SCP-2800 単語

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カクタスマン

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本題に入る前に、少しだけシェアード・ワールドSCP Foundation』について振り返っておこう。

SCPバースは今や数千のアノマリーと数多の登場人物たち、登場常団体により、多で深みのある世界が作られている。あるときは々が争い、あるときは妖精とその創造物が人類と対峙し、あるときは現実曲し、またあるときは寿司が回る。

しかしそんなSCPバースは、SCP-076-2 ("アベル")やSCP-343 ("")、SCP-239 (ちいさな魔女)をはじめあまたの人ノマリーがうじゃうじゃいる世界であり、そんな世界に多くの新規人ノマリーが「No X-MEN」の号の前に消え去っていった。自分のを自在に使える異者など、オブジェクトとしてなんら面みがない、というのがSCP Foundation現著者達の結論である。ヒーローにしろヴィランにしろ、オブジェクトである限り「優れた異者」は好まれていないのだ。

――何故こんな話をいまさらするのか?それは、この項で話すオブジェクトが、まさに『自分のを自分で自在に使えるヒーローだからである。

 

 

 

 

CACTUSMAN,
 カクタスマン、

 

 

THE SPIKED MENACE
釘刺す脅威

 

 

 

 

SCP-2800とは、シェアード・ワールドSCP Foundation』に登場するオブジェクト(SCiP)である。

名は『Cactusman (カクタスマン)』。

概要

SCP-2800
基本情報
OC Safe
著者 weizhong
作成日 2014年3月1日
タグ サボテン
人間
植物
生命
知性
感応
リンク SCP-2800exit
SCPテンプレート

スコットランド生まれの男性、本名ダニエル・マッキンタイア。しかし本人は自身をこう呼ぶ。『カクタスマン、釘刺す脅威 (Cactusman, the Spiked Menace)』と。色の187cm、76kgのカクタスマンは、まさにSCPバースでは逆に重となった異者である。

彼はある日が覚めたら、サボテンパワー覚めた。財団の調では、彼はサワグロサボテンDNAを含むゲノムを有していることがわかってる。このため、サワグロサボテンに由来する数々のパワーを行使できる、というわけだ。

だったは以下のようなものだ――まずは、体表全体から素く2-3cmを生やす。この自然に抜けるほか、自身の意志で自発的に分離することもできる。

CAM合成を行うも有する。これは二酸化炭素を吸収し、酸素放出するというタイプ合成である。このを行使するために体表に気孔に類似した孔を開けることができる。

サボテンなので、常人よりも少ない生活でき、一般男性の1/3の生活され、1/5の尿素しか産生しない。このため、カクタスマンはアンニアといった排物を他の植物同様に体内に貯蔵できると考えられている。体表の孔から排物を放出することもできる (カクタスマン本人にとっては不快らしいが)。

サボテンなので、高温や燥もへっちゃら。他の非異常サボテンとの会話もできるらしく、それによって代謝率が大幅に増加するようだ。

彼はもともと学校いじめられっ子であり、かつX-MENに憧れるアメコミナードであった。彼は、このサボテンパワーを活かし、弱い立場にいる人を助けるヒーローになることを誓ったのだ。

オブジェクトクラス:Safe

……先述の通り、与えられたスーパーパワーを理解し使いこなしているカクタスマン。普通なら、ディスカッションの段階で「書き直したほうがいいよ」とアドバイスされ、投稿すればDownVote (低評価)のであろう。そんなカクタスマンがSCPバースに認められ、あまつさえ、意思を持つ人ノマリーであるのにも関わらずSafeクラスとなっている。

通例、意思を持つアノマリーはEuclidやKeterになることはあっても、Safeになることはない。これは、意思を持つ限り、魔が差したり、あるいは財団を欺いたりできるからである。今でこそ収容を受け入れているカクタスマンだが、自身を閉じ込める財団を悪とみなし反旗を翻したり、あるいはそもそも正義の心が演技であり、自身の世界を壊そうとしているかもしれない。

しかしながら、カクタスマンのオブジェクトクラスSafeなのである。これは何故か。……簡単な話である。

カクタスマンの異常性がどれもこれもしょぼいからである。

常人よりも少ない分で生活でき、高温多湿下でもへっちゃら、そして手からはサボテンを生やせる。そのの生えた手で相手を殴れば、確かに相手は痛がるだろう。だがその後は?カクタスマンが全身にサボテンをはやしたところで、気にしない人は気にせず殴るだろうし、そもそも素手で殴らなくても近場に落ちているや棒きれで応戦すればいいだけのことだ。まして財団にはいくらでも軍事なら用意がある戦車爆弾、時には巨大ロボット魔法ミームエージェント、並行宇宙につながるポータルまで持ち出してくる財団相手に、サボテンが有効である理がない

サボテンと会話できるも、サボテンの話すことは「ここすごく寒い」「のどかわいた」「わたしサボテンです」などの内容であり、カクタスマンにとって助言になりうるようなものはない。彼は軍師一人 (この場合は一仙人掌) さえ獲得できる見込みさえないのだ。これでサボテンのほうが異常サボテンであればまだどうにかなるのだが、どうにも彼の獲得したは非異常のサワグロサボテンの範疇をえないらしい。そして彼は腕っぷし一つ強いわけでもない。元いじめられっ子のアメコミナードに与えられた武器サボテンだけだ。全武装したムキムキマッチョ相手にカクタスマンが何ができようか?

これではSafeクラスに分類されるのもむべなるかな。

苦悩するヒーロー

さて、カクタスマンは財団にとっておよそ脅威になりえない、ということを説明したが、問題は当人にとってはどうなのかという話である。彼は、英雄症候群を患っており、自身に何ができるというわけでない状況でも、困っている人がいれば行って助け出そうとする。このため、彼は敵、この場合はそのへんの犯罪者不良共と戦うことがしばしばある。何度でも言おう、彼は元いじめられっ子のアメコミナードに過ぎない。そんなカクタスマンが彼らに勝てる理もない。

しかし彼は携行武器を持つことをしない。「ヒーローナイフなどを使わない。ヒーロー子供のお手本でなきゃいけない」と。ヒーローとして子供たちの規範たらんと、彼はサボテンひとつで、悪に挑み、返り討ちに遭う。

財団がはじめてカクタスマンに会った日もそうだった。カクタスマンは、財団が取り逃がした現実歪曲SCPを相手に、サボテンひとつで立ち向かっていた。論、そのときも彼はそのオブジェクトに何のダメージも与えられず、財団が当該オブジェクトを再収容した際に一緒に『保護』されたのだ。

こうして彼は、己のさを知り、苛まされる。他者を助けることができない自身にいらだちを覚え、慢性鬱病をはじめとした複数の精神疾患を患い、自傷行為を試みている。財団は、彼を保護するための特別収容プロトコルを制定しており、可である限り、他者を助けるための仕事を与え、彼の意欲と精状態の善を試みている。慢性鬱病等の善と、それら精状態による自傷行為の防止を的に心理検が行われ、自殺に対する限界監視下に彼は置かれている。


財団は、カクタスマンがかつて戦った地下鉄の監視カメラ映像を回収した。彼は、女性子供を襲うナイフを持った不良に、やはりで立ち向かい、そして相手が怯んだ隙に縛り上げた。女性警察を呼ぶなかカクタスマンはその場を立ち去ろうとする。しかし子供がカクタスマンを呼び止めてを手渡す。カクタスマンはそのサインをして子供に手渡した。

彼は確かに弱い。だが少なくとも、彼がヒーローであることには疑いは持ちようがない。

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