急行=急いで行かないとは、通過駅が少ない、あるいはほぼ各駅停車の急行の事である。
概要
特急=特に急がないと被る部分もあるが、こちらは急行版である。
今回は代表的な例を取り上げてみたいと思う
本来急行とは
という形である。しかし中には快速より遅かったり、各駅停車区間が多く前の普通を追い抜かない「隔駅停車」な急行も居る。
キハ181系臨時急行リゾート白馬アルプス
という成り立ちであった。
ところが民営化以降京阪神地区を中心に新型車両の導入やダイヤ見直しにより快速列車等の速達化が進み、その結果、割を食った列車が居た。
特急「はまかぜ」でも新快速に追いつかれる寸前ギリギリの運転をしていたのに急行となるとどうなるか・・・?
姫路を19:51に出発後、加古川20:04発、そして大久保で運転停車、新快速に追い抜かれ20:23に出発する。西明石、明石と停車し神戸に20:47着だが、ここで普通電車高槻行きと快速・新快速に抜かれる。(なお普通電車には高槻まで追いつかない。)
神戸を20:58発、三ノ宮を21:02発、大阪に21:24着
(この区間は私鉄より速いし、新快速に2回抜かれるものの現在のウエストエクスプレス銀河などから臨時列車なら仕方ない感のあるダイヤではある。)
そしてここで新快速を退避して大阪21:34発、新大阪に21:39着、快速・普通・スーパーはくとを退避し、21:48発、なんと各駅停車の走る内側線へ転線、ついでに各停を先行させて後ろを追いかけている点も興味深い。
(高槻から先で転線なら15分間隔の時間帯多いからもう少しマトモな走りできそうだが・・・ちなみに新大阪の退避メンバーは交差支障しない為退避させる必要が無いそうだ。ちなみに普通と快速以外で京都~西明石間の内側線を走る列車は線路点検時の貨物を除いて過去にはタンゴエクスプローラーが吹田の引上線で折り返す為に使っていた他、団体臨時等で内側線を走るケースがある。)
普通電車につっかえる中横をもう一度新快速が追い抜き、高槻22:08着、直ぐに出発、相変わらず普通に頭を抑えられていたらまた新快速に抜かれた模様、京都に22:31着、現0番線に到着
(新大阪での退避はこの番線に入る時間調整の為に行ったらしい。)
大阪~京都間の所要時間は57分、これは寝台特急WEST EXPRESS 銀河の53分より長い(こっちもこっちで京都~向日町間以外外側線を走ってこの所要時間なので何とも言えないが、そしてこちらは移動を楽しむ列車に対し「リゾート白馬アルプス」は単なる移動手段の列車である)、そして現在の京阪特急の淀屋橋~七条間48分より遅いのである。(何なら京阪快急の53分より遅い)この急行の表定速度は45キロである。(2001年はさらに酷く、1時間6分も掛かっている。表定速度は39キロ)ここで快速(高槻から各駅停車)を退避、京都発は22:41発である。その後、大津・草津と停車していき野洲に23:12着、運転停車である。ここで最後の新快速退避を行う。この新快速は21:22姫路発で、臨時急行の1時間半後、この列車が大阪駅に停車している時に出発した列車である。つまり姫路で乗り遅れても1時間半以内ならリカバリ出来るダイヤだったのである。(最後に抜かす新快速は野洲で乗り換えできないので米原乗り換えになるが・・・)(ちなみに大阪~姫路間の新快速の所要時間は大体60分程度)その後急行銀河に抜かされ野洲23:25発である。米原は23:56着
その結果・・・
と、15本に抜かれるトンデモ列車であった。(貨物入れたらもっとあるらしい。)
私鉄の場合・・・
阪急宝塚線急行
私鉄だと日中以降を中心に運転される阪急宝塚線の急行の場合、6駅通過があるのではあるが、あるのか無いのか分からない中津駅を通過し十三駅に停車後、十三駅から豊中駅まで一気に飛ばしたあと豊中~宝塚間は各駅停車である。ついでに言うと10分間隔の癖に先行する各駅停車を追い抜かない(その為急行発車直後に各停が続行で出発、豊中では背後に後続の急行が迫る状態で雲雀ケ丘花屋敷まで走る。)
他の阪急神戸線・京都線では(急行ではなく特急だが)ちゃんと先行する各停を追い抜くので急いで行かない感が増している。ちなみに上位種別の列車が運転していて途中で抜かれるというわけでもない。
なんでこんな運転なのかと言うと、混雑緩和と遠近分離の意味合いが大きいからではないかと思われる。ついでに梅田と宝塚を通しで乗る人が少なく、梅田~清荒神までの中間主要駅利用者の方が多い事が理由として挙げられよう。ついでに豊中駅以北は蛍池(大阪モノレール)・石橋阪大前(箕面線)・川西能勢口(能勢電鉄)と連続で乗換駅が連続し、川西能勢口以北はJR宝塚線と並走し、JRと比較し線形が悪いので各駅の需要を拾っていくしかない為である。
