テンハッピーローズ 単語

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テンハッピーローズ

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テンハッピーローズ(Ten Happy Rose)とは、2018年生まれの日本競走馬である。栗毛

な勝ち
2024年:ヴィクトリアマイル(GⅠ)

幸運の薔薇は遅咲き

エピファネイアフェータルローズタニノギムレットという血統。
シンボリクリスエスシーザリオを両に持つ良血。種牡馬としてはエフフォーリアデアリングタクトを輩出している。産駒は全体的に熟傾向にあるのが特徴。
は34戦3勝の戦績。近に活躍は多くないが4代Fruitionから辿ると菊花賞ドゥレッツァが出てきたりする。なお名にローズがつくが、いわゆる「薔薇一族」と血縁関係はない。元を辿れば曾祖母*の名が「Oenothera(=月見草)」であり、祖母プリムローズイヴ名も同じく月見草を意味する「Evening Primrose」からとられたもの。フェータルローズ祖母の名から一部をいただいた結果、の種類がRoseに変わり、本もその流れを引き継いだものである。
2002年ダービー種牡馬としてはウオッカ以降GⅠ恵まれず、としてもパフォープロミス立つ程度で頭打ちになっていた。

2018年2月26日、社台ファームで誕生。オーナーは「テン」冠名を用いる氏。オーナー1993年から馬主をしているが、テンハッピーローズまで30年以上、一度も中央重賞を勝ったことがなかった。

名意味は「冠名+幸福+名の一部」。

2歳~5歳

テーオーケインズなどで知られる東・高柳大輔厩舎に入厩。デビューく2歳8月。ここは7番人気低評価だったが、6番手から直線で群の間を鋭く伸び1身1/4差で快勝。しかし自己条件のサフラン賞で素質サトノレイナスに当たってしまい、末脚勝負に敗して2着。GⅢアルテミスSに挑戦したら今度はソダシが待ち構えており、マークする絶好位にいたのにあっさり置いて行かれ3着。2歳は後の桜花賞ワンツーに手も足も出ず1勝に終わる。

3歳はGⅢフェアリーSから始動。メンバー構成の軽いここは1番人気に支持されたが中積極的に押し上げる競馬が裏に出たか最後に後続に差され4着。トライアルGⅡチューリップ賞体を大きく減らしてしまい10着に大敗。賞を加算できず、クラシックをあきらめ休養に入る。

気を取り直して1勝クラスから再始動し、初戦2着を挟んで1400mに短縮した2戦勝利。ここからしばらく1400m戦を選んで出走するようになり、続く2勝クラス戦の新発田特別も上がり最速の末脚で2身突き抜け難なく勝利し1戦で昇級。一休みした12月3勝クラス初戦の六甲アイラドSは2着にまとめ、3歳シーズンはこれで終了となる。

明けて4歳、中での2戦は大敗するが、東京に替わった晩S2着を経てフリーウェイS勝利。ようやくOPに昇格する。しかしOPではに当たり、朱鷺S4着、信越S2着、オーロカップ6着と1400mのOP特別だけを使われながら3連敗。結果を出せずに4歳を終える。

5歳になった2023年は2年ぶりの重賞出走となる京都牝馬Sに出走したが中団から流れ込むだけの6着。久々マイル戦となった阪神牝馬Sは上がり3位の末脚は使ったが前残り決着でどうにもならず7着が精一杯という結果に終わる。
1400mに戻ったリステッド競走安土城Sも4着と敗れたが、ここで上がり3ハロン323というとんでもない数字叩き出す。続くパラダイスSも3着ながら上がり327。そして2年連続出走の朱鷺Sで前2頭が残りそうなところに中団から猛然と襲いかかり、クビ差とらえてゴール。1年3ヶぶりの勝利を挙げる。

やっと本格化かと思われたが蹄の状態が思わしくなく休養。このまま出走することなく5歳を終える。

6歳 寂しかった僕の庭に薔薇が咲いた

6歳も現役を続行し、2年連続の京都牝馬Sに出走。5ヶの休み明けながら上がり3位336の末脚は使ったが、後方3番手からではとても差しきれず7着。阪神牝馬Sにも出走し、332と脚はキレたが3位タイ秋華賞2着のマスクトディーヴァら上位にはの差で突き放され6着に敗れる。

