アスタチンとは、原子番号85の放射性元素である。元素記号はAt。
概要
- ハロゲン元素に属する。同位体のすべてが放射性。半減期は長いものでも8時間強しかない不安定な元素。元素名もギリシア語の「不安定」から取られている。
- 発見:1940年、カリフォルニア大学バークレー校で初めて人工的に生成される。天然にも、ウランの放射性壊変物としてわずかに存在するが、地殻に存在するアスタチンの全量は25g前後と推定されている。
- 工業的にはビスマスに加速器で加速したヘリウム原子核を照射して製造される。
- 化学的性質は同じハロゲンであるヨウ素に似ていると考えられているが、実験中に崩壊して他の元素に変わってしまうため性質の調べようがなく、よくわかっていない事が多い。未だ肉眼的な量が合成されたことがない元素である。
- 単体は常温では固体で色はおそらく黒。金属光沢を持ち、金属的な性質も持っていると考えられる。
- 比較的半減期の長いアスタチン211ががんの診断・治療に役立つ可能性があり(ヨウ素同様甲状腺に吸収されやすい)研究が進められている。
関連項目
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