六代目三遊亭圓楽(さんゆうてい・えんらく)(1950年2月8日 - 2022年9月30日)とは、落語家である。表記として「三遊亭円楽」を用いる事が多い。
元代々木アニメーション学院学院長。
概要
1950年2月8日、東京・両国生まれ。青山学院大学法学部に通う傍らアルバイトで5代目三遊亭圓楽の鞄持ちをしていたところ、弟子にならないかと誘われて弟子になる。実は弟子にすればバイト代を払わなくていいからと誰かに吹き込まれたからだったとも。なお青山学院大はちゃんと卒業して別の大学で博士号まで取っているためインテリとして扱われることも多い。
前名は「三遊亭楽太郎」で、2010年3月1日に師匠である 5代目圓楽 が名乗っていた名跡「圓楽」を襲名している。落語界では珍しく先代が生前に次代の襲名者を指名したのだが、 5代目圓楽 が襲名前に死去してしまったため同時に同名を名乗ることはなかった。なお、出演している「笑点」では楽太郎時代からの呼び名でもある「楽さん」と呼ばれる事も多い。本名は「會 泰通」(あい やすみち)。一時期、代々木アニメーション学院の学院長を務め、自らCM出演もしていた。
1977年より出演していた笑点でのカラーは■で、隣に座っている春風亭昇太・林家たい平とは「ブラック団」を半ば強引に結成していた。また、回答の際には笑点メンバーをネタにする事が多い(お馴染みとなっている桂歌丸関連のネタ、たい平の錦江湾・恐妻ネタ、昇太の未婚ネタなど)。しかし、他メンバーから「友達がいない」「腹黒」とネタにされる事も多かった。
また、アナウンサー大喜利では三遊亭小遊三と共に司会を担当していた。
晩年はクイズ番組などへの出演も増えている他、落語イベントのプロデュースも行なっていた。また、弟子でもある伊集院光とも多く共演していた。
桂歌丸との関係
笑点においては毎週死亡ネタ・ハゲネタなどで罵倒しまくっている6代目圓楽と歌丸であるが、笑点を離れれば6代目圓楽は歌丸に稽古をつけてもらったり、二人会を行い、国内外で共演をするなど関係は非常に良好であった。それを示すエピソードとして笑点の駆け出しの頃、楽太郎時代にネタに悩んでいた時に「俺の事でいいから」と歌丸が言った事がある。また、6代目圓楽襲名披露の際に「自分には3人の父親がおり、1人目は実父、2人目は5代目圓楽、3人目に桂歌丸」と言ったように桂歌丸に対する深い尊敬の念を持っている事が伺える。
また、襲名披露の際に定席興行を行ったのだが、6代目圓楽が所属する円楽一門会は大師匠に当たる6代目三遊亭圓生の起こした落語協会分裂騒動以降、定席での興行が出来ない、言わば「干された」ような状況であった。その中で定席興行を実現させたのは後見人も務めた桂歌丸の存在なしには語れない事である。なお、この定席興行は実に32年ぶりの事であり、それ程までに根深い遺恨があったという見方も出来る。
他にも実現はしなかったが、円楽一門会が落語芸術協会との合流に三遊亭小遊三と共に賛成派に立っていた。(この辺りの6代目圓楽(と円楽一門会)の立場が垣間見えるエピソードが笑点のあいさつに存在しており、その中で圓楽は普段の調子はなりを潜め、恭しく、そして低姿勢で普段は罵倒している面々へお願いをしていた。)。後に円楽一門会では6代目圓楽のみ客員として落語芸術協会への加入が認められ、定席への出演ができるようになった。
2018年7月に歌丸が逝去した際、圓楽は仕事で地方に赴いており、父とまで呼び慕う歌丸の死に目に会うことは叶わなかった。訃報に際して発した
「...本当の父親、育ての親の先代。守ってくれた最後の父親との別れです。楽さんと呼んで側に置いて下さってありがとうございました。
頼る人が居なくなりました… 合掌」
また、2018年7月8日放送の笑点にて行われた歌丸追悼大喜利では、
円楽「歌丸師匠。一緒に回答者だった頃、そして、司会になられても私の悪口を優しく受け止めてくれて、罵詈雑言にも耐えて頂いてありがとうございました。」
昇太「ありがとうございました。」
円楽「最後に一言言わせて下さい!ジジィ!早すぎるんだよ!!」
と、高座の上から弔辞を送り、涙を浮かべながらお師さんとの別れを偲んだ。
天国の高座へ
晩年は病がちとなり、2018年に肺がん、2019年に脳腫瘍が見つかり、2020年には肺がんが再発。それでも「死ぬまでやります」と宣言し、精力的に高座に上がった。2022年1月に脳梗塞となるがリハビリに励み8月11日には高座へ復帰。しかし軽い肺炎にかかり入院、肺炎は治ったが肺がんが悪化し、2022年9月30日、家族の見守る中で天国の高座へ旅立った。享年72歳。
笑点メンバーでもある兄弟子の三遊亭好楽師匠は「なんで俺より先に」とコメントを残している。
道号が本名の「泰通」、戒名の「圓生」は本人が襲名したかった止め名から。位号の「上座」は本人が曹洞宗で在家得度していたため、僧侶としての位になっている。
関連動画
関連項目
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