航空業界の厄年とは、航空機に関わる業界にとって不幸な事態が立て続けに発生した年のことである。
概要
特に重大な航空事故が多々発生し、航空機に対する安全性に強い疑問が持たれるようになった年を指す。
日本では1966年(昭和41年)、世界的に見ると1985年(昭和60年)を指すことが多い。1985年の世界での航空事故死者数は、例年と比較しても大きく飛び抜けている。
これ以外にも、航空事故・事件で多くの犠牲者が出た年があると「厄年」と呼ばれることがある。アメリカ同時多発テロ事件(9.11)が発生した2001年(平成13年)などが該当する。
1966年 日本の航空事故
1年に5回の重大事故が日本国内で発生し、うち2件は2日連続で発生している。また3件は羽田空港近辺で発生した。
- 2月4日 全日本空輸60便墜落事故 死者133人 発生当時は世界最悪の航空事故となった。
- 3月4日 カナダ太平洋航空402便着陸失敗事故 死者64人
- 3月5日 英国海外航空911便空中分解事故 死者124人 2日連続で海外航空会社の重大事故が発生した。
- 8月26日 日本航空訓練機墜落事故 死者5人
- 11月13日 全日本空輸533便墜落事故 死者50人 この年、全日空二度目の重大事故である。
1985年 世界の航空事故
世界最悪の単独機事故である日本航空123便墜落事故(8月12日)を始め、テロやハイジャックを含み、世界で多数の航空事故・事件が発生した。
この年発生した重大事故・事件のうち、3件は航空事故死者数のワースト20に入っており、また8月には一ヶ月で3件も死者が出る重大事故が発生している。航空機による死者数は1年で約1900人にも及んだ。
- 1月1日 イースタン航空980便墜落事故(ボリビア) 死者29人
- 1月21日 ギャラクシー航空203便墜落事故(アメリカ) 死者70人
- 2月19日 イベリア航空610便墜落事故(スペイン) 死者148人
- 5月3日 アエロフロート・空軍輸送機空中衝突事故(ソ連) 死者94人
- 6月23日 インド航空182便爆破事件(北大西洋) 死者329人 9.11以外の航空テロ事件では最悪の犠牲者数である。
- 7月10日 アエロフロート7425便墜落事故(ソ連) 死者200人
- 8月2日 デルタ航空191便墜落事故(アメリカ) 死者135人
- 8月12日 日本航空123便墜落事故(日本) 死者520人 単独機事故としては2023年現在、最悪のものである。
- 8月22日 ブリティッシュエアツアーズ28M便火災事故(イギリス) 死者55人
- 11月23日 エジプト航空648便ハイジャック事件(ギリシア・マルタ) 死者58人
- 12月12日 アロー航空1285便墜落事故(カナダ) 死者256人
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関連項目
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