しかし営は強気にGⅠヴィクトリアマイルへ出走。営は「状態は一番いい」とコメントしていたが、単勝208.6倍の14番人気(15頭立て)。戦績が1400mに偏っていてマイルではアルテミスS3着以降まともに勝負になっておらず、阪神牝馬Sで上位だったマスクトディーヴァ、ウンブライル、モリアーナがって出走、その上前年のマイルCS覇者ナミュールまでいるとあっては人気がないのも致し方なかった。おまけに直前追い切りも頭が上がったまま掛かりまくりのひどいもので、調教党からもほとんど支持を得られなかった。

上は前年から騎手となった津村明秀。59番からそこそこのスタートを切ったがはスッと下げて後方4,5番手あたりを追走する。半マイル454とまずまず速い流れとなり、ごちゃつく群を横に大外を回って直線に向く。
残り400mの標識を過ぎてが追い出すと凄まじい末脚が炸裂。後方でもがく2番人気ナミュール、進路取りに手間取る1番人気マスクトディーヴァを嘲笑うかのように群を撫でりにし一気に先頭に立つ。得意な1400mをえてからのラスト1ハロンも脚色は衰えず、最後まで尽きることなく後続の追撃を1身1/4振り切って大金星ゴールを駆け抜けた。

重賞勝利どころか6歳にしてGⅠ初出走で初勝利。単勝配当はGⅠ史上4位となる20,860円。2着が4番人気フィアスプライド、3着に1番人気マスクトディーヴァが滑り込んだのにも関わらず3連単916,640円がついてしまう大波乱が巻き起こった。WIN5に至っては、この日の京都10R錦ステークスで12番人気のボーデンがを開けていたこともあり、的中わずか1票で史上4位の4億46057430円がついた。

上の津村明秀は現役21年にして悲願の初GⅠ勝利。かつてカレンブーケドール、カフジテイクでわなかったを遂に実現させた。ウイニングランはとことこと外ラチ沿いに近づきファンサービスでもするかのように満員の観客席を眺めながら歩くテンハッピーローズの背で自身も繰り返しガッツポーズ、人共にファンの大歓に応えた。
インタビューではをこらえながら「本当に長くてもう勝てないかもしれないという思いはありましたけど、諦めちゃいけないと毎年思って、GⅠにたどり着けるように小さいところから頑ってきました」とコメント。「妻と息子サッカーの試合見に行ってると思うんで」と笑いを取ることも忘れず、「帰ったらみんなを抱きしめたいです」と感慨に浸った。
エピファネイア産駒GⅠ9勝だが、古になってからの産駒GⅠ勝利は初。また馬主氏は馬主生活32年にして初重賞勝利が嬉しいGⅠ勝利となった。
そしてテンハッピーローズを含む2021年クラシック世代は、このヴィクトリアマイル2022年ソダシ2023年ソングライン2024年の同と3年連続制覇。めて世代の厚さと実を見せつける結果となった。

このあとは安田記念に向かわず休養を取り、ブリーダーズカップの遠征を視野に入れている、との事。2200mへ距離延長のBCフィリー&メアターフや、混合の芝マイルであるBCマイルなどの選択肢補に挙がっているようだ。テーオーパスワードケンタッキーダービー5着と実績を残している高柳厩舎だが、も積極的な海外参戦を行っていく模様。

血統表

エピファネイア
2010 鹿毛
*シンボリクリスエス
1999 黒鹿毛
Kris S. Roberto
Sharp Queen
Tee Kay Gold Meridian
Tri Argo
シーザリオ
2002 青毛
スペシャルウィーク *サンデーサイレンス
キャンペンガール
*キロフプリミエール Sadler's Wells
Querida
フェータルローズ
2009 栗毛
FNo.2-f
タニノギムレット
1999 鹿毛
*ブライアンズタイム Roberto
Kelley's Day
ニノクリスタル *クリスタルパレス
*タニノシーバード
プリムローズイヴ
2000 鹿毛
*サンデーサイレンス Halo
Wishing Well
*オエノセラ Night Shift
Fruition

クロス:*サンデーサイレンス 4×3(18.75%)、Roberto 4×4(12.50%)、Hail to Reason 5×5×5(9.38%)、Northern Dancer 5×5(6.25%)

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