WOLF RPGエディター(通称ウディタ)とは、SmokingWOLF氏によって制作されたフリーのゲーム作成ツールである。
概要
「わあ、RPGがカンタンに作れるんだね!」と目をキラキラさせながら寄ってきたゲーム制作初心者さんの夢を片っ端から打ち砕く暗黒のツールです。(作者談)
もしRPG製作が初めてで、「ゲーム作りを楽しむところから入りたい!」という方には、 エンターブレイン社製のRPG製作ツール「RPGツクール」シリーズが非常におすすめです。
このWOLF RPGエディターは、 「戦闘システムなどの、『ゲームの根幹部分』の自作にこだわりたい人」 を主な対象としたツールです。組み方次第で、RPGに限らず、アクション、STG、SRPGなど なんでも作れるため、「プログラムやスクリプトによるRPG作成に挫折した人」、 「既存の製作ツールでは物足りないという人」に特におすすめ。
しかしその反面、「まったく初めてゲーム製作をする人」には、日常触れることのない 「変数」などの「ゲームを動作させている根本的な要素」を理解しなければならなかったり、 汎用性を得るために犠牲となった「視覚的なインターフェースの少なさ」などにより、 当人にとって多大な苦しさを乗り越える覚悟が必要となる。
また、「RPGツクール」のRTP(ランタイムパッケージ)のような多くの素材が付いてくることが無い為、同封されている素材や「グラフィック合成器」を使用するか自力で探すか作るしかない。
(注意:エンターブレイン社製のRPG製作ツール「RPGツクール」シリーズのRTP(ランタイムパッケージ)は、RTPの利用規約上「RPGツクール」で作成されたゲームをプレイする、もしくは「RPGツクール」を使ってゲームを作成する以外での使用が禁じられている為、WOLF RPGエディターでは使用することができない。また、RTPを改変したものも使用できない。素材を探す際には注意が必要である。)
RPGエディターと銘打たれているが、機能の汎用性の高さから、RPG以外のジャンルの作品も多く制作されており、作者であるSmokingWOLF氏自身のゲーム開発もWOLF RPGエディターを用いてあらゆるゲームを作成している。(モノリスフィア以降)
また、公式サイト主催でWOLF RPGエディターコンテスト略してウディコンが毎年夏に開かれている。
2022年に、約11年ぶりの大型アップデートとなるVer3が公開されている。
仕様
動作エンジン
ウディタ自体はゲーム動作部分はC++とDXライブラリの組み合わせで作られている。そのため、見た目は2Dであるが内部的には3Dで描画処理を行っているため比較的速い描画が実現されている。
変数とデータベース
変数はマップ上のイベントオブジェクトはセルフ変数0~9(全て整数値)、コモンイベントは0~99(0~4、10~99が整数、5~9のみ文字列)という構成になっている。RGSSと異なり宣言する必要はないが、増やすこともできない。
データベースは「ユーザーデータベース」「可変データベース」「システムデータベース」の3種類がある。
ユーザーデータベースはゲーム内で値の変更を行うことができず、主にアイテムやモンスターなどの固有のデータを設定する目的で使用される。可変データベースはゲーム内で値の操作が可能なので、主に成長によって変化するキャラクターのステータスや所持金、パーティの構成などのデータを保持する目的で使用される。
システムデータベースはウディタ自体のシステムに関係する値が記録されており、通常変数や予備変数といったグローバル変数に相当するものやキャラクターの座標や現在時刻などといったシステム変数がある。通常変数や予備変数はどのマップ上のイベントやコモンイベントからでも呼び出せるため、グローバル変数に相当するものである。
なお、ウディタでは変数やデータベースの値に実数値を入れることができないため、実数のように扱うためには工夫をする必要がある。
コモンイベント
マップの描画、キャラクターの移動処理部分以外は全て「コモンイベント」と呼ばれる機能で実装されている。変数の操作から画像の表示などの機能は全てイベントコマンドの入力によって行われるため、プログラミング言語を知らない人でも処理を作っていくことが可能である。あくまで処理を作る行為そのものの敷居がないだけで、戦闘やメニューといった一連のシステムを構築していくためにはプログラミング的な思考が必要である。これが先述の「多大な苦しさ」の主たる部分となっているのだが、あらかじめサンプルゲームではメニューから戦闘に至るまでRPGの一般的なシステムは完成されているので、それを改造するところから始めるとよい。
通信機能
バージョン2.10よりダウンロード機能が実装されたため、オンライン要素も可能である(追加データの配信など)。現状ではHTTPダウンロードのみの対応であり、セキュリティや堅牢性を考慮した一般的なゲーム作品のような通信をするには少々厳しい(アップロードはできないがCGIやPHPを利用すれば引数の形で送信することは可能)。
関連動画
紹介
講座
関連コミュニティ
関連項目
関連リンク
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