プリマス・ロードランナー(Plymouth Roadrunner)とは、クライスラー社のプリマスブランドでかつて生産されていたアメ車である。いわゆるマッスルカーのカテゴリーに属し、世にも珍しいアニメのキャラクターがモデルの車である。
Beep(・∀・)Beep
1968年に登場したこの車はざっくばらんに言えばドンガラにハイパフォーマンスエンジン+足回り強化をしたスパルタンなマシンである。
そもそもロードランナーが位置づけられているクラスはインターミディエイト、中間のクラスである。言ってみれば、マークⅡクラスのようなもので、そのクラスの車体は名前こそ異なれど基本的に同一であった。マークⅡにツアラーやグランデとあるが、それをまったく別個の車種にしたというイメージが近いであろう。基本モデルのベルヴェディア、ちょっと上級クラスのサテライト、豪華でハイパフォーマンスのGTXという風になっていた。そしてこれがダッジでは、ダッジ・チャージャー辺りとなる。ブランドは違ってても、車体は共通なのも特徴である。アメ車ではよくあるお話ではあるが…。
さて、これらの車は人気を博せば装備の充実が図られ、その度に価格が高くなってきた。若者からすれば手出せないよヽ(`Д´)ノウワァァァン!!であり、でも早い車ホシス(´・ω・`)であった。そこで若者にも手が出しやすいように、走りの面は手を入れるけど、後は(゚⊿゚)イラネ的な車を考え出した。そんなこんなで登場したのがロードランナーである。
前述の通り、ドンガラ…とまでは行かなくても、装備を厳選させまくって走りに必要になる部分は強化されているが、それ以外はフロアマットさえないものであった。かつて日本のセダンのカタログにスタンダートと言う何もないモデルがあったが、それを使用してるようなものである。標準は6.3Lであるがオプションで7リッターのヘミエンジンが搭載できる。言ってみれば、タクシーでおなじみのコンフォートに初代セルシオや初代ハイメディックでお馴染みだったV8のUZ型エンジンをオプションで選べるようなものである。
そして最大の特徴が車の由来がアニメのキャラクターな事である。古今東西に色々な車があり、その由来も様々であるがアニメのキャラクターが由来である例はこれぐらいではないかと思える。無論、これも若者向けである事は明白ではあるが、足の速いキャラクターの代名詞と言えばルーニー・テューンズでお馴染みのロードランナーであり、そっくりそのまま車名にしたのである。そしてその鳴き声である「beep,beep!」をクラクションに採用し、アクセントとしてロードランナーのステッカーを貼り付けたのである。この部品単体だけでも今でも探せば手に入る。日本で例えれば、そんなタクシーベースの車のハイパフォーマンスカーにトヨタ・ジャイアンとかつける感じである。クラクションはジャイアンの歌で。
かくも明確なキャラクターであるこの車は発売されるや大人気となった。1/4マイルを14秒ちょっとで駆け抜ける脅威のパワーは画面を所狭しと駆け巡る「アニメ」のロードランナーとダブって見えるのであった。飛ぶように売れた+サードパーティの豊富な品揃えのおかげで、タマ数は本国でも割かしあるが、それでも人気のビンテージ車に変わりはなく、結構いいお値段である。
基本車種のモデルチェンジとあわせて、ロードランナーもモデルチェンジを行い、ベース車体が変更になったり、オイルショックや排ガス規制の影響を受けながら、1980年まで製造をされた。
スーパーバード
NASCAR参戦用にホモロゲーション(販売台数500台以上)を取るだけために作られたであろう車種がこのスーパーバードである。ベース車の鼻先を伸ばして、なおかつ空力に有利なように仕立て、リアもビックリするぐらいにでかいウィングを取り付けた。そして自己主張するかのごとくリアには「Plymouth」の文字とそこかしこに貼られたロードランナーのデカールが貼られていた。しかしその姿はロードランナーの可愛さからもはやかけ離れた「怪鳥」そのものであった。ありていに言えば、ロードゴーイングレーサーであり、それをアメリカンに解釈するとこうなったともいえよう。これと同じ内容の車をダッジでも製作し、こちらはチャージャーデイトナという名前で販売された
この車種開発のきっかけとしてフォードが1969年にインターミディエイトクラスのフォード・トリノをベースに元々優れていた空力をさらにNASCARに即したものとしハイパフォーマンスエンジンを搭載した「フォード・トリノ・タラテガ」というモデルを完成させた事である。そして、メーカーの事情でいい車をあてがわれなかったリチャード・ペティを引き抜いた。これと同じ改良を加えられたものがマーキュリーブランドでも設定され、こちらは「マーキュリー・サイクロン・スポイラー」と名乗った。空力をめぐる開発競争によって生まれたこれら4車種は「エアロウォーリアー」と呼ばれた。
さすがにNASCAR側でもあからさまな過当競争には(#^ω^)ピキピキと来たようで、ルールが改正(販売台数500台以上から3000台以上へ)されるとモデル廃止となった。なお、製造は1970年だけなのでチャージャー・デイトナと合わせて、ボロでも200万は下らず、状態がよければ1000万~2000万超と相当なプレミアがついている。なお、2000台弱製造されたが、外装が奇抜すぎたので売れ残ってしまい、その中には通常のロードランナーに戻されたものも存在する。ちなみに本国では通常のロードランナーをスーパーバード仕様にコンバートできるキットもあるらしい。
そのNASCARにおいては伝説のドライバーとなっているリチャード・ペティがこれを操縦した事は有名である。青の43のスーパーバードはその当時の彼のアイデンティティであり、ディズニー映画の「カーズ」ではその頃の本人を意識したであろう「ストリップ・ウェザース」の名前で、ほぼこのスタイルのままのキャラクターを登場させた。無論、本国版の声優はペティ自身である。
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