ブルパップ 単語

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ブルパップ

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ブルパップ(Bullpup)とは、銃器の設計方式の一つである。ブルパップ方式、ブルパップ式とも。

プルパップ(Pull-Pup)でもプルバップPull-Bup)でもブルバッブ(Bull-Bub)でもない。

概要

アサルトライフルの登場以降、小銃はより小で軽量な機動性の高いものがめられていた。

これまでの銃器設計では、機関部の後ろにストック床)が配置されており、全長を短くして機動性を向上させるには身の方を切り詰めていた。しかしそのやり方では弾が発射されても加速させきれず射程距離が落ちるし命中率が低下する。かといって切り詰めなければ狭い場所で思うようにが使えず、重量があるため持ち運びにも苦労するという弱点があった。

そこで考え出されたのが、これまで姿勢安定にしか使われていなかったストック機関部とマガジン(弾倉)を内蔵するというこのブルパップ方式である。これにより、弾を加速させる身の長さを維持したままで銃器の全体の長さを短くすることができるようになった。

ただ、1970年代1980年代にはステアーAUGオーストリア)、SA80イギリス)、FAMASフランス)と流行のように多くのブルパップ式ライフルが作られたが、デメリット・使い勝手の悪さもあってか、現在では従来式に置き換わるほどには普及・浸透していない。

ちなみに、名前の由来は「ブルドッグ(Bulldog)」の「子犬Puppy)」でブルパップらしい。らしいというのは、これですら有な説に過ぎず、はっきりとした由来がいまだ分かっていないからである。

長所・短所

長所

全長が短くなる
ストックの部分に機関部が入っているため、機関部のぶんだけを短くできるので機動性が高くなる。つまり屋外から屋内まで、場所の広さを問わずを使えるようになる。
身長が維持できる
バレル機関部を切り詰めることなく後ろにもってきただけなので、弾が持つ本来の威・貫通を維持したままで戦える。
反動制御が容易
機関部の位置の関係から、反動の制御がしやすい。AUGの発時の口跳ね上がりは、撃ちやすいと評判のM16よりもはるかに小さいという。

短所

弾の交換に手間どる
従来は機関部とマガジングリップの前にあったため、弾が切れても射撃体勢のままマガジン交換を行うのは可だった。
しかしブルパップではグリップの後ろにマガジン機関部があり、マガジンの位置が胴体に近いため射撃姿勢を維持したまま取り替えるのは従来式にべるとスピードがやや低下する。あと撃っている途中でマガジンが落っこちても分かりにくい。
排莢が顔にくる
ライフルを撃つ際にはストックを抱え込むように撃つが、ブルパップは機関部がストックの内部にあるのでストックの横に莢を排出するがある。そのため発射されたばかりで熱のある莢が飛び出すと顔に当たって火傷してしまうことがある。排莢する側をきちんと設定しておけばこの限りではないのだが、戦場では咄嗟に逆撃ちを行わなければならない状況が生じてもおかしくない。この点では、いくら切り替えができると言ってもそもそも射手の左右を選ばないコンベンショナルタイプに対して絶対に勝ちがないのである。
いちおうFN F2000などのようにトンネルを使って別方向に排莢することで問題を防いでいるライフルもあるが、本来は効率的に相手を殺傷するための武器には不要な仕掛けということもあって、仕組みが複雑になってしまう。(トンネルが詰まった場合どうやって排莢するの?ということにもなる)
障害も顔に来る
機関部からの発射音や硝煙のをずっと間近でうけることになるため、場合・状況によっては難聴や視覚障害などの障害を持つ可性も摘されている。
これについては、「しっかりした銃器設計と適切な弾薬であれば問題ない」とする反論もある。
照門と照の間が短い
一般的に照門(リアサイト)と照フロントサイト)を用いた照準方法は、照門と照が離れているほど精度がよくなる。
全長が短くなっている分、照門と照の間の距離は短くなり、狙いが定めにくくなる。ステアーAUGA1がテレスピックサイトを標準装備し、アイアンサイトバックアップとしたのはこれが理由である。
この欠点については、「交戦距離が短くなる戦や室内戦では問題にならない」という摘もある。
置き換えるほどの価値がない
小銃を置き換えるとなると大な費用が掛かるのはもちろん、兵士全員が不慣れなブルパップに慣熟するための訓練をしなければならない。そうまでして置き換えるだけの価値があると判断されるには、ちょっとやそっとのアドバンテージでは到底足りないのである。おそらくアメリカ軍がブルパップをとすることは今後もないであろう。
逆に軍備が整っていなかった新興国ではそのリスク較的小さいとも言えるか。

主力小銃以外でのブルパップ方式

上述したようにメリットも多いがデメリットも多いので、わざわざ小銃をブルパップにしようという動きを見せる軍隊は多くないが、逆に狙撃銃においては割と好評である。

というのも小銃を置き換えると全員が訓練し直さなければならないが、狙撃手はそもそも数が多くなく、ある程度人員を選抜することも可であり特別訓練を施すことも容易である。
さらに、咄嗟に左右を切り替える必要もほとんどなく、人員が選べるので右撃ちを強要してもさほど問題にならない者を集めれば済む。
さらにさらに、どうせ狙撃銃ならスコープの搭載が前提なのでアイアンサイト々の話はほとんど関係ない。
加えて、全長を短くしつつ身長を稼いで命中精度を高めやすく、反動制御も容易である。

以上の事から、ブルパップ式は狙撃銃と相性が良く、バレットM95M99)やSVUといった既存の狙撃銃のブルパップ化もさることながら、DSR-1WA2000といった新規設計のブルパップ狙撃銃開発されている。
でも結局L96とM24に勝てないのが悲しい。

主なブルパップ方式採用銃

アサルトライフル
スナイパーライフル
短機関銃

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