一時期JR東西線開通時に対抗して豊中以北でも特急を設定したが、大して飛ばせない割に特急停車駅で普通と連絡出来る駅が無い為、通過駅利用者からの不満が大きく元に戻した経緯がある。現在設定されている急行より上位種別の日生エクスプレスは豊中・蛍池を飛ばすが、この列車は日生中央からの能勢電鉄の旅客を川西能勢口でJRに流出させない為に設定されている列車で、宝塚線内の輸送はそこまで重要視していない。ついでにこの列車は川西能勢口からスイッチバックして能勢電鉄に入り、宝塚には向かわない。梅田・十三から宝塚へは、宝塚線急行に乗るのと、神戸線特急+今津北線各駅停車に乗った時間と同じレベルで、列車本数が多く速度が低下する朝ラッシュ時は救済の為に今津北線宝塚駅から西宮北口駅の近くを掠めて神戸線を通り大阪梅田へ向かう準急が設定されている。(逆は設定されない。)
他に阪急京都線で急行を名乗らせたくないので停車駅増加時に快速に改名したものの、結局急行に名前を戻した急行も居るが、大阪梅田~高槻市&桂~京都河原町は準急、高槻市~桂は特急の停車駅なので、通過駅の数的にはこちらは十分に急いでいると言えよう。
京阪本線区間急行
急行では区間急行ではあるが京阪電鉄でも急いで行かないが設定されている。この列車自体は6駅通過で守口市から先樟葉まで各駅停車であるが、準急や特急等がその区間の速達輸送をカバーしており、こちらは問題ない。(Panasonicへの輸送や大阪モノレールとの接続を考慮した種別と言えよう。あと守口市~京橋の通勤輸送を谷町線に丸投げすると言う意味合いもある。)
この列車で問題になるのが朝ラッシュ時に運転される列車だ、基本的に守口市~京橋間では準急や特急の走る、森小路以外ホームのない内側線を走るのだが、列車が一番多く走る7時台後半~8時にかけて、線路容量の都合で、各駅停車の走る外線を走る区間急行が2本設定されている。複々線のホームのある側を通過する列車は回送を除くとこの区間急行だけである。当然各駅停車を追い抜かず、内側線の区間急行が110キロまで出すのに対し、外側線を走るこれらは30~40キロ程度。所要時間も内側線の列車が守口市~京橋間5分程度に対し、外側線を走る区間急行は8分程度である。(以前は10分位かかっていたそうな)
これも速達輸送と言うよりかは遠近分離の意味合いが大きい。2000年代には天満橋行きで4本設定されていたが(スピードも30キロ前後だった模様)、時代が下るとともに京阪本線全体の利用者の減少で本数が減っていき、2021年1月のダイヤ改正で1本だけになったが、同年9月の減量ダイヤ改正で(各駅停車を犠牲に)2本の設定に返り咲いた。この際に各駅停車の間隔が広がったので少しスピードアップした。なお夕ラッシュ時はそこまで線路容量が逼迫していないので外線区間急行の設定はない。
神戸電鉄 急行
登山鉄道の元準大手の神戸電鉄だが、この路線にも急行は運転されている。
・・・が、新開地を出ると、湊川・鈴蘭台と停車した後、箕谷と神鉄六甲を飛ばすだけである。(ついでに粟生線にも2024年4月現在列車の設定がないが停車駅の記載がある。この場合鈴蘭台~粟生まで各駅停車で、準急との差は長田の一駅だけである。)
補足させていただくと新開地~鈴蘭台は神戸市街近くである事と粟生線と有馬線の両方の需要がある事から遠近分離が必要なほど乗客が多い(鈴蘭台駅発は7時台で17本)のだが、鈴蘭台駅以北はそこまで需要が多くないこと、カーブを繰り返しながら急な山を登り降りする都合上速度はそこまで出せず、通過運転してもそこまでの短縮にならない事、谷上からは神戸市営地下鉄北神線(旧北神急行)が伸びており、神戸電鉄が谷上以北の場合、三宮へはこちらの方が圧倒的に速いほか、湊川・新開地方面についても、急行で谷上~湊川間が22分に対し、神戸市営地下鉄で18分である。加えて湊川~新開地は200~300mしか離れておらず、わざわざ乗り換えなくても歩いて新開地まで行けるので、そちらに速達輸送を任せている側面もある。(市営化で安くなったし。ちなみに特快速は停車駅は少ないが同区間を急行と同じ22分で結ぶ)
なおこの急行は上記の神戸市営地下鉄の兼ね合いもあり、準急・特快速を含め朝夕ラッシュ時用で、昼間は各駅停車のみである。
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