スタインウェイとは、スタインウェイ・アンド・サンズ社が製作するピアノである。
概要
スタインウェイの生まれは1853年。アメリカ合衆国ニューヨークで設立されたピアノ製造会社であった。今では世界のピアノメーカー御三家ベヒシュタイン、ベーゼンドルファーと並んで数えられるほどである。総合楽器製造複合体スタインウェイ・ミュージカル・インスツルメンツの一角もなしている。
会社が製作するグランドピアノは世界で最も有名なピアノの代表格であり、俗に「神々の楽器」 (The Instrument of the Immortals) として知られているが、これは多くの伝説的なピアニストや作曲家の信奉の結果でもある。
特徴
- 楓などの硬く緻密な木材を使用した、曲げ練り製法によるアウターリムとインナーリム
- 放射状支柱とその基部のコレクターを後框および金属フレームと結合することで弦の張力と響きを支柱とリムに拡散すること
- 力学および音響的に優れかつ軽量な金属フレーム
- クラウン(むくり)を長く持続させ音質的に優れた響板の材質および厚みを管理した製造法
- 他社に比べ張力が低いスケールデザイン
- 弦の倍音を有効に活用するデュプレックススケール
- フレームとリムを連結し弦圧を最適化するとともに高音域の響きをリムに伝えるサウンドベル
- 金属チューブに木材を充填したアクションレールおよびハンマー固定方法
- レスポンスに優れたエルツ式のウイペン
以上の特徴より、弦の振動をピアノ全体に分散し響かせる設計によって、楽器全体から豊かな音を発生することができ、特に大ホールにおいても充分な量のきらびやかな音を響かせるのである。
また整調、整音により幅広い音色を持たせることが可能であるため、クラシックやジャズに限らず、幅広いジャンルに対応することができ、多くのホールや録音スタジオでのファーストチョイスとなっている。
また、このグランドピアノは木材からピアノになるまで丸1年、延べ人数300人の人間の手によって作られる。人の想いが詰まったピアノと言えよう。
何よりも素晴らしいのは、楽器の寿命である。古くなった部品をリビルド(復元修理)することで見事に蘇る「超復元能力」は他の楽器には見られない特徴でもある。これは、必要に応じて経年変化などで消耗する部品さえ適切な手法で交換していけば、生まれた当時のような華麗な響きを何度でも取り戻すことができるのだ。
関連動画
余談だが、左の動画で演奏されているピアノはグランドピアノD-274だと思われる。実勢価格は約2000万円程。だが演奏者ピアノ。二つがしっかり揃ってこそ素晴らしい演奏が産まれるのだと思うのだ。
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関連項目
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