One beautiful day in the middle of the night,
Two dead boys got up to fight.
Back to back they faced each other,
Drew their swords and shot each other.
A deaf policeman heard the noise,
Then came and shot those two dead boys.
Now, if you don't believe this lie is true,
Go ask the blind man -- he saw it too.
SCP-4087 - SCP Foundationより,2022/12/09閲覧
SCP-4087とは、シェアード・ワールド『SCP Foundation』に登場するオブジェクト(SCiP)である。
概要
SCP-4087 | |
基本情報 | |
---|---|
OC | Euclid |
収容場所 | 地層処分場 (後のSCP-2419 ユニットA) |
著者 | The Great Hippo |
作成日 | 2019年4月1日 |
タグ | 武器 |
リンク | SCP-4087 |
SCPテンプレート |
SCP-4087はアンティークのばね仕掛け押しボタン式飛び出しナイフ一組の総称であり、ガヴリロ・マニアーゴなるイタリア人のナイフ職人が生前に6本制作した。
財団は1973年に、解析部門が作成した数学モデルが、過去50年における100件以上の殺人事件とこれらのナイフを結びつけたときにこのナイフ群に気付いた。いずれのケースも、法執行機関はこれらのナイフのうちどれか1本を凶器として認定していた。そしてそのあと必ず紛失されるか、返却されるか、あるいは競売にかけられていた。
1975年に、6本全てのナイフは財団に回収された。そして、その後200件もの殺人事件で同一のナイフが凶器として用いられたと特定されている。しかしそれらの殺人事件を調査しても、あらゆる反証にもかかわらず、実際には凶器は存在していないと財団は断定している。
そして財団はSCP-4087群について、以下の事実を確認した――これらのナイフは、観測可能な異常を示しておらず、顕著な摩耗や使用の痕跡を欠いている、ということである。
解説
SCP-4087に関しての概要は上述のとおりである。――いや、短くない?と思われた方も多かろう。しかし、記事は正真正銘、たったこれだけなのだ。つまり、多くの殺人事件で凶器であると結び付けられ、にもかかわらず実際には凶器でもなんでもない、制作年代こそ古いが一切未使用の新品ピカピカのナイフ。このようなナイフでありながら一切の異常さえ示していない。そして凶器が存在しないのに同一のナイフが凶器として特定された200件の殺人事件。これはいったいなんなのか?
実はこの記事、短く書くこともあってか、かなりハイコンテクストな記事になっていたりする。
まずSCP-4087とされている6本のナイフは、すべて使用痕を欠いているのに、凶器ということになっている。このことから、「実際にそうではないのにそういうことにされてしまう」ナイフというのが異常性と考えられよう。そうすると、似たような特性を有するナイフが思い至る。そう、SCP-4955 - 『ガス燈を通してのみ見えるナイフ』である。SCP-4955は最終的に持った人に殺人衝動をもたらすが、それ以外の人にはその存在がジョークにしか捉えられなくなる異常性を有する。そして、実際にその所持者が実行していなくても、「俺がやりました」というだけで起きた事件そのものが冗談の類になってしまう。つまり、SCP-4087もまたそれに近い、「実際に使われていないがそれが凶器ということになってしまう」オブジェクトなのだ。最終的に、SCP-4955こそが完成形なのだろう。SCP-4955もまた、本来は使われることもなく、にもかかわらず凶器として認識され、かつそう認識した瞬間に冗談へとすり替わるSCP-4087の上位互換的性能であった。それゆえに、6本の回収されたナイフと異なり、1本だけ回収するどころか認識もできていない。財団はこのナイフを回収しようと捜査を試みている。
――というのがこの報告書から読み取れるうえ、SCP-4087の作者・The Great Hippo氏がDiscussionにて提示したヒントにも合致するのだが、この考察には一つ穴がある。それは、「SCP-4955が凶器として認定された時点でその200件の殺人事件は冗談へとすり替わるのだから、そもそも捜査されなくなるんじゃないの」という点である。
SCP-4955の異常性には見逃されている点があるのか、SCP-4955が使用されたときにSCP-4087のどれかひとつをスケープゴートにしてしまうのか (この場合、財団がスケープゴートのための6本をすべて回収してしまったためにスケープゴートにできるナイフがなく、虚無をスケープゴートにしていると主張できる) 、SCP-4955の作者であるDolphinSlugchugger氏とThe Great Hippo氏ではSCP-4955のヘッドカノンがそもそも異なっているのかは不明である。
余談だが、仮にSCP-4087の「さらなる実例」が回収された場合、財団はそれをコンクリートで固めて処分場に移送する、というのがプロトコルに制定されている。記載はないがおそらくいままでの6本もそうなっているのだろう。完全に使えなくすればそれが凶器ということになりえないというのが財団の見込みであるようだが、上記のスケープゴート説だった場合読み違えになってしまう。はたして。
なお冒頭の英詩はYouTubeにアップロードされた『A spooky Halloween Poem: "One Dark Night, In the Middle of the Day..."』というものを、The Great Hippo氏が改変したものである。この詩は矛盾だらけである。訳出すると、以下の通りとなる。
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