/10) - 木古内(10/10) - 五稜郭(4/10) - 函館(10/10)

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関連リンク

関連項目

  • 鉄道列車名一覧
  • 北陸本線・奥羽本線・津軽海峡線
  • キハ55系・キハ80系・485系・789系
  • 日本国有鉄道・JR北海道・JR東日本・JR西日本
  • はつかり(列車) - 東北新幹線接続列車の前身
  • 海峡(列車) - 海峡線列車の前身

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