「マザーグース」とは、イギリスにおける伝承童謡の総称、あるいは、それらを作ったとされる不特定多数の女性作家の総称である。イギリスのナーサリーライムズの別称でもあり、日本やアメリカでは「マザーグース」の呼び名のほうが親しまれている。
英語では「Mother Goose」、フランス語では「Ma Mère l'Oye」、どちらも直訳すると「鵞鳥おばさん」となる。
概要
イギリスをはじめとする英語文化圏では、制作時期・作者共に不詳の童謡が数多く存在し、その数は1000を超えるとも言われている。
形式は数え歌、子守唄、早口言葉、なぞなぞ、言葉遊びなど多岐に渡り、内容も故事の引用から、特権階級への批判、時代の風刺など様々な題材が取り入れられているが、あくまで童謡であるため、単語・表現共に分かりやすく、韻やリズムが重視されているのが特徴。
英語文化圏では非常にポピュラーなため、新聞や雑誌の見出しにパロディとして用いられたり、歌詞の一部に引用されるなど、派生の数は限りない。
アガサ・クリスティの『そして誰もいなくなった』、ルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』、ヴァン・ダインの『僧正殺人事件』などにモチーフとして取り入れられており、日本ではこれらの作品がきっかけで認知度が上がったという側面もある。
代表作
- 「Old Mother Goose」/がちょうのおばさん
- 「London Bridge is Broken Down」/ロンドン橋落ちた
- 「Mary had a Little Lamb」/メリーさんの羊
- 「Twinkle, Twinkle, Little Star」/きらきら星
- 「Ten Little Indians」/10人のインディアン
- 「Humpty Dumpty」/ハンプティ・ダンプティ
- 「Who killed Cock Robin?」/誰がコマドリ殺したの?
- 「Ring-a-Ring-o' Roses」/薔薇の花輪
- 「Old King Kole」/コール老王
- 「Lizzie Borden」/リジー・ボーデン
- 「Georgie Porgie」/ジョージィ・ポージィ
- 「My Bonnie lies over the Ocean」/ボニーは海の上
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関連項目
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